第362回【田中角栄と松下幸之助に学ぶ】 | 【松下幸之助、創業者、名経営者、政治家に学ぶ】          

第362回【田中角栄と松下幸之助に学ぶ】

『松下幸之助相談役追悼集』に松下電器で松下さんの秘書をしていた人の証言がある

 

 

本社の前で松下さんが外出するため車を待っている時に、顔見知りの社員とばったり会うことがよくある

 

 

どんなに急いでいる時も必ず声をかけるのだという

 

 

「君元気か・・・」「最近どうや」

 

 

とにかく心から声をかける。部長、所長であれ、課長であれ、例外なく声をかける

 

 

声をかけられた社員はみんな大喜びしていたという

 

 

また田中角栄元首相の最後の秘書、朝賀昭先生の著書『田中角栄 最後の秘書が語る情けと知恵の政治家』でこのようなエピソードがあります

 

 

「警護の人たちに対しても、それまでの総理は『はい、ご苦労さん』とだけ言って、すっと家に入っていく。オヤジは目白に着くと、『おお、寒いのに、君ら大変だなぁ。あったかいものいま出すから、そばでも食って帰れ』と」

 

 

また永田町の隣の警視庁麹町(こうじまち)署にはこんなエピソードがあります

 

 

麹町署の大きな任務の一つに、首相官邸の警護がある。歴代の首相で田中角栄先生が一番人気だったという。他の首相は、夕方に官邸を出ていくとき、出入口の署員ボックスに向かって車の中でちょっと手を挙げる仕草をするだけだが、田中先生はわざわざ自分で車の窓を開け、片手を上げたボーズで、必ず『ご苦労さん』と声をかけてくれる。それも心のこもったものなのだという

 

 

田中先生のためなら何かあったときは、自分はいつでも生命を投げ出せる、と言っていた署員が結構いたという

 

 

私は議員の宿舎で警備員をしていたことがありますが、挨拶しても無視をする議員、反応の小さい議員さんがおられました。なかには警備員は人間ではないと思っておられるような態度の人もいました

 

 

稲盛和夫さんはリーダーに一番大事な要素を聞かれて

 

 

「思いやり」と答えたことがあります

 

 

「思いやり」や「利他の心」のない人はリーダーになってはいけないと

 

 

リーダーにカリスマは必用ありません

 

 

リーダーに必用なものはあったかさや思いやりだと思います。