今回も、実際のお客さま対応で使えるフレーズを、
ケーススタディを交えながら、お伝えします。
今回は、あらかじめ注意をうながすフレーズとしての、
「ご容赦ください」です。
デジタル大辞泉によると、
容赦[名](スル)
1 ゆるすこと。大目に見ること。
「もう遣り切れないと云った様子を先刻から見せている津田を毫も―しなかった」〈漱石・明暗〉
2 手加減すること。控え目にすること。「―なく追及する」
と記載があります。
相手に、『過失』や『失敗』など、
【ミス】について、許しを請う場合の表現のようです。
「容」には、
「受け入れる」・「聞き入れる」・「認める」という意味があり、
「赦」は、
「(罪や過ちを)許す」という意味からなっている熟語です。
「容赦ない」・「容赦しない」という言いかたで、
「手加減を加えない」という意味でも使われますが、
「ご容赦」は敬語表現なので、「許す」でのみ使います。
お客さまに対して、
「ご容赦いたしません」とは、
言いませんね。
「許してください」では、
ことばとして印象が軽い場合に使う、
「より畏まった言いかた」の一つです。
用法としては、
主に、メールやファックスなど、文面で、
『発生する可能性のある軽微な過失』を、
『あらかじめお詫びしておく』ときに使います。
わたしは、完璧に防ごうとすれば防げるが、
そのためのコストや、労力が見合わない場合に、
よく使っていました。
・当日は、数に限りがございますので、
売り切れの際は、ご容赦ください。
・配送の都合上、箱にスレや傷が生じることがございますが、
あらかじめご容赦ください。
「あらかじめご了承ください」
という、大変便利なことばがありますが、
実はこれ、多用すると、バランスが悪くなります。
それに、「了承」は、
『納得』や『承知』をしてもらう時に使うため、
到底、相手が承知、納得できないだろうことに、
いくら『あらかじめ』を入れても、意味がないのです。
その点、「ご容赦ください」は、
ジャストフィットする場面で使えると、
とてもスマートです。
しかも、口頭で使ってもおかしくありませんので、
「許してください」を言い換えるフレーズの一つとして、
覚えておくことをオススメします。
例えば、
当日は、大変込み合うことが予想されますので、
トイレなどに長い列ができることを、
あらかじめご了承ください。
だと、
「分かってるなら、何とか対策できないの?」
といわれてしまう可能性がありますが、
トイレなどに長い列ができた場合は、
なにとぞご容赦ください。
といわれると、
「う~ん、そうなのか。覚悟しておこう。」
という印象になりませんか?
なお、「許してください」の言い換えフレーズは、
他にもいくつかありますので、ご紹介します。
・お許しください
・ご容赦ください
・ご寛容ください
・ご寛恕ください
・ご宥恕たまわりたく存じます
・ご宥免ください
あくまでも個人的な印象ですが、
上から下へと、許してもらう内容が、
どんどん重くなるように思えます。
どんどん重くなるように思えます。
そこで、次回は「寛」と「宥」の意味を踏まえて、
これらの使い分けを、ケーススタディをまじえて、
お伝えする予定です。
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