びっくりのトヨタ社長人事~ラリーチャレンジで取材させていただいた佐藤さんだ!
画像を探していたら数日たってしまい、やや賞味期限切れのネタだがお許しいただきたい。
昨年夏に渋川のTGRラリーチャレンジを取材した際に、トヨタを代表して出席しておられたのが佐藤恒治執行役員(GAZOO Racing Company President)だった。早稲田の同期です、なんてあいさつしながら取材にも対応していただき、実業界の大企業の幹部が同世代か、と感銘を受けたのだけれど、今般の人事で社長とはびっくりした。豊田章男現社長の肝いりの事業がTGRだからそもそもGAZOO Racing Company Presidentは重要人物なのだが、ほんの数分の取材だったのは惜しいことをした。
(ということで、あらためて当日の記事のリンクを再掲させていただきます。ぜひ、あらためてご覧ください。)
トヨタが豊田章男社長の下、面白いクルマを連発するようになり、また、低調な国内のモータースポーツを支える事業を積極的に展開している今、そのもっとも入門的なシリーズであるラリーチャレンジ。その責任者の社長就任で、これからますます盛り上がることは間違いないだろう。
ちなみに、この取材は夏に自治体学会で発表した「ラリーツーリズムの可能性」にも生かされている。
佐藤次期トヨタ社長と哀川翔さん、清水宏保さんのスーパートリプルショットは今となっては向きが逆だった。
作家の文章と編集の権限~鴻上尚史vs某通信バトルを考える
成人の日に掲載予定だった鴻上尚史さんの文章をボツにした某通信。その社長さんのblogが炎上して週刊誌ネタになっていますね。
この「成人の日に寄せて」では、大人になるということについて「自分の人生を自分で決めるということである」という前提で、まず「高校生らしい服装」という概念について批判をするというていで「○○らしい」について述べています。その背景にあるのは、彼が感じている、日本の若者たちは、ずっと「自分の頭で考えるな」という指導を受けて来たんだ、という思いから来ているというわけです。まあ、蛇足ながら私はむしろ、指導が楽だ、という指導者側のご都合主義・予防的手抜きを感じるわけですが…。
さて、その前段は、「らしい」ということの曖昧さ、定義、不可能性を述べて終わります。
その後、問題の箇所が出てくるわけです。
〈「服装の乱れは心の乱れ」という日本中で繰り返される標語がありますが、大人に気づかれないように巧妙にいじめる奴らの服装は乱れているでしょうか。陰湿な奴ほど、ちゃんとした服装をしていじめることをみんな知っています。〉
という部分です。
そして、自分の頭で考えることを皆さんにお勧めして、ついでに本屋で本を買ってね、と加えてこの成人の日に寄せてのメッセージは終わるわけです。
そこで、鴻上さんを批判した通信社の社長のブログの問題箇所です。
以下引用
〈元の原稿とゲラを見比べると、体言止めに変えたのは2カ所だけ。わざわざ直さなくていいような箇所もありましたが、新聞用字用語ルールに沿った直しや、予定行数に収めるための些細な修文が大半です。「陰湿な奴ほど、ちゃんとした服装でいじめることをみんな知っています」という一方的な書きぶりも、「ちゃんとした身なりをしていても、いじめをする人はいます」というバランスの取れた表現に変わり、むしろ読みやすくなっていました。まずかったのは、鴻上氏とのやりとりで「言葉の重複はできるだけ避けた方が美しい」などと説教を垂れたことでしょう〉
見ればわかりますが、鴻上さんの文章は、決めつけていて、乱暴で、一方的ですが、編集サイドの修正案はあいまいで、社会に忖度した、無難なものに仕上がっています。
これが記者の文章なら、この直しも「あり」ですが、作家に依頼したということは、相応の個性や品格、場合によってはぶっ飛んだものを求めてのことでしょうから、この修正は作家の文章の個性を殺し、誰でも書けるものに修正しようというものだということが言えます。
私は編集者でもありますが、編集のルールとして「いわゆる出来上がった一人前の作家の文章は勝手に修正しない」というものがあります。ですから、編集者のコメントは「疑問出し」という形をとります。
その疑問出しのプロセスを経て、ある意味で「ぶっ飛んだ」文章や思想の責任は基本的には作家の責任に収束していくのです。また、ご本人が責任をとれない、とか、まあ無難に行こう、という場合には疑問出しの通りに修正を行います。
つまり、修正しない、ということは鴻上さんが「俺の責任でこの文章はこのまま行く」という宣言でもあるのです。作家としてのアイデンティティであったり、主義主張であったり、というものについては依頼者は基本的には不可侵であり、その作家を選んだ時点で呼び出し太郎たる編集(権)者はそのリスクを取るのです。
もちろん、差別や倫理違反の部分が決裂すれば掲載しない、という判断になりますが、それはもう、一般的な文章のよしあしや好き嫌いの範疇を越えたものであり、それでも主張したいとしたら、仮にご本人がツイートしようがそれはそれで炎上するだけ、ということになるでしょう。
今回のトラブルは、通信社の判断ミスです。
まず、無難なものを求めるなら鴻上さんではなく、池上彰さんに頼めばいいのです。
次に、出てきた文章を見て、無難なものに修正したいという誘惑に負けた。疑問出しをして、相手が拒否したら載せるしかないのです。
さらに、社長が反論して問題が周知された。ガチのツイッター民なんて人口の数パーセントです。スルー、流せばよかったのです。
いずれにしても、鴻上さんの文章が載せられないほどぶっ飛んでいたかというと、作家らしい決めつけだなあ、鴻上さんらしいなあ、で終わった可能性が高いと私は感じました。
何より、作家の文章を骨抜きにする編集者なんて何ともつまらないじゃないですか。
画像は鴻上さんのTwitterより。
中学受験と少子化
森民夫元全国市長会会長の叙勲お祝いに!
地方大学の学生(&高専)とITベンチャーの素敵な関係/地方という進路もいいかもしれない!
そろそろ大学入試の共通テストのリサーチを踏まえて進路を考える時期。今日は地方への進学について、特にIT系を志す学生の話である。
昨今はリモートワークが普及し企業とって、地方に立地することへのハードルが大きく下がっている。今後、特にITの分野では、人材が東京一極集中から分散化へとシフトしていく。現在、まさにその途上にある。
昨日はとあるベンチャーの社長のお話を伺った。この中身は論文のネタにするのでまた後日、なのだが、そこでの雑談でのお話。
これまでも様々な経営者の方々からうかがってきたこととも符合するのだが、ITベンチャーが地方に進出する際、その地域で唯一無二の存在になることができたり、あるいはその取り組みが地元メディアで大きく取り上げられたり、ということがあるから、という答えがしばしば返ってくる。
東京では、多少すごいことをやっても、それが地域の注目を集めたり、あるいはメディアに取り上げられると言うことはなかなかない。一方で、地方では、もちろん、マーケットの規模は小さいものの、やったことが注目を浴びるチャンスが多くなる。すぐに地元の役所からも声がかかったりする。何しろ、下手をしたら唯一のITベンチャーなのである。
さて、ITベンチャーが地方に進出する際に必須と言われるものがいくつかある。ネット環境、一定の交通の利便性、そしてもう一つ重要なのが人材の確保である。
このため、ITベンチャーの地方立地の際によくあるのが、理工系の大学の近隣に立地するというパターンである。具体例は、とりあえずおくとして、大学がある都市には比較的多くのベンチャーが立地をしている。
このベンチャー経営者の方とのお話で、はたと合点がいったのが学生の側のチャンスである。
都会では、あまりに多くのIT系企業があり、また、学生もたくさんいるために、その出会いは容易なようでいて、簡単なものではない。有能な指導者は出会いを作ってくれるだろうが、これは運の要素も強い。選択肢が多すぎると言う事は、選択しないということにもつながっていくわけである。
一方で、地方では、大学も1つ、企業も数社と言う中で、目立った活動していれば、当然、そこには、アルバイトやインターンとしての経験を求めて学生たちがやってくるわけである。
一昔前であれば、先端的な研究をしようと思えば、そのフィールドは、いわゆる研究費の多い大手の大学に限られていた面がある。しかしながら、昨今は特にIT系に関しては、大学に入学後、早い段階から地方のベンチャーとの出会いがあり、また実践的な経験がし得るという意味で、地方大学の理工学部、特にシステム系などの学科に進学することには大きなチャンスが転がっているのではないかと感じた次第である。
すでに、国公立大学の二次試験の受付が始まっている。共通テストで思うように点数が取れなかった学生には、選択肢として地方を入れようかどうかと迷うケースもあるのではないかと思う。
その際に、これ学科にもよるが、地域の企業と大学の連携についてもウォッチしながら進学先を決めるという手があるのではないだろうか。
もちろん、受験生は暇ではないので、その際に活躍するのは、保護者や学校の先生だろう。
学力的に射程圏の大学の中で、地域連携など面白い話題を提供している大学は進学の価値があると考えてよいと私は思っている。
地方大学に進学することの意義は、他にもいろいろある。私も広島に来て感じたが、ここは確かに日本だが、地域の人々の文化も個性も強い。日本にも多様性がある、と体感するには文化圏を飛び越えて行くこともまた、良い経験になるだろう。何より、首都圏や関西から地方に行くということは、当然、行ったり来たりが生ずる。その過程、旅程もまた勉強になる。
進学後、早い段階から、アルバイトやインターンシップを通じて幅広い経験をし得るとともに、地域のベンチャー経営者と出会う事は、将来起業して稼いでいくと言うような場合のロールモデルを発見することにもつながっていくだろう。
地方大学はベンチャー経営者にとってチャンスであると同時に、ベンチャーを志す学生にとっても、ベンチャー経営者との出会いや、ベンチャー企業との出会いをもたらす面白い選択肢になっていると感じる場面が多い。
ただし、この話は大学による温度差が大きい、ということは忘れてはならない。だからこそ、先に書いたように、保護者や先生のリサーチ活動は不可欠なのである。ぜひとも、東京ではできない経験のできる地方都市と言う観点から、学校選びの幅を広げていただきたい。
追記 地域によっては高専が大きな役割を果たしている例もある。その意味で、当初から地域との一体的な学びをコンセプトに本年春に開学予定の神山まるごと高専は要注目なのだ。(2023年1月28日)





