成人式と二十歳のころ | 前和光市長 松本たけひろ オフィシャルウェブサイト

成人式と二十歳のころ

今日は和光市の成人式ですね。

実は深夜に「緊張して眠れません」というメッセージをいただきました。

詳細はプライバシーもあるのでお見せできませんが、とてもうれしいメッセージでした。

今日1日、楽しんでいただければと思います。

 

この緊張して眠れないぐらい重要な行事が各地で揺れています。

18歳で投票権を得るようになってから「成人」とはなんぞやという話になり、地域によっては「二十歳のつどい」という名称に変更したケースもあります。

 

さて、私も含めてある程度年齢の進んだ世代にとって、二十歳のころは懐かしむとともに、いろいろと恥をかいたり、頑張ったり、と思い出の多い日々です。この二十歳のころを題材としたインタビュー作品に故立花隆の『青春漂流』『二十歳のころ』という名作があります。特に立花が空海の謎の空白期間を描いた序論は傑作でした。

大人になり、いろいろな経験をして、ふと振り返った時に若いときのあの思いが今、結実している、と感じる人がいる一方で、二十歳のころの理想と比較して自分の今はつまらないなあ、と感じる人もいる。

今年は前期、学科の1年生に身近な大人の「二十歳のころ」のインタビューをし、それを提出する、というレポートを課しました。

前提条件として「本人と被インタビュー者、そして教員(私)しか読まない」という設定にしたところ、祖父母、両親の出会いや恋愛、親御さんの失敗、年の離れたお兄さんの就活など、多種多様なレポートが集まりました。昭和から平成の広島周辺の人々の生きざまが伝わる本当に素晴らしいドキュメンタリーを読ませていただきました。公開できないのが残念な作品群です。

新成人の皆さんはもちろん、今日は楽しく同級生と語らうひとときになろうかと思いますが、ぜひ、数日中にご家族や身近な大人の方に二十歳のころについてインタビューされるとおもしろいかもしれません。

特に、人生の残りが少なくなっているお年寄りの話は今しか聞けないかもしれませんから、ご存命でお話を聞けるなら、そんな選択もいいですね。

実は私の手元には母方の祖母が書き残した戦後の暮らしのメモがあります。プライバシー情報てんこ盛りでとても公開できるものではありませんが、戦後の貧しい時代に子ども3人をどう育てたのか、(私の叔母に当たる)娘の20代の死、わりと能天気だった祖父の生態など、たまに見返すと本当に興味深いです。