神戸新聞

 
朝日新聞

 
 
兵庫県森林組合連合会(県森連)からの特定調停について(2024.6.11兵庫県議会農政環境常任委員会 付託議案審査から)
 
 県森連が申し立てた特定調停の内容は、県からの約9億円の貸付金(債権全体は遅延損害金等を含めて約9億900万円)を、保有する林業会館等を売却して捻出するなどして工面した約2億7300万円の返済をし、残る約6億3千億円の県の債権を放棄させるというもの。債務整理後、県森連は解散する。

1【経営責任】
県森連は、衆議院議員の谷公一氏が代表理事会長を務めている。

(報酬)
質問
谷会長にはこれまでいくらの報酬が支払われてきたか?
谷衆議院議員のHPを拝見すると「私が県森連の会長に推挙されたのは2020年の夏でした。会長になってバイオマス発電事業が厖大な赤字を生じており、解消の目途が全く立ってないことを知りました。」
https://ameblo.jp/kouichi-tani/entry-12825933966.html

それでも下表のような報酬を受け取っている。県へも多額の貸付金の申請をしているが、谷会長の名前で行っている。報酬を受け取っているので名前だけの名誉職、ボランティアではない。
 
 
質問
谷会長がどれだけ経営に関わったかは知らないが、報酬を受け取っているのだから責任はある。県民負担が6億円も発生する責任をとって過去の経営責任を明確にするため、過去の報酬を返上するくらいの申し出はなかったのか。


【包括外部監査後に知事は貸付金を増額】
県森連への県の貸付金については民間金融機関の融資が受けられず、決算を跨ぐためだけのオーバーナイト融資が行われ、県森連自体の破綻の可能性が県財政当局の予算査定でも指摘されるなどバイオマス事業の先行きは大変厳しいものがあった。
そんな中、2021年度の包括外部監査で知事に対して相当厳しい経営状況が指摘されたにもかかわらず、2022年度当初に県は5千万円を増額し9億円を貸付けた。

2021年度包括外部監査
https://web.pref.hyogo.lg.jp/ka01/documents/r3houkatugaibukansakekkahoukokusyo.pdf


【県森連の解散を見越した計画的な動き】
県森連はその9億円の貸付金債務は残したまま、同年11月に特定調停を申し立てるのだが、その約1か月前の10月13日に「ひょうご森林林業協同組合連合会」(以下、森林連)の設立登記が行われている。県森連が受託してきた県の委託事業を請け負う新しい団体である。

その登記上の設立目的には「林業・木材産業改善資金助成法の規定に基づき、兵庫県の委託を受けてするその債権の保全及び取立て」といった県森連の登記内容と一言一句同じ内容をはじめ似たような内容が列記されていた。
しかも会長は県森連と同じ谷公一氏であった。

昨年度の決算特別委員会で我が会派の北上議員がこのことを指摘したら会長は交代した。県の代理人弁護士からもこの点は問題と指摘されていたと答弁されていたが当然のことである。

【資産売却】
また、県森連は特定調停を申し立てた後、資産を全て売却して、債務弁済に充てると言っていたが、そのうち大きな財産が「林業会館の土地と建物」である。

林業会館のある土地の「登記簿」をみると2024年3月29日に売却されていることがわかるが、その新たな所有者は「 一般社団法人兵庫県治山林道協会、兵庫県木材業協同組合連合会、兵庫県林業種苗協同組合の共有」となっている。即ち区分所有となっているが、うち約81%と大半を所有するのが一般社団法人 兵庫県治山林道協会である。

一般社団法人 兵庫県治山林道協会の会長は誰か。また、谷公一氏である。
 

一般社団法人兵庫県治山林道協会の会長は谷公一衆議院議員(県森連会長)

 

またか。


質問
林業会館の土地・建物の現金化については、広く公募して売却した結果なのか?


【利益相反の疑い】
県森連は、高く売却したいはずで、治山林道協会は買うなら安く購入したい。
これは「利益相反」になるのではないか?

質問
林業会館の建物は無償で譲渡されているというが事実か?

質問
建物は建てられたばかりで、法的な減価償却の考え方でも残存価値はある。価値があるのに無償譲渡はおかしい。有償で譲渡すべきではないのか?

質問
この特定調停にあたってはBe材供給センター施設等の県森連保有財産は外部のフィナンシャルアドバイザーを選定して、資産譲渡先を探しているが、この林業会館についてはそうした外部の目を入れていない。最初から最大の現金化をするつもりではなかったのではないか。そう疑われても仕方がない。

なぜ外部の目を入れて売却資産の最大化をして、県負担、県民負担を少なくするための努力をしなかったのか?

質問は想定のもの。正式な議事録作成まで。

【まとめ】
県森連は、特定調停の申し立て直前に谷氏を代表理事とする別の新団体「 ひょうご森林林業協同組合連合会」を作って、県森連が県から受諾していた虎の子の県補助事業を随意契約で引き継いだ。
これについては県の弁護士からも指摘があって谷氏は退任したが、県森連の主たる財産であった「林業会館」の土地・建物の売却先についても公募等を行わず、土地は同じ谷公一氏が会長を務める一般社団法人 兵庫県治山林道協会等に売却した。また、建物は無償譲渡という考えられないことを行っている。

県民から見れば、同じ代表者の団体が話し合いながら債務整理をしたように見えないか。

結果的に債権者の県に戻る金額は2億円余りとなり、債権放棄額は6億円を超えることとなっている。

これで6億円もの多額の貴重な県民財産を放棄する特定調整案の透明性が高いと言えるだろうか。県民に胸を張って説明できるだろうか。

ひょうご県民連合会派として今回の特定調停案を認めるわけにはいかない。反対する。

(参考)登記簿(2024/06/07現在)
林業会館の土地の所有者は、一般社団法人兵庫県治山林道協会、兵庫県木材業協同組合連合会、兵庫県林業種苗協同組合
の3団体となっており、その持分はそれぞれ 10000分の8141、10000分の1416、10000分の443となっている。


 
 
【参考】
初報 2023年10月17日 拙日記
兵庫県森林組合連合会に対する9億円の貸付が県に返済されていないことについて

 

 

9月議会に提出された決算書のチェックから私が発見しました。9億円の収入未済が発生しているのに、知事の提案説明では触れられることもありませんでした。説明責任を全く果たそうとしない姿勢に驚愕しました。
 
決算特、知事も出席しての総括質問!!同僚が県森連への貸付9億円問題を取り上げる!!!
 2023年10月18日

 

 

 

 
神戸新聞、県森連の貸付9億円回収困難問題を一面報道!!!
2023年10月20日
 
産経新聞、県森連への貸付金について報道!!東京地検特捜部が江東区長を強制捜査!
2023年10月26日

 

 


「将来に影落とす『三つの森』」大晦日、今年を振り返る!!激動の1年!!!!
2023年12月31日

 

 


2023年10月18日