1976年のアルバム(その91 School Days / Stanley Clarke)
1976年という年は、とにかくFMばかり聴くようになってきていて、夜は「あいつ」「小室等の音樂夜話」を聴いて寝る・・・(たまには「ジェット・ストリーム」も・・・)そんな毎日でしたが、FM放送では、当時は「クロスオーバー」と言われていたジャズ・フュージョン系の音楽が多くオンエアされるので、そちらにも大いに親しんで行くようになりました。・・・
・・・で、1976年のアルバムとしても・・・
既に登場したGeorge BensonのBreezin'などはその最たるものですが、この年登場した画期的なアルバムとして・・・
Stanley ClarkeのSchool Days
Chick CoreaとのReturn To Foreverでも知られたジャズ・ベーシストのStanley Clarkeですが、並行してソロ活動も
1975年の3枚目のアルバムJourney To Loveは、Jeff Beckが2曲に参加
それでロック・ファンからも大いに注目を集めました。
そして全米アルバム・チャートでも34位
それに続くアルバムがこのSchool Days
1976年、ニュー・ヨークのElectric Lady Studiosと、LAのA&M Studiosにてレコーディング
全曲、Stanley Clarkeの作品
プロデュースは、Stanley ClarkeとKen Scottです。・・・
A面、ハードで軽快なベース音の印象的なフレーズ
タイトル曲、School Days
パワフルで誰もが耳に残ってしまうナンバー
メンバーは、ドラムスはGerry Brown、ギターはRaymond Gomez
そしてキーボードは元The E Street BandのDavid Sancious
勿論、エレクトリック・ベースはStanley Clarke
途中で静かになって、そこで早弾きのベース・ソロ
再びハードなプレイに戻ります。・・・
2曲目、Stanley自ら奏でるピアノを中心に、Quiet Afternoon
美しいメロディラインで、タイトル通り、リラックスしたムードに
ドラムスはSteve Gadd、印象的なミニムーグ、シンセサイザーはDavid Sancious
ベースも勿論、Stanleyです。
3曲目、ドラムスのパワフルなビートから、The Dancer
軽快なリズムの中で、シンセサイザー、ギターもフィーチャーされます。
ピアノとベースはStanley Clarke
ドラムスはGerry Brown、オルガン、シンセサイザーはDavid Sancious
パーカッションがMilton Holland、ギターがRaymond Gomez
文字通り、体が自然に動いてくるようなリズミカルなナンバーです。
B面へ行くと、アコースティック・ギターのピッキングに合わせて、なんとStanley
ベースを弓で奏でます。
Desert Song
なんとアコースティック・ギターを弾いているのは、John McLaughlin
Stanleyのアコースティック・ベースとのかけ合い
パーカッションはMilton Holland
砂漠の静かなイメージです。
続いて、軽快な、Hot Fun
Stanleyは軽快なスラップ・ベース
ドラムスがSteve Gadd、ギターが、David Sancious、Raymond Gomez
アルバム中、1番シンプルなナンバーですが、パワフルです。
そして・・・軽快なピアノからドラマチックに始まる、Life Is Just A Game
ストリングスとブラスも加わって、ここではベースだけでなく、Stanley、歌も聴かせます。
ここでの、このドラムス、Billy Cobham
そして、キーボードがなんと、George Duke
ギターのIcarus Johnson
各自のソロもフィーチャー
ベース、Stanley、ドラムス、Billy Cobham
夢のリズム・セクションのかけ合いも聴きもの
最後も熱いブラスが加わってエンディング
この曲だけ邦題があって、「人生はゲームさ」でした。・・・
このアルバム
今回、Jeff Beckは参加していないものの、あのタイトル曲といい、センセーショナルを巻き起こし、そのようなこともあって、前作に続き、全米アルバム・チャートで第34位とジャズ・フュージョンのジャンルを越えて、ヒット・アルバムとなりました。
またこの後、Jeff Beckとのツアーを開始
自分は行けませんでしたが、1978年には来日公演も行われました。
お馴染みのアレンビックのベースを奏でてのハードなプレイだけでなく、アコースティックなウッド・ベース、またピッコロ・ベースも含めて、ベーシストとしてオールマイティなプレイヤーであるStanley Clarke
上原ひろみさん等との共演も含めて、日本でもよくライヴを行なっていますが、近年は、エレクトリック・ベースでのロック色の濃いプレイが少ないので、是非またそちらにも期待したいと思っています。
1976年、ジャズ・フュージョン界のアルバムまで取り上げたらキリがないのですが、文字通り「クロスオーバー」として絶対に外せない、1枚と思っていますし・・・この年に登場した、Jeff BeckのWiredと並ぶ最強のロック・インストゥルメンタル・アルバムと思っています。