1976年のアルバム(その92 Secrets / Herbie Hancock)
1976年、自分にとって思い入れのあるアルバム
それが・・・Herbie HancockのSecrets
その当時としても、Miles Davisのピアニスト、また自らのグループ、Head Huntersでの活動で普通名詞のような人でしたが・・・
前述の通り、この年、自分がFMばかり聴くようになっていた時で、そんな時、新譜紹介されたのが、このアルバム
そしてその当時、エアチェックしていたのですが・・・
この中の楽曲が色々BGMとして使われるようになったりで、さらに惹きつけられ・・・
LPレコードまで買ってしまったのでした。(笑)
Herbie Hancockは、エレクトリック・ピアノ、シンセサイザー、クラヴィネット等、あらゆるキーボード
参加ミュージシャンは、このアルバムで最も重要な役割を果たしている、Wah Wah Watsonが、ギター、シンセサイザー、ベース、ヴォーカル他・・・
当時、まだ若かった、Ray Parker Jr.がギター、バッキング・ヴォーカル
Head Huntersでお馴染みの、Bennie Maupinがサックス、リリコン、クラリネット
同じくHead HuntersのPaul Jacksonがベース
James Leviがドラムス、Kenneth Nashがパーカッション
基本的にはこのような顔ぶれ
レコーディングは、サン・フランシスコのColumbia Studiosと、Wally Heider Studiosにて・・・
プロデュースは、David RubinsonとHerbie Hancockです。・・・
A面・・・ファンキーなギターのカッティングにシンセサイザー音が加わって・・・
Doin' Itでスタート
Herbieと、Melvin Ragin(Wah Wah Watsonの本名)、Ray Parker Jr.の共作
色々なキーボード音が加わって、ノリのいいサビの部分へ・・・
この曲のみ、ドラムスは、James Gudson
後半、Wah Wah Watsonの歌も・・・Ray Parker Jr.、James Gudsonたちもコーラスを付けています。
2曲目、静かに始まって、クラヴィネット、そしてBennie Maupinのサックス・・・
美しいナンバー、People Music、HerbieとMelvin Ragin、Paul Jacksonの共作
心地よいBennie Maupinのソロ・・・そして静まってこのようなナンバーに登場する、Herbieのエレクトリック・ピアノ(フェンダー・ローズ)は絶品です。
3曲目、ホイッスル音から、軽快なリズム・・・
Cantelope Island
Herbieの作品で、彼の代表曲のひとつと言えるでしょう。・・・
ここではスローなレゲエ調、当時は色々なBGMにも使われていました。・・・
B面・・・軽快なギターのカッティングから、ジャーンとパワフルに
Isaac HayesのShaftを思わせるオープニングで、Spider
これもHerbieとMelvin Ragin、Paul Jacksonの共作
ベース・ラインを中心に、Herbieのクラヴィネット他、各メンバー軽快なプレイを聴かせてくれます。
2曲目、割とポップなビートで、Bennie Maupinのサックスが入り、Gentle Thoughts、HerbieとMelvin Raginの共作
ギターのカッティングをバックに、Herbieはポップなメロディを奏でます。
尚、Lee Ritenourの最初のバンド名と関係はあるようです。・・・
3曲目、パワフルに始まる、Swamp Rat
これもHerbieとMelvin Ragin、Paul Jacksonの共作
スラップ・ベース音をバックに、あらゆるキーボード類を操るHerbie
Bennie Maupinのサックスもフィーチャーされます。
そして4曲目、緊迫感のあるイントロで始まるのは、Sansho Shima
この曲は、Bennie Maupinの作品で彼のサックス中心
そして、前衛ジャズといった展開に
ここではHerbieも即興と言えるようなピアノ演奏
アヴァンギャルドな盛り上りでエンディングとなります。・・・
ところで、「サンショウ・シマ」とは・・・日本の地名・・・
Head Huntersとして日本に来ているHerbie HancockとBennie Maupinだけに、日本からのインスピレーションとも思えるのですが・・・
未だに不明なのです。(苦笑)
1973年の、Head Huntersで大ブレイク
その後、コンスタントにアルバムをリリース
さらには来日公演も
・・・そんな中でのリリースだったわけで、さらには、この直後にHerbie Hancockは、V.S.O.P. Quintetとしての活動を始めたということもあって、どちらかと言えば、陰に隠れた目立たないアルバムとなっていることも否めないでしょう。・・・
1983年には、アルバムFuture ShockとRockit!でまたまた大ブレイク
さらに時を経て、2007年にはアルバムRiver: The Joni Letters、翌年、グラミー賞の最優秀アルバム賞受賞
そのようにいくつも金字塔を打ち立てたHerbie Hancock
でも自分としてはこのアルバムでハマって、クロスオーバー、前衛ジャズにのめり込んでいったわけで・・・
1976年ということで、特別思い入れがある作品として、取り上げないわけにはいかなかったということで、ご理解いただければと思っております。・・・
尚、このアルバムのもう1人の立役者と言える、Melvin Raginこと、Wah Wah Watson
2018年10月にお亡くなりになりました。・・・
同じ1976年に、初のリーダー・アルバムElementaryをリリース
1曲目の、Goo Goo Wah Wahは、FMの番組「ナガオカ・ワールド・ミュージック」のオープニング・テーマに使われたり、やはり当時話題に
自分としては廉価盤で出たCDで、初めてアルバム購入したばかりだったのですが・・・
残念です。・・・
Rest In Peace