「お金では買えない経験」を、してきました。

こんにちは。

ジブン探究家の田島です。

旅も２日目が終わろうとしている。

今回の旅は観光目的ではないので
全くのノープランで、その時の自分の感覚に身を任せながら、時間を過ごしています。

ただそんなノープランの中にも
唯一、気持ちがのったらやりたいなと思っていたことがあったんです。
それが、こちら。

携帯も、時計も、パソコンも
ノートも、音楽プレイヤーも、カメラも、何ももたない。
自分の身体ひとつの時間、を味わうこと。

これを味わおうと思ったのは
最近、身体へのケアをするようになってから

「田島さんは頭（脳）が常に興奮状態で、休まっていないですよ」

そう色んな方面のプロから言われてしまったのがきっかけで。笑

ただ、このフィードバック自体は最近というよりも
もはや私が社会人になってから１０年もの間、この感覚は自分でもずっと感じていたこと。

なので私自身もその状態を改善すべく
定期的に自然の中へ行ったり、リラックスするためのツールを使ったり、サービスを受けてみたりと。

ただ色んな試行錯誤はしていたものの

結局いつも「どこか休まっていない感覚」が抜けませんでした。

「なんでだろう？」と改めて考えてみると

ふっと思い出したことが。

リラックス目的で訪れた場所なのに、
上記のような仕事道具は常にリュックに背負って持ち歩いていたんですよね。笑

「もし途中で、何か閃いたらメモしたいから」
「もし素敵な景色に出会ったら、それを写真に残したいから」
「もし時間が経ちすぎて、予定に遅れたら大変だから」

そんな《不安》や《もったいない感（取りこぼしたくない）》などがあって、なかなか『その瞬間』を味わいきれなかったのかなと・・・。

なので今回の旅では上記の道具を一切持たず
自分の身体ひとつで過ごす時間を味わいたいという気持ちになりました。

そして今朝、６時に目を覚まし。
今回の宿泊先のすぐ近くにある水庭で、いよいよこの時間を堪能することができました。

ぷらぷらと散歩をしてみたり。

立ち止まって深呼吸をしてみたり。
裸足になってみたり。

瞳を閉じて周りの音に耳をすませてみたり。
身体の固くなっている場所をマッサージしてみたり。
何もせずボケーっとしてみたり、と。

そのときの感覚に委ねて、

おもいおもいの時間を過ごしてみました。

その時間、実に２時間弱ほど。
（今までは数十分程度だったので、私にとって１時間はすごいこと）

ただ最初の３０分くらいは色々と考えてしまい

「何かを得よう（学ぼう）」という自分も登場して、長年のクセってすごいなと。笑

ただ、だんだん思考が削ぎ落とされていき

意識も過去や未来ではなく、「今」へと沈んでいった。

そして、『何も考えない時間』を味わっていた。

そんな時間の中からは
『何もしていないのに、何かが確かにある』という、不思議な感覚（世界）との出会いがありまして。

ちょっとそのとき感じたことを、つらつら書いてみようと思います。

便利になったことで、失われたもの。

昨日たまたま宿泊先のギャラリーにあった
『小さなともしび』という本に心惹かれ、その中でこんな言葉がありました。

耳が聴こえない人や、目に見えない人は
その分、ほかの神経が発達するといいますよね。

それと同じように、昔は電気もガスもなく、
機械や設備のない時代だからこそ、「人間のもつあらゆる神経が発達した」のだと思います。

私たちのおじいちゃんおばあちゃん世代から比べると
得られる情報も、人と出会う数も、インフラも、働き方や生き方の選択肢も、とても豊かになり、便利になったと思うんです。

ただその便利さとともに、たくさんの「雑音」も生まれたのかなと。

あまりの雑音の多さに、

もはや「どれが必要で、どれがいらないのか」という区別をするのも難しい、大変だと感じている人も少なくないと思います。

あと今はSNSやネット環境を通して、
一般の人たちの生活も覗き見できるようになったことで、不要な比較が生まれたり、『自分（今・内面）』へ意識を向けることが難しくなったりもしている。

きっと私たちのおじいちゃんおばあちゃん世代。
もっと時代が古くなればなるほど、昔の人は自然な感覚として『自分の道しるべ（お役目）』ってわかっていたはずです。

ただ今は逆に便利さが故に
『自分の道しるべ（お役目）』になかなか気づくことができずらくなっている。

実際に「自分のやりたいことがわからない」と悩む人が増えたのが、その１つの現象かなと。

だからといって。
別に、今の便利さが「悪」といいたいわけではありません。
（むしろ今から全てをなくすことのほうが、もはや現実的ではない）

ただ、その便利さや最先端なものと
『自分はどんな距離感で、どう付き合っていこうか』を考えること。

『周りの基準ではなく、"今の自分にフィットする基準"は何か』を考えながら、自分の生き方を選択していくこと。

この２つの感覚はとても大切だなと。

さらに、それをベースにしながら

自分の仕事や人間関係、日々の時間の使い方を選んでいけている人が

この便利さと良い距離感を保ちつつ、
うまく自分の人生にも応用・繁栄させていかれているように感じます。

さて。まだまだこの旅は続きますが
今朝体験した「何ももたない、何も考えない時間」から、こんなことを私に教えてくれた。

１つ１つの行為自体は別に特別なものではないし
何か大きなひらめきがあったわけでもありません。

ただ、なんだろう。
何もしていないんだけど、確かに”何か”があって。
そこにひたすら没頭している自分がいました。
　
……なんとも不思議な感覚です。笑

最初は「できるかな？」と不安だったけれど
普段の習慣や「別にやらなくてもよくない？」という誘惑もあったけど。笑

そこに惑わされず、思いきって飛びこんでみて本当によかった。

いまの私にとってこの２時間は
お金を払ってでも手に入らないような、とても大きな価値のあるものを見つけられた。

今はそんな感覚に、包まれています＾＾

何ももたずに、身体ひとつで
『その瞬間の時間（空間）』を味わってみること。

そしてたまには人混みから離れてみて
人工的な音や物がない、自然の中に身をおいてみること。

決められた時間の中ではなく
「あっ、もういいかな」と思えるまで、そのとき、その場所に、浸ってみること。

もちろん私も今住んでいる場所では
今回のような自然豊かな環境へ毎日いくことは難しいです。

ただこんな時間を、定期的に

自分の日常のなかへ意識的に取り入れていきたいなと思いました＾＾

その時間とのバランスが
「良い悪い」「正解不正解」「プラスマイナス」といった二元論（偏り）の世界から抜け出させてくれる。

そして、これからの「答えのない時代」おいても
自分の『まんなか（幸せの形）』を見失わず、育んでいけるのではないか。

そんな感覚が、ストンとおちてきた時間でした。