建築家 田口知子の日常をつづったブログ -5ページ目

三鷹プロジェクトでたけのこパーティー開催しました!

今週の日曜日、三鷹プロジェクトの敷地にある竹林で、たけのこ収穫祭およびBBQパーティーを開催しました。

企画のプロジェクトチームみんなで、たけのこ堀り体験!東京でこんなに?っていうほどたくさんのたけのこを収穫したのでした。

収穫した筍。

 

そのあとは、古い母屋の庭と縁側を使ってみんなで楽しくバーベキュー。先ほど堀ったたけのこもその場で焼いて食べました。

庭と縁側でバーベキュー。

 筍と必至に格闘して汗をかいたあとのビールは最高です。

 土に触れたり、収穫物を食べたり、という体験は、みんなの顔が子供のような表情になっていました。地面から生えてきたものを好きなだけ食べる、という体験。都会にいると忘れている素朴な喜びを思い出しました。

 

プロジェクトにこれからかかわるかもしれない地元の農家さんやまちづくりにかかわるゲストもたくさん遊びに来てくれて、にぎやかで楽しいひとときを過ごしました。

こういうイベントを通して、この場所を愛して応援してくださる人が増えることを祈りつつ、今日も家で収穫した筍三昧いただきます。(笑)

 

 

三鷹PROJECT~樹木に呼応し、共に生きるかたち

 このプロジェクトは、江戸時代から続く旧家の母屋の土地に建つ、オーナー住居と賃貸住宅を合わせた集合住宅の計画です。プロジェクトは、まちづくり、ランドスケープの専門家がチームになって、このプロジェクトをスタートさせました。<br />

  

 

街道に面して縦長に細長く短冊状に区画されたこの土地は、江戸時代の敷地割の記憶をとどめる貴重なもので、敷地に育った10mを超える常緑樹や果樹は、農の時代の屋敷森の名残りです。

このような土地の記憶を大切に保存すること、まちづくりに貢献するプロジェクトになることを目指して進めています。

 

 

建築としては、世代を超えて暮らしに寄り添ってきた樹木を尊重した建築の形を考えました。樹木に呼応するように、木々の間に生まれる小さな場の連なりとして建築をつくりました。

 

また、集合住宅として、多世代、多世帯が共に住むことを楽しめる住まいとは何かを考えました。外からの人の流れを作り、さまざまな人が憩う場所を作ること、プライバシーは守りつつ、ピロティ、テラス、土間玄関など、屋外と室内の中間領域を作ることが町につながる住まいを作ると考えました。

 

 

土地の記憶、自然とつながる建築を通して、さまざまな世代の人が気持よく、共に生きる住まいの実現を目指します。

 

 

町の価値を高める集合住宅を考える

最近、二つの集合住宅を見学させていただいた。

つばめ舎+スタジオ伝伝さんが企画設計された「欅の音テラス」ともう一つは駒田設計事務所の「西葛西アパートメント2」だ。

 

地域に開き、町の核となる居場所になるような集合住宅として、興味を持ち、拝見させていただいた。

「欅の音テラス」は小さな生業のできる賃貸で、家賃を抑えた作りと、家の一部で小さな生業を持ちつつ暮らせるというアイデアに富んだ住宅。

欅の音テラス-リビングとデッキテラスに面した開かれた住居↑

 

関前に広いデッキテラスがあり、設計者でもあるつばめ舎さんメンバーが定期的にマルシェを開催するという。そうか、設計者でもそんな能力のある方もいるのか、と感心した。スタジオ伝伝の藤沢さんも企画から入居者の選定まで、敏腕プロヂューサー力を発揮され、個性的な生業を持つ人が集まって満室稼働している。人の力が「まちの居場所」を作る、という好例だ。

 

西葛西アパートメントは、1階に地域でも有名なおいしいパン屋さんが入って、西葛西アパートメント12の間の路地を「7丁目PLACE」と名付けて町に開いた明るいデッキテラスを作っている。

西葛西アパートメント1と2の間にある「7丁目PLACE」の路地空間

毎日パンのにおいが上の住居テラスまで上がってきて、子供が自由に遊ぶ声が聞こえ、犬をつれた散歩がてらの人がくつろいでいる。こんな場所が一階にあったら1人暮らしも寂しくないな、と感じる明るい賃貸だ。最上階の広い住居にはこのパン家さんのご家族が住まわれているそう。住むことと働くことが一体になった幸せな集合住宅の典型を見た。

7丁目PLACEにお散歩に来た犬がリードにつながれて休憩中だ。

 

「生活世界を取り戻すこと」という駒田さんの言葉が耳に残った。建築家であり、オーナーであり、企画、設計、管理まで手がけられている駒田さん。駒田さんの設計事務所も2階にあり、その一部がコワーキングスペースとして貸し出しているとのこと。

生活と一体になっている設計事務所はよくある形だが、地域にアクティブに開いた場所として人を集めるのは、並大抵の企画力ではない。

つばめ舎さんのマルシェも素晴らしいが、西葛西アパートメントのパン屋さんを入れる、ということと、町に開く場所を並行して作ることで開かれた住まい、という抽象的な概念を具体化する方法、自然に人が集まる仕掛けが秀逸なアイデアだと感心した。

このような場所があることで、町の環境がなんとなく明るく良い感じになっていく、そんな場所を作れることは建築の夢なのだ。そのしくみとして、本当に素晴らしい事例を拝見できた。お話しを聞かせてくださった皆様、ありがとうございました。