建築家 田口知子の日常をつづったブログ -6ページ目

「恋する豚研究所」 行ってきました。

先日、前々から行きたかった千葉県香取市にある「恋する豚研究所」に行ってきました。

飯田大輔さんの社会福祉法人「福祉楽団」が運営するレストランと畑、薪工場があり、働く人たちは障害者が半分くらいです。働く人にとって安心できる幸せな職場を実現することと、若者が家族連れで何度もやってくるような人気店をつくること、が両立している奇跡のような場所だと思います。東京から車で1時間半、バスも電車もとおっていない辺鄙な場所なのに、豚肉のしゃぶしゃぶは一時間待ちの人気ぶりでした。

障害者雇用というと、味や雰囲気はまあ・・と想像しがちですが、この場所はまったくそういう甘えがなく、隅々まで行き届いたセンスの良さが感じられる場所です。

恋する豚とは、「豚が恋する」というような意味だそうです。大切に育てられた可愛い豚さん。ここの肉をしゃぶしゃぶでいただくと、甘味があって本当においしいのです。恋する可愛い豚、そのことを想像するときのちょっとした痛みに向き合うことは、ただおいしい肉を無意識に食することよりも貴重な体験であるのは間違いないと思います。

 

 

建築は、アトリエワンの設計。シンプルで素朴だけど、深いこだわりが随所に感じられる素敵な建物でした。とんがり屋根にエッジの効いた庇のデザイン、建物をぐるりとまわるテラスはシンプルながら、やわらかさを感じさせる手摺とブリッジがついています。ゆるやかなくぼみをつくった広場ではレストラン待ちの家族が遊びに戯れていて、こういう場所が大切なのだよな、と思わせるのびのびしたデザインでした。

 

隣りに広がるさつまいも畑には、ちょこんとスイートポテトショップが。スウイートポテトも素材の味が生きていて美味。2階のブックカフェで食べられます。本の選定もさすが、旬のものでずっと長居したくなるような充実ぶりです。社会の最先端モデルがある、を実感できる幸せなひとときでした。(*^。^*)

「登録建築家」と「既存住宅状況調査技術者」

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

新年にあたって今年の抱負を書いてみます。

 

今年は、建築を作ることに加えて、建築をつくるまえに広がる、もっと幅広い仕事をやってみたいと考えています。
社会や環境、福祉やまちづくりなど、さまざまな視点で考え、公益性のあるプロジェクトの企画立案など、実現していくための、建築的な企画立案のお手伝いをさせていただければと考えています。

 

自分は、2017年から、自分は日本建築家協会の登録建築家になりました。

設計事務所としては独立してはや20年。いままで、自分がより良いと思われる、さまざまな建築を作ってきました。

昨年は、「既存住宅状況調査技術者」の資格を取得しました。これからは、既存建築物の価値を図り、維持管理を促進する仕事も大切にしていきたいと考えています。

 

級建築士であると同時に、自分は「建築家」であること、も大切なことだと考えています。

建築家とは、社会的な視点を持ち、さまざまな技術、職種を統合して依頼主の信頼にこたえるとともに、社会的責任を果たす専門家である、と思っています。

建築作品を全国的な雑誌メディア等で発表する、という条件もありますが、作品性が一番大切というわけではないと思います。これからの時代において、幅広く、自然環境の持続性を尊重すること、社会・文化的なさまざまな資産の保全、発展に努めること、安心、安全な生活環境を作ることなど、公益性、社会性を重んじた仕事をすることがミッションだと思います。

また、施工者から独立した立場によって、発注者と社会の利益を守ること、建築や環境の設計理念を統括し、一定のクオリティー、芸術性も大切にしながら、文化的価値のあるものを実現していくために力を尽くすことは建築家の大切な目標であり、特性でもあります。

 

建築家であることと「まちづくり」は、公共に寄与する、という点でとても密接につながっていると感じます。

 

そのような職業として、様々な専門家、権利者、依頼者様と協力しながら、パートナーシップを大切にして、社会や未来、建築を深く考え、ひとつひとつの建築に愛をこめて、仕事に専念していきたいと思っています。

 

どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

TWA本社ビルの竣工写真、ホームページにアップしました。

「TWA本社ビル+賃貸住宅」の竣工写真をホームページにアップしました。

 

この建物は、1階全体をオフィスフロア、2階~5階に30㎡~50㎡の賃貸住宅が8戸入っています。東西両面に道路を持ち、東側にはオフィス入り口、西側に住宅のエントランスがあります。

 

東側道路面ファサード

 

1階のオフィス内観

 

オフィスは自然の風と光を感じられるように中庭を設け、さまざまな方向に風が抜ける窓を配置しました。家具や壁の仕上げに木素材を使い、秩序と明快さを保ちつつ、居心地のよい執務空間をデザインしました。打ち合わせコーナー、執務室、ミーティングスペース、社長室など、複数の場が分節しつつつながるオフィス空間は、距離感と分節、連続性を両立した空間になっています。

 

2階~5階の賃貸住宅はオフィス側のファサードに生活感が出ないように、亜鉛ジンク貼りの金属板でファサードを作りました。住宅全体を東西2つのボリュームに分け、真ん中に風の抜ける共用ロビーを配置しています。

 

賃貸住宅201

 

2つのボリュームをずらして配置することで、日当たりと風通し、東側道路への視線の抜けが実現しています。高度斜線・日影規制いっぱいに作ったボリュームの中で、天井高や床のレベルを変化させ、対角線に風や視線が抜けるプランニングで、面積以上の解放感や距離感、広がりを感じられる住まいを目指しました。