暇老身辺雑記 -9ページ目

シャワーヘッドの交換

 今住んでいるマンションの浴室には、当初からGROHE社のシャワーが取り付けられている。このシャワーは内外の多くのホテルでも使われている頑丈な

製品だが、ヘッドの直径が8cm程ありステンレス製で重たく、水流が非常に多くて強い。以前は気にならなかったが、体力が衰えて来ると使い勝手の悪さを感じるようになった。そこでホームセンターで探してみたら、手頃なヘッドが見付かった。大部分がプラスチック製で直径が4cm程で非常に軽い。値段は880円だった。早速交換してみたら水流の量も強さも程ほどで、実に使いやすい。こんな事ならもっと早く交換すべきだったと強く感じた次第だ。

福島原発の汚染水問題

 野田前首相が福島第一原発事故の収束宣言を行ったのは昨年12月7日だった。当時、この宣言を疑問視する人達が多かったが、最近になって、高濃度の放射性物質を含む汚染水が海に流失している事が明るみに出た。しかも何時から流失していたかは分からないと言う有様だ。海洋汚染が続く事には国際的な非難の声も高まる一方である。この事態を承けて、東京電力には事故処理能力がないと判断せざるを得なくなった政府は、今後は国が前面に立って国費を投入して事故処理に当たるそうだ。しかし国に汚染水処理のノウハウがある筈もなく、手探りでの試行錯誤が続く事だろう。その間、汚染水は漏れ続ける事だろう。いつになるか目途が立たないが、たとえ汚染水問題が解決されても、さらに難しい廃炉処理が待っている。これにも厖大な国費を投入せざるを得ないだろう。原子力発電が安価な発電法式だと未だに電力会社や自民党が強弁しているが、事故処理費や廃核燃料の最終処分費を原価に含めれば火力発電よりもはるかに高価な発電方式になる事は間違いない。しかも現状では事故処理費や廃核燃料最終処分費の見積りさえ不可能なのだ。

 事故の収束処理も出来ないのに、外国に原発を売り込む安部首相や、原発の再稼働を唱え続ける電力会社の無責任さには呆れ果てるばかりである。いよいよ日本の国が壊れ始めたような気がする。

フランス人と碁を打つ

 今日、碁会所で対局した相手はフランス人。フランスの化学会社から製品のセールスのため、日本に出張中だとの事だった。日本語がかなり上手で、意思疎通に殆ど問題がない。自称二段だったが、かなり強く4段の実力はあるように感じた。私も長い間碁を打ってきたが、振り返ってみて外国人と打つのは初めてだと気が付いた。日本へは二度目の出張で、前回は宝塚市で一年間ホームステイしたそうだ。どこで碁を覚えたのかは聞きそびれたが、とにかく碁が好きで好きでたまらない様子だった。

碁会所の仲間たち

今回の入院の事は行き付けの碁会所には伝えていなかった。そのため、急に姿を見せなくなった理由についてワイワイガヤガヤと噂し合ったらしい。死亡説、転居説(夜逃げ説)、入院説、海外旅行説などが飛び交ったそうだが、入院説が多数派だったとの事。

 10日程前に碁会所に顔を出すと大いに歓迎された。弱っている間にやっつけてやろうと、次から次へと立ち向かってくる。こちらも入院中に碁を忘れたのではないかとの不安があり、必死に迎え撃つ。結果は私の圧勝に終わり、大いに安堵した次第であった。

 それからも何度か碁会所を訪れたが、勝率は悪くないのに気を良くしている。50年も打っていると、2カ月のブランク位全く問題にならないのだろう。

福井晴敏著「人類資金1」講談社文庫

 出版された小説が好評を博した後に映画化されるのが、これまでの常道であった。今回講談社が試みたのは、シリーズ物の小説の第1巻を出すと同時に、映画化された作品を公開すると言う手法である。映画を観た人達が原作を読み続けたがるに違いないとの目論見である。話題を呼ぶためか、第1巻は約半年間の期間限定で定価の半額の250円で売り出された。

 このような手法が成功を収めるのかどうかに興味をそそられ、早速第1巻を購入した。内容を講談社のHPから引用する。〔終戦の日、日銀の地下倉庫から莫大な金塊が姿を消した。戦後の混乱と日本の復興を糧に膨れ上がったその資産の名は『M資金』。七〇年の歳月が流れ、M資金詐欺を生業とする真舟雄一の前に“M”と名乗る男が現れ、とてつもない計画を持ちかける。「あなたの技術を使って『M資金』を盗み出してほしい。時価総額10兆円。報酬は現金50億、そしてあなたの恩人の死の真相」――。〕

第1巻を読んだ感想は、とにかく長編の序章と言う感じで至る所に伏線が鏤められていると言う印象であった。

暫くのご無沙汰でした

約三カ月エントリーから遠ざかっていました。その間の二カ月は入院して悪夢のような生活を送っていた次第でした。実は5月の初め頃から軽い上腹部痛が出始め、少しずつ痛みが強くなりだしました。痛み止めの湿布も全く効果なく、ロキソニンを飲んでも効かない事から、持病の胆嚢炎による痛みだと自己診断しました。痛みを免れるには胆嚢の摘出しかないが手術はいやだ、もう少し様子を見ようと思っているうちにさらに痛みは強くなり、6月1日に宝塚市立病院の救急科経由で消化器内科に入院しました。病名は「胆嚢炎及び総胆管結石」で手術が必要だが、胆嚢が炎症を起こしていては手術が出来ないとの事で胃内視鏡を使って鼻から通したチューブを胆嚢に突き刺して胆汁を外部に出すドレナージュ術や抗生物質による治療を受けました。また、並行して手術前に必要な各種検査が実施されました。その過程で思いも掛けず胃がんが発見されたのには驚きました。医師からは胃がんは自覚症状がなかなか出ないので早期発見が難しい。たまたま発見出来たのはラッキーだと告げられましたが、素直に喜ぶ気持ちにはなれなかったのを覚えています。

 7月1日に外科に移り、3日に胆嚢の摘出、総胆管切開による胆石摘出及び胃がんの摘出と言う約8時間に及ぶ手術を受けました。手術直後には7本のチューブが体内に通され、首には点滴用の中央静脈カテーテルが、胸には心電モニター用の電極が、鼻には酸素吸入器が取り付けられ、身動きも出来ない状態でした。しかし日と共にチューブが減り、各種装置も取り外されて行きました。最後のチューブ(総胆管に入れたチューブ)が取り外されたのは7月29日でその傷口が塞がるのを待って8月1日に退院となりました。

 退院後は気力も体力も大いに減退し、呆然自失と言った状態でしたが、日が経つにつれて少しずつ回復して漸くブログを書く気持ちになった次第です。3カ月も放置していたブログにはアクセスも殆どなくなった事だろうとアクセス解析を調べると、最近1カ月のアクセス数が1800もあり驚いた次第です。根気よくアクセスを続けて頂いた方々に申し訳なく思っております。

なかにし礼著「赤い月」新潮社刊

 主な舞台は満州である。日本により建国され急速に発展する時期に牡丹江で造り酒屋を開業し、関東軍の御用達業者となって盛業を誇るが日本の敗戦とともにすべてを失う夫婦がヒーローとヒロインとなっている。

満州の建国理念は「王道楽土」、「五族協和」であったが、その美名の陰で関東軍はアヘンの販売にまで手を出し、匪賊や馬賊に武器を密売するなどして、巨額の活動費を捻出して中国深部やソ連への侵攻を模索する。その関東軍がソ連軍の侵攻に対してなす術もなく撤退を重ね、多くの民間人を見捨てる。その軍の挙動を詳しく描くことによって、著者は国家とは一体何なのかと問い掛ける。

 シリアスな内容であるが、諸所に散りばめられている満州の風景描写が素晴らしい。

結城十段位奪取

 井山裕太十段(棋聖・本因坊・王座・天元・碁聖)に結城聡九段が挑む「第51期十段戦五番勝負」の第5局が今日行われ、白番の結城九段が勝ち十段位を獲得した。井山は五冠に後退した。

 最近好調の結城は、タイトル戦で向かうところ敵なしの感じだった井山から一冠をもぎ取った。この二人の対局は常に闘いに終始する。先日のNHK囲碁トーナメント優勝戦で結城が井山に勝って優勝するまでは、結城は井山に力負けして連敗を重ねていた。しかし、それ以降、結城は井山に殆ど勝っている。40歳を超えて結城には何か悟るものがあったのだろうか。

近藤誠著「がん治療で殺されない七つの秘訣」文春文庫

 この前同じ著者による「がん治療で殺されない七つの秘訣」の読後感をアップした。私は多少の例外はあっても、医師は患者の事を親身になって考えてくれるものだと思い込んでいた。しかし実際には、そんな医師は数少ない事を知り、まさに目からうろこが落ちる思いがした。

 医者ムラを獅子に例えれば、近藤医師は身中の虫のような存在であろう。とにかくがんの治療にあたる多くの医師の悪行を、世の中に知らしめたのである。彼は悪徳医師達から凄まじいバッシングを受けた事だろう。それを覚悟で、医療現場の実態を著書やTVで告発した彼の勇気に感心する。

 「近藤誠」で検索すると、ある血液内科医のブログに行き当たった。それには、近藤医師の著作によって大変な迷惑を受けたと記されていた。治療していた患者から『効きもしない抗がん剤を処方するとは、何と言う治療をするのか』と怒鳴り込まれたそうだ。この血液内科医は近藤医師の著作は読んでいないとも述べている。批判をするのなら著書を読んでからするのが礼儀だろう。近藤医師は抗がん剤治療のすべてを否定しているのではない。血液がんは抗がん剤によって治療可能だと著書に明記されている。

 近藤医師の勇気に感服し、「がん治療で殺されない七つの秘訣」を買って来た。著者の主張は「がん治療で殺されない七つの秘訣」と殆ど重なる。しかし29人のがん患者からの質問に答えると言う形で、がんの適切な治療の仕方を説く事に多くのページが費やされているのが印象的である。さらに最近がんの先端的治療法として有名になった重粒子線照射法や陽子線照射法が最新のリニアックX線照射法と大差がない事を詳しく説明している。さらに、最近盛んに塩田されているがんの先端的免疫療法は本質的に成り立たない治療法であると解説している。先端的と称される治療法はいずれも保険が適用されないため、自己負担額は300~800万円の費用を自己負担しなくてはならないそうだ。なお、リニアックX線照射法は保険が適用されるとの事。

 また、抗がん剤が有効だとの根拠となる医学論文の多くが客観性に欠けるデータに基づいている事を喝破している。自然に起こる現象はグラフにするとたいてい指数曲線となるが、抗がん剤が有効だとする論文のデータは不自然な曲線になると言う説明は極めて説得力がある。

近藤誠著「医者に殺されない47の心得」㈱アスコム

 きわめて刺激的な題名に驚き、衝動的に買い求めた。

 書き連ねられている内容を要約すると、「我々日本人の医学的常識がいかに間違ったものであるか」と言う事に尽きる。

 「がんは切らずに治る」、「抗がん剤は効かない」、「健診は百害あって一利なし」、「がんは原則として放置したほうがいい」などが著者の主張である。慶応大学医学部放射線科の臨床医師として多くのがん患者と接して来た体験に基づく記述には説得力がある。

 携帯電話の開発の進め方で日本のガラパゴス化が定評となったが、日本の医学会もガラパゴス化が大いに進んでいるらしい。それによって医療機関は大いに繁盛し、製薬業界は巨利を得ているのである。

 著者はサプリメント業界も批判する。例えばひざが痛いからといってグルコサミンを飲んでも腸で分解されてひざには直接届かないし、コラーゲンを飲んでも同じく分解されるのでお肌はプルプルにはならないと指摘する。

 本書で最も驚かされたのは、イスラエルで医師の長期ストライキが行われた時期に国民の死亡率が減少したとの記述であった。