近藤誠著「がん治療で殺されない七つの秘訣」文春文庫
この前同じ著者による「がん治療で殺されない七つの秘訣」の読後感をアップした。私は多少の例外はあっても、医師は患者の事を親身になって考えてくれるものだと思い込んでいた。しかし実際には、そんな医師は数少ない事を知り、まさに目からうろこが落ちる思いがした。
医者ムラを獅子に例えれば、近藤医師は身中の虫のような存在であろう。とにかくがんの治療にあたる多くの医師の悪行を、世の中に知らしめたのである。彼は悪徳医師達から凄まじいバッシングを受けた事だろう。それを覚悟で、医療現場の実態を著書やTVで告発した彼の勇気に感心する。
「近藤誠」で検索すると、ある血液内科医のブログに行き当たった。それには、近藤医師の著作によって大変な迷惑を受けたと記されていた。治療していた患者から『効きもしない抗がん剤を処方するとは、何と言う治療をするのか』と怒鳴り込まれたそうだ。この血液内科医は近藤医師の著作は読んでいないとも述べている。批判をするのなら著書を読んでからするのが礼儀だろう。近藤医師は抗がん剤治療のすべてを否定しているのではない。血液がんは抗がん剤によって治療可能だと著書に明記されている。
近藤医師の勇気に感服し、「がん治療で殺されない七つの秘訣」を買って来た。著者の主張は「がん治療で殺されない七つの秘訣」と殆ど重なる。しかし29人のがん患者からの質問に答えると言う形で、がんの適切な治療の仕方を説く事に多くのページが費やされているのが印象的である。さらに最近がんの先端的治療法として有名になった重粒子線照射法や陽子線照射法が最新のリニアックX線照射法と大差がない事を詳しく説明している。さらに、最近盛んに塩田されているがんの先端的免疫療法は本質的に成り立たない治療法であると解説している。先端的と称される治療法はいずれも保険が適用されないため、自己負担額は300~800万円の費用を自己負担しなくてはならないそうだ。なお、リニアックX線照射法は保険が適用されるとの事。