大人のための絵本講座
「かあさんのサリー」を読みました。
姉妹の母親は世界一美しいサリーを織る。
その仕事を手伝いながら、姉妹はきれいなサリーをお母さんに着て欲しいと思うけれど
貧しい家族にはそれが許されない。
姉妹は知恵を絞ってお金を工面し美しいサリーをお母さんにプレゼントする。
最後のページで母親の嬉しそうな笑顔がひときわ輝いています。
とても温かな物語です。
この絵本を読んだ後に、
子どもの頃、何か親にプレゼントしたことがあるか問いました。
みなさん経験があるそうです。
親を喜ばそうとこの姉妹のように工夫したりお小遣いをためて何かを渡す。
もちろん喜んでくれる。
その笑顔が嬉しい。
私も小学生の頃、一輪の赤いカーネーションを贈ったことがある。
その時の嬉しそうな母の顔は今も胸に温かい。
子どもはいつも丸ごと「私」を受け止めてくれる親を待っています。
それが普通と思う。
でも、世の中には普通の親ではない親もいるわけで・・
どんなに愛を求めても与えてくれない親もいる。
受講生の中には、過酷な幼少時代を過ごした人もいて
ずいぶん大人になった今でも苦しくなる時があるという。
愛されたい
褒められたい
叶わない・・・
心が不安定で
いつも緊張したり
おびえたり
少しづつ自分に折り合いをつけながら年を重ねる。
話を聴きながら私も涙ぐんでしまいました。
「かあさんのサリー」という一冊の絵本。
思いやりにあふれたあたたかな物語だ。
その絵本から様々な人生模様を語り合い聴き合う。
大人になった今だからこそ語ることができるのかもしれません。