福岡から松山に転居した頃に親しくなったご夫妻。
気が合い、たまにお互いの家でお酒や手料理を楽しむ仲になりました。
彼女が読書好きな事を知り、今度会う時に自分の好きな本を貸し合おうと約束した。
彼女が持参したのは、
「ワイルドスワン」
上 下/ ユン・チアン作
上下巻有りかなりのボリュームだわ。
ふ〜ん、ノンフィクションなのね。
読み始めると矢も盾もたまらず、時間を忘れて貪るように読んだ。
中国の歴史が作者の経験から綴られている。
変遷する政治に翻弄される人々、絶望とかすかな希望、私の世界にはない状況。
胸の中に音が響くような内容でした。
読み終えて彼女に返却するとニヤリ![]()
私の反応を予想してたな![]()
かれこれ20年前くらいの出来事でした。
その後も気になり購入して再々読。
久ぶりに本棚から取り出しました。
表紙を見るだけで彼女を思い出す。
あの時、私が彼女に貸したのは、
「永遠の仔」天童荒太作
これも上下巻あってかなりのボリュームです。
親から凄まじい虐待を受ける子どもが傷を抱えながら大人になります。
その後どうなるのか。
展開に緊張したな。
返してもらう時、何となく彼女の反応を予想していたのでニヤリ![]()
同じだわ![]()
2冊は全く違うジャンルで違う内容だけど、胸を震わす展開は共通していました。
貸し借りがしばらく遠のいた頃、女同士で食事をと誘いがあり出かけると、離婚が成立したとのこと。
あんなに仲睦まじい二人でも乗り越えれない事があったのかと胸が痛む。
離婚して半年経ったという。
苦労したね。とポツリ言うと
彼女は静かに泣いた。
「彼と別れて、初めて泣きました。」
泣けないほど頑張っていたのか。
新しい町で再出発すると笑顔の彼女を見送り、ふと今はどんな本を読んでいるのだろうと思ったっけ。
淋しくなる。
本を語り合った彼女とは心の隅で今も繋がっています。



































