竹谷とし子です。
前回のブログ「ヒアリ対策」でも触れましたが、8月3日から9日まで、オーストラリア(豪州)連邦議会事務局が主催する日豪若手議員交流プログラムに、公明党枠で参加させていただきました。
(オーストラリア連邦議会上院)
豪州はこのプログラムで、日本の他に、別グループで7ヶ国の国会議員を招いているそうですが、日本側は外務省が豪州議員を日本に招く相互交流をはかっています。
過去に来日した経験をもつ豪州議員にお会いするたび、日本の文化や食事を高く評価し、親しみをもってくださっていることがよくわかりました。議員になる前ですが、私も仕事などで3度オーストラリアを訪問したことがあり、自己紹介の際にそれを伝えるだけでも、相手と急に距離感が縮まるのを感じました。平和外交が大事と言っても、政治家同士ができるだけ本音で話し合い、協力できる継続的な関係をつくる事がその一歩なのだということを、お目にかかった豪州議員の方々が、相手を尊重し、結びつきをつくり、人間関係を構築する姿勢を見て、学ばせていただきました。
今回、豪州側が調整してくださった中身の濃い行程で、シドニー、ブリスベン、キャンベラ(首都)を訪問し、議会見学や与野党4つの政党訪問、両院の議長、首相、閣僚、連邦および州議会議員、官僚等、数十人と交流する機会を通じて、豪州の民主主義制度や現在の政治情勢を垣間見て、人脈を広げる機会を得ました。オーストラリアとの外交についてはもちろんですが、例えばヒアリ対策のように、環境、福祉・社会保障、文化・教育など個別政策についても、豪州の取り組みを聞いて情報交換する関係をつくることができましたので、今後の議員活動に大いに役立つ財産をいただいたと思います。関係者の皆さまに心から感謝申し上げます。視察した豪州の議会制度について、日本で話題になっている切り口からご報告いたします。
<二重国籍について>
豪州は、積極的に移民を受け入れ、人口拡大で経済成長を続けている国です。自分か両親のどちらかが外国で生まれたという人は5割といわれる多民族・多文化の国です。国民には二重国籍が認められ、豪州国籍があれば、選挙の投票権があります。
一方で、日本でも話題になっていますが、連邦議会の議員になるには二重国籍をもつことは認められておらず、既に2人の上院議員が辞職、現在、下院議員である副首相が二重国籍の可能性があることがわかり、裁判所に照会していると報じられています。
現在、下院は、わずか1議席差で自由党・国民党の連立与党となっており、1人与党から議員辞職することになると、与野党が同数になります。
<選挙は義務制>
日本では、選挙の投票率の低さがよく話題になりますが、オーストラリアの選挙制度は、投票が義務制になっているため、投票率は高いです。ざっくりですが、有権者の8~9割前後のようです。投票しない場合には、罰金20ドル~100ドル程度(?)+訴訟費用が課されるそうで、正直に申告すれば20ドルで済みますが、悪質で、行政に手間をかけさせるような場合は高くなる、というような制度です。選挙制度は、連邦と州で異なり、州は州で決められることもあるようですが、投票義務化は連邦だけでなく、州レベルでも同様のようです。
直接話を聞いた、クイーンズランド(QLD)州議会議員の方によると、同州では、過去に義務制になる前の投票率が20%程度に落ち込み、あまりにも低すぎるので、投票率を上げるため義務制に変えた、という経緯があったそうです。
(選挙管理事務所での説明)