自宅ゲーム会289 前半 伊江島の戦い 他 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和2年7月12日

 

 さて、今週も無事ゲーム会と相成りましたが、とりあえずいつものように午前中はちいとウォーゲームに勤しみます。

 

☆伊江島の戦い

○概要

作者:MichaelRinella

対象年齢:12歳以上

対象人数:1-2人

標準時間:120分程度

 

 第2次世界大戦末期の沖縄諸島における戦いをテーマに、同作者が多用するエリアインパルスシステムを使ったウォーゲームとなります。

 

①ターンの最初に増援を配置します。日本軍はダイス判定によって既に除去された特別ユニットを回復させることができます。

②日本軍、アメリカ軍の順番に交互に手番を行います。手番には「突撃(移動及び戦闘)」「砲爆撃(艦隊や砲兵による遠隔攻撃)」「再集結」「パス」のいずれかを行います。

③移動の結果異なる勢力のユニットが同じエリアにいると戦闘となります。戦闘になると参戦ユニットの戦闘力などの差でダイス判定を行い損害を決定します。

④アメリカ軍は手番で最初に振った2Dの結果をターン終了判定に使用します。手番が1巡するごとにインパルスの数値が上昇し、数値を超える出目を出した手番で終了となります。また、同数であれば天候が変わります。

⑤ターン終了判定によってターンが終わると、最後に夜ターンとして日本軍の特別ユニットを任意のエリアに出現させ、必要であれば戦闘を行うことが出来ます。

⑥補充ポイントを受け取り、除去されたユニットの復帰やユニットの損耗状態の回復をすることが出来ます。

⑦ゲームには戦術的優位を示すマーカーがあり、これを使用することで「増援(日本軍のみ)」「ダイスの振り直し」「補充ポイントの増加」といったボーナスを受け取れますが、使用することで使用権が相手プレイヤーに移ります。

⑧ターンを繰り返しマップ上の全エリアをアメリカ軍が支配すると自動的に勝利となります。そうでなければ規定のターン終了時に、支配エリアで獲得する勝利点からユニットの損害を引き、その結果一定数以上の得点を得ていればアメリカ軍、足りなければドイツ軍の勝利となります。

 

○プレイ経過

 管理人が日本軍、ちいがアメリカ軍を担当しゲーム開始時の様子です。日本軍は伊江島に展開していますが、米軍は適時島に上陸してきます。ちなみに、今回は海岸線を放棄し内陸を守る作戦です。

 日本軍の特別ユニットは防御設備、民間兵、マシンガン兵の3種類があり、いずれも手番のアクションとして左手前の待機ボックスから島内に展開できます。

 

 1ターン目。神風による攻撃が成功し艦隊が沈黙(砲撃ができない)。防御設備を各地に建設し米軍に備えます。

 

 最初のターンは思ったより長く続き、終始天候も良く米軍は順調に攻め寄せてきます。日本軍は反攻にそなえて戦力を終結させていましたが、その最中最重要拠点である城山の守りが1ユニットになるタイミングがありました。城山は防御効果も高くそれほど気にしていませんでしたが、そのタイミングを逃さずに米軍が突入し敗北。城山が1ターン目にして陥落となってしまいます。

 

 2ターン目になると米軍の増援も到着。城山を失ったことで補給の途絶えた日本軍は減少戦力を回復できず。次々と上陸してきた米軍相手に出目も奮わず押し込まれかなり厳しい状況となります。

 

 限定的に反撃を行うことができましたが、基本的には何とか防衛ラインを守っているという感じです。最初のターン以来神風も吹くことなく、艦砲射撃などで徐々に戦力が減少しています。

 

 米軍の包囲を崩せないまま4ターンが経過しゲームは終了です。なんだかんだと、城山に次ぐ重要地点である城山周囲の都市を守ることは何とか成功したものの、得点を計算すると米軍は規定点を満たしており、米軍の勝利となりました。

 

○評価

 第2次世界大戦の沖縄諸島における日米の戦いをテーマにしたウォーゲームです。

 制海制空ともに確保する米軍は、基本的には日本軍に地形ボーナスや防御陣地があるとしても艦隊や砲兵による砲撃、航空優勢による戦闘補正などにより戦闘を優位に進めることが可能となっています。反対に、日本軍にとっては民間人をも動員した総力戦となっており、正規軍となる一部を除き質では大きく劣るものの壊滅した戦力も一定数の補充がされ地形ボーナスも含めしぶとく戦い抜くことが可能です。そしてなにより日本軍には地の利を活かした夜間の強襲という選択があり、補給線や弱点となる部分をピンポイントで狙うことができるため、前線を厚く守るだけでなくゲリラ的に如何に隙をついて後方を撹乱することで消耗させていくかというのも考えどころとなっています。

 また、エリアインパルスシステムという指定したエリア単位でユニットを活性化させるシステムをとっていますが、ターン中にどの程度行動ができるかは米軍の終了判定のダイスによって決まるというのは特徴となっています。上記の通り戦力的には圧倒的に優位に立つ米軍であっても、限られたターンのうちに日本軍の陣地のほとんどを制圧しなければならないというのは難しいところで、そこに実際にどのくらい行動ががあるかというのが不定であるためある程度速やかな前進が求められます。いわゆる強襲システムのように行動によってすぐに損耗(裏返る)ということはありませんが、戦闘によって(勝利とはいえ)徐々に戦力は消耗していき、回復のためにはターンをまたいで補給ポイントを消費しなければならないため、相手の反撃も見据えターン毎の攻勢限界、無理をしてでも前進するタイミングの見極めというのも大切かな。

 それと、上級ルールで梱包爆薬という日本軍の攻撃オプションについてですが、強力な補正を得られるものの雨天や夜間という悪条件にならないと発動させにくいという制限がかかっています。これがないと日本軍はもともとの戦闘力の弱さから反撃のきっかけが作り辛く、ともすれば米軍の攻撃を受けるだけで終わってしまうということにもなりかねません。反対にあることで、日本軍の夜間の襲撃の恐ろしさというのも出てきて戦況全体により動きがでて面白くなるという印象で、基本的には上級ルールといっても難しいものはないので全て取り入れてプレイした方がいいのではと思われます。

 大きく気になるところはありませんが、ターンの終了判定が米軍の手番に最初に振った2Dというルールになっており、戦闘などで振った場合はついつい忘れがちとなるので、どうせなら手番の最後に2Dを振るというのでも良かったように思えます。

 とはいえ、気になったところは大したものでもなく、とりあえずコマ数も多くなくプレイ時間も短めとプレイアビリティも高く、圧倒的火力により制圧を進める米軍と、防御陣地にこもりながらゲリラ的に抵抗する日本軍という戦争末期らしい雰囲気の感じられるなかなか面白いタイトルになっていると思います。

 

 

☆300:ギリシア・ペルシア戦争

○概要

「自宅ゲーム会178 後半の後半」を参照。

 

○プレイ経過

 残り時間でプレイできそうなタイトルということもありこちらを。担当はいつものようにペルシアです。

 

 第1遠征。ナクソスを押さえるギリシア軍に対し、「土地と水の要求」を中心にテーベまで戦力を進めているペルシア軍といったところですが、このターン直接衝突はなく得点的にも同点となっています。

 

 第2遠征は「王の急死」により中止。第3遠征開始と同時にギリシアは海軍を動かしペルシア海軍を沈めた上でテルマへ強襲上陸を仕掛けてきます。この攻撃でテルマが陥落。

 

 しかしながら、手札に来ていたギリシア軍手札を破棄するカードを2枚使用してギリシアの手札を全て除去し、動きを封じた上で「マルドニオスの騎兵隊」による攻撃でテルマを奪還。

 

 海上を退却しアテナイに戦力が集中していましたが、手札がなく動けないギリシア軍を横目に主力を進めスパルタを陥落させます。これにより大きく得点はペルシアに傾きます。

 

 第4遠征はギリシア軍がテルマに上陸したところで、ペルシアが手札を引き直すと「王の急死」が発生し遠征は中断。ギリシアへ侵入していたペルシア軍は補給が切られ壊滅となりましたが、得点は中断ということもあって動かずペルシアが優勢のまま。

 

 最後となる第5遠征です。補給の関係でユニットの少なかったギリシアはユニットを増やした分手札が少なくなります。そこを手数に勝るペルシアが押し切り最後は「マルドニオスの騎兵隊」を再び使ってアテナイを陥落させます。得点は上限まで到達し、今回も無事ペルシアの勝利となりました。

 

 

 ここで前半は終了。昼ご飯を挟んで午後となります。