自宅ゲーム会178 後半の後半 300:ギリシア・ペルシア戦争 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成30年12月27日

 

 さて、いよいよ年内最後となりましたが、こちらのタイトルをプレイしています。

 

 

☆300:ギリシア・ペルシア戦争

○概要

作者:中黒靖

対象年齢:12歳以上

対象人数:2人

標準時間:90分程度

 

 ゲームマーケット2018秋におけるボンサイゲームズさんの新作でギリシアペルシア戦争をテーマにしたウォーゲームです。この手のウォーゲームにしては珍しく木製コマを使用していますね。管理人は通販で購入をしたのですが、今回のゲムマ新作で2つあった(もうひとつはこの前にプレイした「ミニミニ世界大戦」)最優先購入タイトルのひとつでした。

 

①遠征(このゲームのラウンド)の最初にペルシア側から「カードの購入」を行い、残った資金で陸軍・海軍・船橋(ペルシアのみ)の生産・配備を行います。続いてギリシア側が同様に行います。カードの購入時ペルシア側が「王の急死」カードを引いた場合、その時点で遠征が中止となり、次の遠征となります。王の急死はゲーム中2回まで起こる可能性があります。

②ペルシア側から手番を行います。手番にはカードを1枚プレイし「移動」もしくは「カードに書かれたイベントの実行」を行うかパスをします。

③「移動」において、陸軍は隣接するエリアに移動できますが自軍支配下の連続するエリアは全て飛ばして移動が出来ます。海軍は任意の港へ移動するとともに同数の陸軍を連れて移動が出来ます。

④移動後に同じエリアに両軍のユニットが存在する場合は戦闘となります。戦闘はダイスによって処理されますが、ペルシア側はダイス目に上限が設定されており不利となっています。

⑤退却をするか壊滅をすることで片方のユニットがいなくなれば戦闘は終了となります。

⑥これらを順に繰り返し両プレイヤーの手札がなくなるか、両プレイヤーが続けてパスを行えば遠征は終了します。この時に上限以上の手札を持っていれば破棄し、陸軍の補給を確認します。また、支配している都市に応じて得点計算を行います。

⑦5回の遠征が終了したらゲームは終了となり、その時点でより得点を獲得しているプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。手前のペルシア(赤)が管理人、奥のギリシア(青)がちいとなります。各色キューブが陸軍、ディスクが海軍という扱いです。

 

 最初の遠征終了時はこんな感じ。浮橋(手前右側のペルシア側の主要都市セストスと右奥のテルマを陸路でつなぐことが出来る。)を設置せず海軍で各地へ陸軍を輸送します。これに対し、初プレイということもあってギリシアユニットの精強さをお互いが分かっておらずギリシアは戦力を温存したため反応は控えめで、勝利点トラックはペルシアに傾きます。

 

 続く第2遠征。ペルシアは浮橋の建設を行ったことで資金が不足しやや行動は控えめ。ギリシアも陸路軍を進めお互いの領土が隣接しますますがお互い衝突はなし。

 

 第3遠征の生産が終了したところで、両軍とも陸軍を前線の都市に配備し緊張が高まります。早速ペルシアが倍の兵力を率い侵攻したのですが・・・

 

 ギリシア陸軍3ユニットの前に全く歯が立たず敗退。ここに来てようやくギリシア海軍が動き出したりもしますが、この遠征時にはギリシアが手札をそれほど買っておらず大きく戦況は変わらずといったところ。

 

 続く第4遠征。カード以外の資金を全て陸軍につぎ込み再度テバイに侵攻。3倍のユニットを用意したことで何とか突破し、残った陸軍をまとめそのままアテナイになだれ込みます。いくら精強なギリシアとはいえ1ユニットではアテナイを守りきることは出来ず、アテナイが陥落。

 

 なんだかんだとペルシアが「王の急死」を引くことはなく、第5遠征開始。

 

 アテナイを失ったギリシアはペルシアが発動させた「カルネイア祭(スパルタの陸軍の移動禁止及びスパルタ軍イベントの発動禁止)」によりスパルタの戦力が拘束され、有効な手立てが取れないままゲーム終了。勝利点で大きく上回ったペルシア側の勝利という結果でした。一日ゲームをしておきながら管理人は本日初勝利だったりします。

 

 ちなみにこれ以降、年が明けて既に数回プレイしているのですが、初プレイ時の画像を改めて見るとお互いかなり緩いプレイになっていますね。

 

○評価

 簡単なルールと手軽なプレイ時間という制限ながら奥深いゲームの製作をしていた翔企画SSシリーズの21世紀版を目指してゲームを制作されているボンサイゲームズさんのゲームマーケット2018秋の新作です。実際にSSシリーズのタイトル同様ウォーゲームとしてはかなり手軽で、その場でルールを読んでプレイすることも容易、ゲーム自体も1時間程で決着がつくくらい高いプレイアビリティが非常に魅力的です。

 とはいえプレイアビリティだけではなく、強力な国家らしく潤沢な資金を背景に多数の陸軍を率いて攻め込めるものの戦闘においては数で押さなければ脆弱さも見えるペルシア、陸海ともに戦闘においてアドバンテージがあり同数どころか2倍でも圧倒できるほど、特に海軍は生産コストが安く数を揃えやすいため非常に優位であるものの、そもそもの資金に乏しく少数精鋭で戦わざるを得ないギリシアという異なった特性を持った両軍について、準備フェイズから始まる遠征の中でそれぞれの軍の特性を活かすために資金を何に配分して準備を行い、準備したものをどう運用していくかが非常に悩ましい内容となっています。

 メインシステムは手札を作戦行動として使うかイベントとして使用するかが考えどころとなっているカードドリブン系で、カードごとに両軍異なったイベントが記載されておりここでも両軍の運用には違いが出てきます。なお、イベントは上記特性を覆したり強化するなどをはじめ比較的強力なものも多い印象ですが、強力なものほどアンチカードが設定されていたりするため、使用にあたってはカウンティングやタイミングなどカードマネジメントも大切になってきます。特にギリシア側には強力な効果を持つスパルタ系のイベントが含まれていますが、国家連合の統一感のなさなのか、スパルタ系カード全体へのアンチカードが「カルネイア祭」以外にももう1枚あり、スパルタ系を手札にしていれば安泰と言うわけではないのが難しいところだと思います。

また、手番を「パス」してカードを温存することも重要なアクションで、次の遠征に持ち越せる手札の多いギリシアは「パス」を使い相手の動向を見てから動くことが可能ですが、次の遠征に1枚しか持ち越せないペルシアとしては手札を抱えたまま遠征が終了してしまうと無駄になるため、カードを使って動かざるを得ません。ペルシアが支配都市を増やし得点が逆転するとギリシアも安易に遠征を終わらせることが難しくなり、このあたりの駆け引きもありますね。

大きく気になるところはありませんが、ギリシア・ペルシア戦争というのがあまり馴染みがない(と思われる)ということもあって、展開が分からず興味を引きにくいところはあるかもしれません。ただ、ルールが分かりやすくイベント等によって戦争の出来事も徐々に理解できていくと思われ、とりあえず、非対称な両軍の特性を活かしながらどう指揮していくか、カードを上手く活用することで展開にも幅がありプレイアビリティの高さと面白さをしっかり両立させているとてもいいタイトルだと思います。

 

 

 さて、一日しっかりと楽しみこれをもって2018年のボードゲーム納め会は終了となりました。

 

 

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