車通勤メタル!

車通勤メタル!

児童養護施設で働くメタル好き中年保育士のCD日記。目指せ1万枚!

EVIL MASQUERADEの4thアルバム。

 

 

このバンドの1stアルバム、

「Wellcome to The Show」は

奇才ヘンリック・フライマンの

才能が炸裂した面白い作品でした。

 

ただ2nd、3rdアルバムを聴いたところ、

ネオクラ、プログレ要素は減り、

ヘンリックのもう1つの側面、

「リッチー・ブラックモア大好き病」

丸出しのバンドへと移行していました。

 

まあ元々ヘンリックのスタートは

MOAHNI MOAHNAで、

あのバンドこそRAINBOW丸出しだったので、

意外では無いですが、

やはり1stの摩訶不思議な展開が

素晴らし過ぎました。

 

で、この4thアルバムも

モロRAINBOWからの影響を受けており、

一言で言えば「現代的なRAINBOW」

と言ったところでしょうか。

 

ヴォーカルもアポロ・パパサナシオなので、

これまたディオ直系のパワフルな歌唱であります。

 

まあ全体的に安定感と言うか、

様式美メタルとしては

安心して聴ける内容でありますが、

意外性はありません。

 

どうしても1stアルバムの

インパクトが強かったので、

物足りなさは感じてしまいますが、

普通に良質の様式美メタルです。

 

ただあえてこのアルバムを聴く理由も無く、

同じヘンリック・フライマン参加作品なら

WUTHERING HEIGHTSを聴くかなぁと

思ってしまいます。

 

突出したキラー・チューンが

無いのもマイナス。

まあ逆に言えば、捨て曲も無く、

トータルバランスがとれた

作品とも言えますが…。

 

☆「現代版RAINBOWと言えるような、様式美作品だが、これといった特徴が無いのも事実」…☆☆☆☆☆☆星6つ!

 

 

ポーランド出身のデス・メタル・バンド、

VADERの4thアルバム。

 

 

ポーランドというと

言わばメタル後進国のイメージがありましたが、

このVADERの登場はそのイメージを

ひっくり返すほどのインパクトがありました。

 

僕はVADERの存在は知っていましたが、

アルバムとして聴くのは

初めてになります。

 

まあデス・メタルは

本当たま~に聴くぐらいなんで、

あまり期待しないで聴いたところ、

これがメチャクチャカッコいい。

 

デス・メタルというよりも、

スラッシュ・メタル寄りというか、

とにかく速さと爽快感が

実に心地よいアルバムです。

 

デス・メタルで心地よいと言うのも

何か不思議な感覚なんですが、

やはり演奏力の高さが

半端ないのだと思います。

 

ドラム、特にバスドラの音が

大きすぎるとのレビューもありますが、

まさにそのドラムの音圧が

凄まじい作品であります。

 

1980年代のMETALLICAや

EXODUS、TESTAMENTなどの

ベイエリア・スラッシュを

思い起こさせるような小気味よさと

破壊力は、やはり心地よいです。

 

曲構成もシンプルで、

非常に聴きやすく

かつてのMETALLCAや

EXODUS、SLAYERなどに

ハマっていた人におススメしたい1枚ですね。

 

☆「爽快感と破壊力が凄まじい、デス・スラッシュの理想形のような1枚」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆星満点!

 

 

デンマーク出身のシンフォニック・

フォーク・メタル・バンドのデビュー作です。

 

 

僕はこのバンドの2ndアルバム

「To Travel For Evermore」を聴いてから

すっかりこのバンドの虜であります。

 

3rd以降はヴォーカリストに

ニルス・パトリック・ヨハンソンが加入し、

音楽的にはレベルアップしましたが、

何とも言えない田舎クサさが魅力の

2ndアルバムを愛聴しておりました。

 

今回購入した1stアルバムは、

2ndを聴いて衝撃を受けて以来、

探し続けていたのですが、

ようやく購入できました。

 

流通量が少ないと思われ、

なかなか見つからず、

ようやく見つけた中古盤が

ネットで2千円以上したので、

しばらく悩みましたが、

購入しましたよ。

 

ドケチな僕が中古盤に

2千円以上出すというのは

異例中の異例でして(笑)、

数年に1回でしょうなぁ。

 

さて、内容は

この値段を出しても

後悔の無い

素晴らしいアルバムであります。

 

2ndに比べるとやはり

デビュー作ということもあり、

クサいメロディは少ないものの、

フォークとネオクラ、

民謡、シンフォニック・メタルを

組み合わせた方向性は

この時点で確立されています。

 

この音楽にはニルスの歌声は

逆にやかましく感じてしまい、

このクリスチャン・アンドレンの

クリアな歌唱が合っています。

 

フォーク・メタル、民謡メタルと言うと

どちらかと言えばTURISASのような

勇猛なバンドのイメージが強い

かもしれませんが、

このWUTHERING HEIGHTSは

ネオクラ様式美的な要素が強く、

特有の哀愁が感じられます。

 

本当にこのバンドは凄いんですが、

何ともあまり話題にならないまま

今は活動していないようですね…。

 

まあ正直聴く層は限られるし、

この音楽性だとライヴも難しいだろうし、

なかなか大変なところではあります。

 

一般的には3rd以降の方が

評価が高いかもしれませんが、

1st、2ndこそ、

クサ・民謡・メタルの

極致じゃないでしょうかね。

 

☆「民謡と、ネオクラと、クサいメタルの素晴らしき融合」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆星9つ!

 

イタリア人ギタリスト、

アンジー・スキリロのソロ・アルバム。

 

 

アンジー・スキリロと言えば

スイスのバンド、STORMBRINGERでの

感情豊かなギター・プレイを思い出します。

 

あのアルバムは曲自体素晴らしかったですが、

アンジーの鳴きのギターによって

更に素晴らしい作品に仕上がっていましたね。

 

このソロ・アルバムでも

もちろんアンジーの哀愁たっぷりの

ギター・プレイは健在で、

全編インストですが、

なかなか楽しめます。

 

1曲目の「Corrida」は

いかにも80年代ギター・ソロ・アルバム

といった曲で、トニー・マカパイン風。

 

その後は比較的ゆっくりとした曲が多く、

アンジーの感情たっぷりのギター・ワークが

楽しめます。

 

1曲目の展開でそのまま押していたら、

もちろんそれはそれでカッコいいですが、

やはりそこはアンジー・スキリロ。

たぶんテクニカルな展開よりも

ソウルフルなプレイが得意なんでしょう。

 

当時国内盤はアポロンのメタル・レーベル、

FEMSからリリースされていて、

ここもいかにもなんですが、

他のイングヴェイ・フォロワーとは

一線を画す作品と言えるでしょう。

 

まあただ僕も含めて、

この手のアルバムを聴く人は

テクニカルでスリリングなプレイを

期待する人が多く、

あまり話題にはならなかったような気がします。

 

アンジーはその後

ZEROというバンドを結成して

ゼロ・コーポレーションからアルバムを出しましたが、

そっちはつまらなかったなぁ…。

 

☆「ネオクラ好きにはやや物足りないが、アンジーの感情たっぷりのギター・ワークが楽しめる1枚」…☆☆☆☆☆☆☆星7つ!

 

 

アメリカのクリスチャン・メタル・バンド、

STRYPERの3rdアルバム。

 

 

クリスチャン・メタルというジャンルと、

黄色と黒のストライプという

阪神タイガース顔負けの特異な衣装で、

長らく敬遠していたバンドであります。

 

今回彼らの代表作で

最高傑作との評価が多い

「To Hell With The Devil」を聴いてみたのですが、

何ともあまりにも真っ当な音楽で

逆にビックリしました。

 

キャッチーなメロディアスHR/HMで、

どの曲も印象的なフレーズがあり、

非常に聴きやすい1枚であります。

 

また、マイケル・スウィートの

突き抜けるような美しい歌声も素晴らしく、

当時ヒットしたのも頷けます。

 

その中でも最大のヒット・シングルとなった

「Honestly」はあまりにも出来過ぎていて

当時の見た目からは想像できないような

いわゆる「売れ線」の曲であります。

 

他にも「Calling on You」や「Holding On」、

「All of Me」など

いかにも売れそうな完成度の高い曲があり、

非常に粒ぞろいのアルバムです。

 

一方「The Way」や「Rockin' The World」は

攻撃的なリフで始まる

アップテンポのナンバーで、

これまたカッコいいですね。

 

ラストを飾る「More Than A Man」は

王道HR/HMといった感じで

ベタベタの売れ線ソングがありながらも、

こういった硬派な部分も忘れないところが

このアルバムの素晴らしいところです。

 

今やクリスチャン・バンドというのも

そこまで珍しいものでは無くなったので、

今なら偏見を持たずに聴けるんじゃ

ないでしょうかね。

 

僕もそうでしたが、

見た目で判断してはいけません。

良質な80年代HR/HMを聴きたかったら、

是非このアルバムもチェックしてみてください。

 

☆「イロモノ、特異な存在に見られがちだが、音楽は実に真っ当で素晴らしいメロディアスHR/HM」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆星満点!