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車通勤メタル!

児童養護施設で働くメタル好き中年保育士のCD日記。目指せ1万枚!

北欧メタル黎明期の伝説のバンド、

BLACKSMITH。

 

そのBLACKSMITHが残した

4曲入りのデビューEPと、

シングル曲にデモ音源を追加した

スペシャルな1枚であります。

 

 

音はまさに、初期北欧メタルそのもので、

RAINBOW、DEEP PURPLEの影響を強く感じる、

様式美メタルです。

 

SILVER MOUNTAIN、MADISON、BISCAYAあたりの

音が好きなおっさんメタラーには

たまらない魅力があります。

 

特に1曲目の「Gypsy Queen」は

BISCAYAの「Howl In The Sky」のような

完成度の高い曲です。

 

ただ音質が良くないのと、

ヴォーカルがちょっと不安定なのは

おっさんメタラーなら許容範囲でしょうけど、

今の音に慣れた若い人には厳しいかも

しれません。

 

後半のデモ音源は

更に音質が悪いですが、

フレーズはキラリと光るものがあり、

イングヴェイのデビュー前の

デモ音源のような宝石の原石感があります。

 

イングヴェイの「I am a Viking」のような

リフがあったり、

「Hiroshima」っていう曲があったり、

なかなか微笑ましかったりもします。

 

また、シングル収録曲の

「Tomorrow's Mystery」、

「The King Has Lost His Crown」は

キーボードが目立つハード・ポップで、

この辺りの変化もいかにも

当時の北欧メタル・バンド的であります。

 

様式美路線、ハード・ポップ路線共に

アルバムを出していれば恐らく

日本では結構話題になっていたのでは

と思わせる魅力的な音ですね。

 

ただこういった

幻のバンド、伝説のバンドならではの

魅力を感じるのも事実で、

1999年に再結成フル・アルバムを

リリースしていますが、

そちらはあまり話題にならなかったような…。

 

まあいずれにしても

昔の北欧メタル好きにとっては

買って損の無い作品です。

 

今回やっと手に入れて、

僕的には大満足でした。

 

☆「当時の北欧メタルの魅力満載の貴重な音源」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆星9つ!

 

 

MAGMAの7枚目のアルバム。

 

 

MAGMAと言えば

怪しげな暗黒プログレ・ロック

というイメージですが、

1曲目のイントロからして

洗練されたジャズ・ロックで、

ちょっと拍子抜けであります。

 

その後も怪しげなコーラスが

反復するところなどは

MAGMAらしさを感じますが、

お洒落なジャズ・プログレが

続きます。

 

ファンクからの影響を感じる

展開もあり、暗黒MAGMAを

期待するとガッカリするかも

しれませんが、ガッカリさせないのが

このバンドであります。

 

初期の暗黒臭を消しながらも、

随所にらしさを散りばめた

高品質なジャズ・プログレで、

逆にMAGMA初心者はこれを

先に聴くのもアリじゃないでしょうか。

 

MAGMAの音楽は怖いという

先入観を持たれがちですが、

これは怖くない、お洒落な

整ったMAGMAが楽しめる

興味深い1枚であります。

 

もちろん暗黒MAGMAこそ

MAGMAの魅力ではありますが、

これはこれでカッコいい、

素晴らしい音楽集団です。

 

☆「お洒落で整ったジャズ・プログレ。こういうMAGMAもまた味わい深い」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆星9つ!

 

 

スペインの女性フォーク・ロック・デュオ、

VANICA DOBLEの3rdアルバムです。

 

 

1976年という時代にしては

ジャケットの色使いやキャラクターが

現代的ですが、音は優雅で牧歌的な

フォーク・ロックであります。

 

美しいハーモニーと、

優雅なけだるさが

何とも言えない雰囲気を醸し出しています。

 

スペインのバスク地方出身であり、

バスク語というところもありますが、

やはり辺境の地らしい

特有の空気感がありますね。

 

バスクのバンドと言えば

僕の中ではITOIZですかね。

非常にノスタルジックな雰囲気の

素晴らしい音楽ですが、

そのITOIZに通ずる哀愁も感じます。

 

約50年前の辺境の地の

こういったマニアックな作品が

CD化され、今日こうして楽しめることにも

壮大なロマンを感じますよね。

 

☆「バスク地方出身の女性デュオ。味わい深いスパニッシュ・サイケ・フォーク作品」…☆☆☆☆☆☆☆星7つ!

 

 

THIN LIZZYの6枚目のアルバム。

 

 

彼らの出世作で、

ライブでの定番曲も多く、

内容、売り上げ共に

THIN LIZZYの代表作と言えるでしょう。

 

1曲目の代表曲「Jailbreak」をはじめ、

イギリスのみならずアメリカでもヒットした

「The Boys Are Back in Town」、

カウボーイを題材とした「Cowboy Song」、

スコット・ゴーハムとブライアン・ロバートソンの

ツインリードのハモりが美しい「Emerald」と、

この4曲はライブでお約束のナンバー。

 

他の曲もインパクトは薄いものの、

どこかほのぼのとした雰囲気があり、

これもまたTHIN LIZZYの魅力ですよね。

 

さて、個人的には

僕がバンドでベース・ヴォーカルをやるにあたって、

フィル・ライノットから多大な影響を受けてまして、

THIN LIZZYは大重要バンドであります。

 

しかし何故か引っ越しのタイミングで

THIN LIZZYのアルバムを売ってしまい、

これは買い直しです(汗)。

 

このアルバムは

まだメタル度は低いですが、

王道ハード・ロックと

初期の牧歌的な雰囲気が同居する

バランスの良い作品です。

 

これはハード・ロック好きなら

抑えておくべき1枚でしょう。

僕は一度売ってしまいましたが(汗)。

 

☆「ライヴ定番曲が並ぶTHIN LIZZYを語る上で欠かせない1枚」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆星満点!

 

 

イタリアのプログレ・バンド、

IBISの1stアルバムです。

 

 

NEW TROLLSが分裂して結成されたバンドですが、

歌詞が英語ということもあり、

あまりイタリアクサさは感じません。

 

曲構成は全7曲で、

レコードで言うA面が

「Divine Mountain」というテーマで4曲、

B面が「Divinity」というテーマで3曲

という構成になっています。

 

A面はかなりYESを意識した音楽性で

アコースティック・ギターから始まり、

その後の曲構成も含め、

「Fregile」を彷彿とさせる

シンフォニック・プログレであります。

 

ただギター、ヴォーカル共に

YESほど繊細では無く、

そこはイタリアン・プログレらしさを残す、

ロック色が濃いYESという印象。

 

時折KING CRIMSONやEL&Pを思わせるような

展開もあり、王道ブリティッシュ・プログレを

地で行くような音楽性で、

これは予想外の展開ですね。

 

一方B面はイタリアン・プログレっぽい展開が多く、

こちらもまたカッコいい。

 

NEW TROLLSはあまり詳しくなく、

「Concerto Grosso N.1」しか

まともに聴いたこと無いんですが、

ここはやはりイタリアを感じます。

 

IBISはこの後1枚アルバムを出した後に、

NEW TROLLS再結成のため消滅。

そのためこのバンドの存在感は

今一つ薄いですが、

このアルバムはなかなかの名盤であります。

 

イタリア特有のクセは薄めですが、

ブリティッシュ・プログレと

イタリアン・プログレのいい所取りのような

ある意味都合の良い作品。

 

更にサウンド、ヴォーカル共に

ハード・ロック寄りなので、

プログレ初心者にも聴きやすい

内容となっています。

 

ジャケットはえらい地味ですが、

隠れた名盤なので、

ぜひ聴いてみてください。

 

☆「イタリアン・プログレとブリティッシュ・プログレ、そしてハード・ロックのいい所取りのような隠れた名盤」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆星9つ!