車通勤メタル! -2ページ目

車通勤メタル!

児童養護施設で働くメタル好き中年保育士のCD日記。目指せ1万枚!

ベルギーのイングヴェイとの

異名をとるダッシャン・ペトロッシ率いる

MAGIC KINGDOMの4thアルバム。

 

Amazon.co.jp: Savage Requiem: ミュージック

 

見た目(体形)がどんどん

本家イングヴェイに似てくる一方、

逆に音楽性はイングヴェイから離れていくという

不思議な人であります。

 

ただ音楽的にはそれは悪いことではなく、

単純にネオ・クラ・メタルとして

非常に高い完成度を誇る作品です。

 

1曲目のイントロ曲「In Umbra Mea」に続く

「Guardian Angels」は王道パワー・メタルで、

序盤からその辺のイングヴェイ・フォロワーとの

違いを示してくれています。

 

ヴォーカルはクリスチャン・パリンで、

この人はADAGIOの4thアルバム

「Archangels in Black」でも歌ってた人ですね。

なかなかパワフルでカッコいい歌声です。

 

3曲目の「Rivals Forever」は

いかにもの様式美疾走ナンバー。

ダッシャンが並行して活動している

IROM MASKと何が違うのか、

全く分からないネオ・クラな

安定の曲であります。

 

5曲目の「Ship of Ghosts」は

展開のあるメロ・スピといった感じで、

ベートーヴェンの第九をモチーフにした

ギター・ソロもやはりいかにも。

 

7曲目の「Four Demon Kings Of Shadowlands」は

縦ノリのパワフルでメタリックなナンバー。

この辺もイングヴェイに無い要素で、

独自の世界観を展開しています。

 

8曲目の「With Fire And Sword」は

ベタな疾走ネオ・クラ・ナンバーで、

やはりこういう曲があると安心感があります。

ギター・ソロもいかにもの展開ですねぇ。

 

9曲目の「Dragon Princess」は

イントロがマイケル・シェンカーの

「Doctor,Doctor」そっくりで

一瞬カヴァーかと思いましたよ。

 

そしてギター・リフが

オジー・オズボーンの

「I Don't Know」風という

なかなか強引な展開ですが、

原曲を知らなければ

恐らく違和感無いでしょう…(苦笑)。

 

10曲目の「Battlefield Magic」では

気を取り直して(?)

再び典型的なネオ・クラ疾走ナンバー。

なかなかドラマティックな展開で、

これまた心地よいです。

 

で、ラストが

シェンカー+オジーと書いた

「Dragon Princess」の

アコースティック・ヴァージョンで

これはいらなかったかなぁと…。

 

ダッシャンはこの曲をえらく気に入っているようで、

公式のMVもこの曲であります。

このセンスは理解できないところですが、

アルバムとしてはなかなか聴きごたえのある

良い作品であります。

 

ただ僕はこの人には

イングヴェイ直系の音楽を期待していたので、

妙な物足りなさ、寂しさを感じてしまいますね。

 

まあこの辺は

僕の持病(?)なので、

様式美メタル、

パワー・メタル好きなら

買っても損は無い出来です。

 

☆「イングヴェイっぽさが希薄なのは、良いのか悪いのか。成長もあるが、寂しくもある」…☆☆☆☆☆☆☆☆星8つ!

 

 

UNLUCKY MORPHEUSの

2022年8月19日にZepp DiverCityにて行われた

ワンマンライブの模様を収めた

2枚組ライヴ盤。

リリースは2023年3月。

 

最新作の「Evolution」から全曲収録しており、

「Evolution」と「Unfinished」

からの曲が中心となっていて、

最近ファンになった人にも楽しめる内容です。

 

逆に「Change of Generation」で

ハマったクサ・メタル好きの僕としては

ある意味洗練され過ぎていて

ちょっと物足りないですかね。

 

1曲目のイントロ「Evolution」の後は

「 "M" Anthem」、「"M" Revolution」、
「Top of the "M"」と、Mシリーズ3連発。

 

Disk1はその後

「Evolution」からの曲中心で、

もちろん歌も演奏も素晴らしいんですが、

クサ・メタル要素はほとんど無く

「Evolution」の世界観が展開されていきます。

 

Disk2はJillのヴァイオリン・ソロから始まる

変わった構成ですが、

そのままヴァイオリン中心のインスト小曲

「Wer ist Faust?」に流れ、

アルバム通り「The Black Death Mansion Murders」

になる展開はやはりカッコいいですね。

 

この2曲も「Evolution」の曲ですが、

この2曲に限ってはネオ・クラ要素たっぷりで

素晴らしい曲であります。

 

その後「Change of Generation」、

「Black Pentagram」といった過去の名曲と

「Unfinished」アルバムからの曲を散りばめた

構成で、僕はDisc2の方が好き、

と言うかDisc2ばかり聴いてますね。

 

ラストを飾るのは

ANGRAファンはどう感じるか、

またANGRAのメンバーはどう思うか

ぜひ聞いてみたい

「Carry on Singing to the Sky」。

 

まあ僕的には

ライヴ盤で言えば

「LIVE 2017 CD」が

最高の選曲なんですが、

一般的には今回の方が

受け入れやすいかもしれませんね。

 

演奏、歌ともに

安定していて、

貫禄すら感じますが、

ここも若さを感じる「LIVE 2017 CD」と

評価が分かれるところであります。

 

逆にスタジオ盤と遜色の無い

完成度の高い演奏と歌を

楽しめ、単純に作品としては

素晴らしい出来だと思います。

今のあんきもを知るには

良いライヴ盤ではあります。

 

☆「最新作を中心とした完成度の高いライヴ盤。クサさは控えめ」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆星9つ!

 

 

スウェーデンの前衛的メタル・バンドの

2009年リリース、2ndアルバム。

 

アルバムタイトルが長すぎて

見出しに入りきらなかったんですが、

正式には

「Sing Along Songs for the Damned & Delirious」

です。

 

しかし何と言うか、

独創的と言うか、

前衛的と言うか、

これだけ何にも似てないという音楽も珍しい。

 

簡単に分類すると、

ジャズ+オーケストラ+オペラ+メタル

といったところですかね。

 

ジャズとメタルというのは

僕的にはあまり相性がよろしくない組み合わせで、

結局キワモノで終わってしまうパターンが

多いような気がします。

 

しかし、この作品、

メタル歴30年越えの僕が、

はじめてしっくりきた

ジャズ・メタルかもしれません。

 

このスウィングと言うんですかね、

揺れて、跳ねるようなリズムに

ヘヴィなギターと、

オペラティックな歌、

そして管楽器が

うまく融合しています。

 

ギター、ベース、ドラム、

オペラヴォーカルの他に

チェロ、トランペット、トロンボーン奏者が

正式メンバーとなっていて、

本格的な演奏が楽しめます。

 

よくバンドとして

これを形にしたなぁと

ビックリしましたね。

 

ギターの音も

エッジが効いていて

カッコいいです。

 

曲によっては

MEGADETHのような

激しさと知的さを兼ね備えたような

展開もあり、素晴らしいですね。

 

特にザクザク刻むギターと美麗な女性オペラヴォーカルの

対比が面白い5曲目の「New World Widows」、

場面展開が見事でクセになる7曲目の「Vodka Inferno」

あたりはメタリックで聴きごたえがあります。

 

9曲目「Ricerca Dell'Anima」も良いですねぇ。

途中で一体何を聴かされてるんだと思ってしまうくらい

様々な要素が詰め込まれていて、

それでいて聴きやすいという

不思議な感覚になります。

 

まあ言葉では表現するのは難しいですが、

聴けば、意外とすんなり世界に入れると思います。

変態系ながらも、楽しく聴きやすい1枚。

 

☆「揺れるリズムがクセになる、聴きやすくて楽しい、変態ジャズ・オペラ・メタル」…☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆星満点!

 

 

女性ヴォーカリストを擁した

日本のクサ・様式美・メタル・バンドの

デビュー作です。

 

バンドと言うより

ヴォーカルのKate Cainと

ギターの石野洋一郎を中心とした

プロジェクトのような感じらしいんですが、

この石野洋一郎なるギタリストは

なかなかの逸材であります。

 

ネオクラ速弾きギタリストの

典型のようなプレイですが、

非常に正確なプレイで、

曲、ソロのアレンジも

なかなかカッコいいです。

 

その一方で

Kate Cainのクセのある

歌いまわしは

好き嫌いが分かれるところですね。

 

1曲目のイントロ曲「Invitation」に続く

2曲目の「Chaotic Phase」はいかにもの

クサ・メタルですが、

このねちっこい歌いまわしが

気になってしまいます。

 

ただ曲が進むにつれて

慣れていくと言うか、

曲とアレンジの良さで

気にならなくなる

不思議な感覚であります。

 

4曲目の「Domain」は

ROYAL HUNTにありそうな

インスト曲で、

これは石野氏の独壇場。

 

そして5曲目の「Fate」は

イントロからしてクサクサの

クサ・メタル・ソング。

この曲は歌も割と

クセなく歌っているので、

なかなか良いです。

 

メロディはポップなんだけど、

曲はメタルという、

これはこのアルバム全体に言えることなんですが、

これがこのバンドの狙いなんでしょうね。

 

7曲目の「Alea Jacta Est」も

クサい疾走ナンバー。

いかにもの歌メロ、展開が満載で

クサ・メタル好きにはたまらない曲。

 

そしてラストを飾る

曲名はズバリ「The Last」。

これもなかなかクサい曲なんですが、

なんと歌詞もクサい。

 

普段英詩の曲ばかり聴いていて、

あまり歌詞は気にしないで聴くんですが、

全編日本語のこのアルバムは

歌詞のクサさ、ダサさも気になります。

 

例えば「昇りゆくSunrise、沈みゆくSunset」なんて

まるで昭和の歌謡曲または昭和のアイドル曲のよう。

 

ちなみに2番は

「欠けているMoonlight、見えにくいStarlight」…。

 

まあ2005年リリースということを考えても

なかなかのクサさ、ダサさであります。

 

音もややスカスカだったり、

荒削りなところもありますが、

それでもなかなか魅力的な

クサ・メタル・アルバムであります。

 

その後アルバムを何枚か出しましたが、

今は活動していないようですね。

石野氏は現在プロデューサー、エンジニアとして

活動しているようですが、それは納得。

 

他のアルバムも機会があれば

入手してみたいと思います。

隠れた逸材ですね。

 

☆「色々甘い部分もあるが、なかなか見事なクサ・歌謡・メタルを展開しているデビュー作」…☆☆☆☆☆☆☆☆星8つ!

 

テクニカル・ドラマー、

ジョン・マカルーソの2007年リリース、

ソロ・デビュー作です。

 

この人、

テクニック的には凄いドラマーだと思いますが、

僕の中での印象はすこぶる悪いです。

 

僕が好きなバンドのアルバムに

結構参加しているんですが、

そのアルバムがことごとく音が悪く、

特にドラムの音がこもりがちなので、

結果印象がよろしくない。

 

イングヴェイの「War to End All Wars」とか、

RIOTの「The Brethren of the Long House」とか、

そのアーティストのアルバムの中でも

最も音質が酷いと言われることが多い作品に

当たってしまったのがね…。

 

まあその後の活躍をみれば、

それがたまたまだったのと、

テクニックがあり過ぎるがあまり、

ストレートなメタルには

マッチしなかったのが原因というのが

わかります。

 

さて、このソロ・アルバム、

メタル・ドラマーとしての側面は控えめで、

モダンなプログレ、フュージョンといった

要素が強い方向であります。

 

けだるい、どんよりとした曲が多く、

メタル・ファンにアピールするような展開は少ないですが、

テクニックはさすがと唸らせる場面も多いです。

 

ジェイムズ・ラブリエ、ヴィタリ・クープリ、

マイク・ディメオ、アレックス・マシといった

メタル・ファンにも

馴染みのあるゲストが参加しているのも

なかなか楽しいです。

 

ジェイムズ・ラブリエが歌う

1曲目の「Soul in Your Mind」は

DREAM THEATERよりもヘヴィで、

なかなか良い感じです。

 

ただその後も同じような曲が続くので、

ちょっと中だるみ感があります。

メタラーには少々刺激が足りない展開。

 

ただその空気を切り裂くような

7曲目の「T-34」は素晴らしい。

ジョンのドラムと

ヴィタリのピアノ、キーボードとの

絡みはなかなかの名演であります。

 

まあARTENSIONのような展開を期待すると、

ちょっと違いますが、

ハード・フュージョンというか、

激しさと大人っぽさが混在する

なかなか趣のあるナンバーです。

 

あとはハードな展開は

ジョンのドラム・ソロが収録されている

9曲目の「Pretzel」ぐらいで、

やはり最後までけだるい感じで

進みます。

 

ただ不思議と退屈な感じは無く、

普通に流している分には

心地よい音楽であります。

 

正直あまり期待せずに

興味本位で買ってみましたが、

意外と味わいがある

お洒落な作品に仕上がっています。

 

☆「90年代HR/HMファンにはもしかしたら印象がよろしくないドラマーかもしれませんが、腕とセンスは確かな人」…☆☆☆☆☆☆星6つ!