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車通勤メタル!

児童養護施設で働くメタル好き中年保育士のCD日記。目指せ1万枚!

220 VOLTの2ndアルバム。

 

 

80年代の北欧メタル黎明期から

活動していたバンドで、

NWOBHMに北欧らしい

透明感と哀愁を加えたような

いかにも当時の北欧らしい音です。

 

当時は「220 VOLT」というバンド名を

「にひゃくにじゅうボルト」と呼んでましたね。

「本当はTwo hundred twenty Voltなんだろうけど

呼びにくいな」なんて思ってたら、

何と正しくは「Two twenty Volt」だったという

懐かしい思い出であります。

 

さて、今聴くと

雰囲気は非常に良いですが、

洗練されているとは言えず、

どこか田舎クサいHMですね。

 

まあこれが第一次北欧メタルの

何とも言えない魅力なんですが、

この後他の北欧メタル勢同様

アメリカ進出を目論見ます。

 

4thアルバム「Eye to Eye」は

洗練された音でしたが、

大成功したとは言えず、

本来の北欧らしさも後退し、

解散となってしまいました。

 

その後再結成しましたが、

やはり初期の北欧らしさは

戻りませんでしたね。

 

まあこの2ndの方向性では

マニア向けのバンドで終わったでしょうし、

EUROPEの成功をみれば

アメリカ進出を目指すのは必然だったでしょう。

 

ただこの2ndも北欧メタルファンにとっては

良い作品ではありますが、

音、プレイ、ルックス共に

EUROPEほど突き抜けていなかったのも事実。

 

という訳で

当時の北欧メタルを知る人にとっては

非常に楽しめる1枚だと思いますが、

それ以外の人にはショボい作品

かもしれません。

 

☆「当時の北欧メタル作品としてはなかなか良い作品。突き抜けた所が無いのは残念」…☆☆☆☆☆☆☆☆星8つ!

 

 

「ドイツのELP」こと、

TRIUMVIRATの1stアルバムです。

 

 

ギターは不在で、

キーボード、ベース、ドラムのトリオ。

ベーシストがヴォーカルも兼務しており、

やはり編成もELPと同様であります。

 

全体的にELP大好き感が

溢れ出る作風ですが、

特にキーボードは

キース・エマーソンからの

影響が強いです。

 

音楽性もクラシックと

プログレッシヴ・ロックの融合

といったところ。

 

モーツァルトからの引用が多く、

美しい旋律が散りばめられており、

ネオクラ好きにはそそられる展開です。

 

ただ「融合」と言うには

ELPには到底及ばず、

どちらかと言えばモーツァルトをモチーフにした

プログレッシヴ・ロックといった印象ですかね。

 

ELPフォロワーと呼ぶには

見事過ぎる作品ですが、

本家と比べられてしまうのが

フォロワーの辛い所です。

 

ただ逆に

良くも悪くもELPのような

クセや凄みは抑えられている分

あっさりと聴きやすいです。

 

あまりELPを知らない人の方が

単純に楽しめるかもしれませんね。

まあELPを聴いてない人が

このアルバムに辿り着く可能性は

低いでしょうが…(笑)。

 

ただデビューアルバムとして考えると

十分過ぎるくらい

面白い作品ではあります。

 

☆「キース・エマーソン大好きキーボードが炸裂するクラシカル・プログレッシヴ作品」…☆☆☆☆☆☆☆☆星8つ!

 

 

DEREK AND THE DOMINOSの

唯一のアルバム、「Layla」です。

 

 

邦題は「いとしのレイラ」。

 

「デレク・アンド・ザ・ドミノス」とか、

「いとしのレイラ」とか言われてもピンとこない人も

いると思いますが、

イントロのギターを聴けば、みんな分かると思います。

 

かく言う僕も

DEREK AND THE DOMINOS

というバンドのことは知らず、

エリック・クラプトンの曲だと

思っていましたね(苦笑)。

 

なのでバンドのことや

詳しい背景などは

他のレビューにお任せするとして、

やはり超有名曲「Layla」が

ひと際目立つアルバムです。

 

アルバム自体、

ブルースロックの名盤として、

またエリック・クラプトンが

参加した作品の中でも

屈指の名作として語られることが

多いようですが、

HR/HM人間の僕には

少々退屈…(汗)。

 

いや、普通に流している分には

なかなか心地よい作品ではありますが、

僕の好みではありません。

 

1曲目の「I Looked Away」は

ほのぼのとした空気感が心地よいし、

9曲目の「Why Does Love Got To Be So Sad?」は

なかなかハードでカッコいいですが、

やはりブルージーなノリは苦手であります。

 

とにかく「Layla」は名曲で、

シングル版だと短縮ヴァージョンで

ロックの部分で終わってしまいますが、

アルバム版だと約7分あります。

 

もちろんロックの部分も

当然カッコいいですが、

後半のピアノ主体の展開も

なかなか印象的で

カッコいいです。

 

まあこの曲ができた経緯や

当時のクラプトンの生き方を知ると、

晩年のクラプトンから

想像できないような型破りな

人間だったことがわかります。

 

ブルースロック中心のアルバムですが、

全体的にはバランスのとれた

完成度の高い作品だと思います。

 

☆「Laylaはフル・ヴァージョンで聴いてこそ素晴らしい」…☆☆☆☆☆☆☆星7つ!

 

 

元MEGADETHのベーシスト、

「ジュニア」こと、

デイヴィッド・エレフソンの

初のソロ・アルバム。

 

 

一般的にメタル・バンドの

ベーシストのソロと聞くと

あまり注目されないと言うか、

扱いが小さい気がしますが、

この作品もまあそうなんでしょう。

 

僕はバンドマン時代は

ベースを弾いていたので、

逆にベーシストのソロと聞くと

どんなことをやっているのかと

ワクワクしちゃうんですが、

まあそういう人は

少数派かもしれません…。

 

で、ベーシストのソロ作品というと

ベースの音が不自然に目立っている

こともあるんですが、

このアルバムはそういった

自己主張は無く、

この辺もジュニアらしいですね。

 

ベースがやたら目立っている音は

個人的には大好きなんですが、

これも少数派でしょうね。

このアルバムはそういう意味では

実に真っ当、真面目であります。

 

ただこの作品、

アルバムと言っても

新曲は最初の3曲だけで、

あとは自身のバンドF5の

未発表音源やライヴ音源で、

ちょっとモヤっとする内容。

 

しかも冒頭の3曲が

非常にアグレッシブで

カッコいいので、

余計にモヤっとします。

 

そしてジュニアはこの後

プライベート動画流出問題で

MEGADETHを再度脱退という

事態になります。

 

ただその後も

MEGADETHに戻ることは叶わないものの、

様々なプロジェクトで精力的に活動しているので、

あのスキャンダルは何だったのかなと

そこもモヤっとしますね。

 

さて、その件はともかく、

ジュニアの初のソロとしては

色々物足りなさを感じるものの、

単純にHM作品として

楽しめる内容ではあります。

 

ジュニアがこういった形で

MEGADETHの最後に関われないのは

残念でありますが、

こういったソロ作品や、

最近はジェフ・スコット・ソートと

ELLEFSON-SOTOとして活動したりと

元気に活動しているようなので

そこは一安心。

 

まあ正直ジュニアのファン

またはMEGADETHのファン向けの

1枚という域は出ませんが、

新曲とライヴ音源だけでも

聴く価値はある1枚です。

 

あとは1曲ですが

クリス・ポーランドが

参加しているのも

嬉しいですね。

 

☆「ベースは意外に目立たないが、ジュニアの才能が詰まった1枚」…☆☆☆☆☆☆☆星7つ!

 

 

DIZZY MIZZ LIZZYの3rdアルバム。

 

 

2ndアルバムの「Rotator」から

実に20年ぶりの復活作であります。

 

まずジャケットからしていいですね。

1stアルバムのジャケットに登場していた

少女が復活しており、

あの衝撃が帰ってきたという

期待感が高まります。

 

そしてアルバムのタイトルが

「Forward in Reverse」。

 

過去に戻りつつも前進する、

過去を振り返りつつ前に進む、

過去に戻って再び前進する等、

色々な解釈ができそうな

意味深なタイトルであります。

 

さて、内容もタイトル通り、

過去の作風を踏まえつつ、

現代的でもあり、

そして良くも悪くも

落ち着きのある

味わい深い作品となっております。

 

例えば「Glory」のような

キャッチーなキラー・チューンは無く、

変拍子も控えめですが、

その分落ち着いて聴くことができます。

 

言わばヘンテコな展開が

1st、2ndの魅力だった訳ですが、

20年という期間を経て、

どっしりとした骨太の

HRバンドとして熟成された感じがします。

 

もしかしたらこの3rdアルバムの方が、

一般的には聴きやすいかもしれません。

1stアルバムは今聴いても、

どこが良いのか分からないけど、

何だか面白いという

掴みどころの無い作品です。

僕の感覚ですが。

 

20年間のブランクと言っても、

その間ティムはソロ活動で成功していたので、

歌は特に衰えは感じませんね。

 

何しろ一時的な再結成では無く、

2020年には4thアルバムも出しており、

そこは一安心。

 

懐かしさがありながらも、

今のDIZZY MIZZ LIZZYを感じるという

まさにアルバムタイトル通りの

出来であります。

 

曲調はポップなのに、

展開はひねくれていて、

そこがまたクセになるという

何とも言葉では形容しがたい

音楽性ですが、

何故かやたら聴きやすいという

クセになる作品。

 

これは20年という年月を経ても

一貫している方向性です。

まずは1stを聴いて欲しいですが、

この3rdから聴いても

インパクトは薄いものの

魅力は伝わると思います。

 

☆「20年というブランクを感じない、実にこのバンドらしい復活作」…☆☆☆☆☆☆☆☆星8つ!