消費税法の理論は、私の場合、TACで勉強していて、なかなか合格できなかったのだが、今の時期から、覚える理論の題数を増やす以外に、それ以外の部分の勉強をどうやるのがよいか、少し振り返ってみた。
特に、TACの直前期では、講師が、あたかも理論マスターを覚えるだけで解答できる(題数を覚えた分だけ、解答もたくさん出来る)ような教え方をしているように感じたので、それ以外に大事と思うことをまとめてみる。
(2020年合格目標で経験した内容をもとに書いています。)
(1)過去の理論問題における、理論マスターで解答可能な範囲を把握する。
理論マスターの最初に開いたページに出てくる、「本試験に出題可能性のある範囲を9割以上カバーしている」というのは、はっきり言って、現在は違うと思う。
過去問については、平成31年本試験あたりから2年分くらいを確認すれば把握できると思うのだが、出題は、おおむね、
・理論マスター+テキストに書かれた細かい内容(例えば、輸出免税の証明書類や、簡易課税の区分など)
・消費税(法)上での取り扱い関係(ドクター掲載の質疑応答事例や、軽減税率制度のQ&Aなどが絡む)
に分類されると思う。
よって、理論マスターで直接対応可能な、理論問題の解答範囲は、おおむね50%程度かなと思う。
このため、理論暗記が進んでいなくても、テキストに掲載されている理論項目の読み込みや、ドクター(特に後半部分)についてもバランスよく勉強することが大事だと思う。
(2)本試験での出題方法を把握する。
消費税法の理論については、本試験では問題文が長めで、文章自体が読みにくく、問題文から何を書けばよいのか把握しにくいことが多いと思う。
TAC生については、直前対策テキストの理論の問題文を読んでみて、解答を隠して内容を把握できるか(解答内容が思い浮かぶか)やってみるのが重要と思う。
予備校の答練に慣れてしまうと、意外と本試験で、何を問われているのかわかりにくいケースがあると思う(特に平成29年の特定仕入れ関連の問題は難しいと思う)。
(3)消費税の取扱い関係
TACでは、消費税の取扱い関係の応用理論は、集中して教えてくれる機会が少ないので、直前対策テキスト上での簡単な説明と、過去問の解答から把握するしかないのだが、
・売上では課税・免税・非課税などを、国内取引の判定などを説明しながら区分して、その取扱い(課税売上割合などでの取り扱いなど)を解答する
・仕入では、課税仕入れかどうか、また、課税仕入れの場合は仕入税額控除について、ABC対応のそれぞれの取り扱いを解答する
といったような、消費税の取扱い関係の問題については、TAC生はある程度、自分で勉強しないと抜けが出てしまう恐れがあると思う。
最近は、このような区分+取扱いの説明問題は少なくなっているように思うのだが、直前対策テキストの過去問を読んで把握しておいたほうが良いと思う。
なお、理論ドクターに載っている質疑応答事例をよく読んでおけば、判を押したような「事業=反復・継続・独立」という解答よりも、出題内容に沿った解答が書けることもあると思う。
(4)最後に
理論暗記が終わりきらない場合は、Web授業の最終回の講義を見て、数の絞り込まれた理論に賭けて、その上でテキストや理論ドクター、および過去問のチェックをしっかりやるのも、一つの方法と思う。
消費税法の理論については、よく問題を読まないと(問題に慣れていないと)、書く内容が分からなかったり抜けたりしやすいため、本当に要注意だと思う。