近年、夏の暑さの厳しさはもはや災害レベル。
梅雨はどこに行ったの⁈
全国的にも毎日ニュースで、少し前までは想像できなかった気温を連日伝えています。
そんな厳しい暑さの中でも、アスリートたちは、目標達成のために毎日練習に励んでいます。
支えるご家族も心配ですよね。
熱中症の危険からアスリートを守らなければなりません。
今日は、運動により上がった体温を下げるためのおはなしです。
暑いとき、汗をかきますね。
汗をかく主な理由は、体温を調整するためです。
運動や暑い環境にいると、体温が上昇します。体温が上がりすぎると、体内の酵素や細胞が正常に機能しなくなるため、体は汗を出します。
すると、汗が皮膚の表面で蒸発するときに熱が放出され、体温が下がります。
しかし今のように湿度が高いときや風がない体育館のようなところにいたとき、通気性の悪い服装のときなどは、汗をかいても汗が蒸発せず、体温を下げてくれません(無効発汗)。
汗がじっとりと肌にまとわりついたまま流れない、冷えないという経験はありませんか?
不快なのは、からだを冷やさない汗だからなのですね。
運動をしたり長時間暑熱環境にいたりすると、体内の温度(深部体温)が上がります。
適度に深部体温が上がればパフォーマンスが上がるのですが、からだを冷やす汗をかくことができないと、深部体温は上がり続け、熱がこもった状態となり、逆にパフォーマンスを下げることがわかっています。
運動中でなくても、深部体温が上がったままだと、脱水状態、筋肉疲労、熱中症といった危険にさらされることになります。
スポーツ活動中の熱中症を防ぐために、日本スポーツ協会が「熱中症予防5か条」を挙げています。
1.暑いとき、無理な運動は事故のもと
2.急な暑さに要注意
3.失われる水と塩分を取り戻そう
4.薄着スタイルでさわやかに
5. 体調不良は事故のもと
水分と塩分をとることで、失った水分を補給し、深部体温を下げ、ミネラル補給をして熱中症予防になることは良く知られていると思います。
また、薄着になる、ゆるめの服装にすることで風通しをよくすることも大切です。
さらに、深部体温を下げる、より効果的な方法が「アイススラリー」です。
最近はずいぶんおなじみになってきたので、ご存知の方も多いと思いますが・・・。
アイススラリーとは・・・
氷と水の混合物であり、氷の微細な結晶と水が均一に混ざり合った状態になっています。
氷の粒子が小さいため、液体のように流動性があるのが特徴です。
シャーベットを少し放置しておくと水っぽく、飲めるような状態になりますが、あのイメージです。
〇効果的な冷却効果
アイススラリーは、冷たい水を飲むよりも体温を効果的に下げることができます。
〇内部からの冷却
体の内部から直接冷却を行うことができます。これは、外部からの冷却(例えば、冷たいタオルや冷却ジェル)よりも効率的で、深部体温を効果的に下げるのに役立ちます。
〇持続的な冷却効果
氷が徐々に溶ける過程で冷却が続くため、一時的な冷却ではなく、長時間にわたって効果を持続させることができます。
以上のことから、アイススラリーは熱中症の予防に非常に有効だということがわかります。
日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防〜身体冷却と熱中症予防運動指針〜」
アイススラリー以外にも、「てのひら冷却」「アイスパック」「アイスタオル」などを併用して、運動によって上がった体温を下げるようにしたいものです。
現在はいくつかのメーカーから製品が販売されています。主なものを紹介します。
〇ポカリスエット アイススラリー
おなじみのポカリスエットを、独自の技術で常温の状態からスラリー状(飲めるシャーベット状)にすることに成功。
なんと、溶けても再冷凍することができます。
アイススラリーの先駆けです。
〇リポビタンアイススラリーsports
「ふぁいとぉ~!!」「いっぱ~つ!!」でおなじみの、大正製薬から製品化されました。
エネルギーの源クエン酸とビタミンB1・B2・B6に加え、運動時に汗で失われやすい塩分を摂取できます。
ハニーレモン味とりんご味があります。こちらも再冷凍可。
どちらも製品も、熱中症予防に適した成分が入っています。
冷凍庫でかちんかちんになるまで凍らせた後、手でもみほぐしているとスラリー状になるので、なるべく早く飲みます。
(すぐとけて水状に戻っちゃうので)
上の2種類はとても優れた製品ですが、なかなかのお値段です
毎日使うとなると、ちょっと難しい。
はい、喜んでください。家で作れます!
お伝えしてきた通り、「飲めるシャーベット状」ですから、一番かんたんな方法は
飲みたいドリンクを凍らせて、ミキサーなどで攪拌する
ことです。
こんな感じです
ちょうど最近テレビでやってました。
もちろん、スポーツドリンクでなくても構いません。
「プレクーリング」といって、活動を始める前に深部体温を下げておく方法も効果的なので、家を出る前に作ってすぐ飲んでおけば、しばらくの間効果が続きます。
ただし、おなかが弱い選手が、おなかが痛くなる・・・という報告も多少ありますので、大事な試合にいきなり使うのはやめてくださいね
練習などで試してみてから使いましょう。
まずはアスリートの食事について、ちょっと相談してみたい・・と言う方は、1対1でお話ししましょう。
曜日やお時間が合わない方は、ご希望をお伝えくださるとありがたいです。
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