久々に 『鉄道』 関連 のBlog更新と参ろう。
コロナ禍の影響で中々、旅も侭ならないご時世である。
その中で地元の観光シンボルとなるイベント列車は、
やはり旅の目玉のひとつであろう。
だが未来永劫続くと思いきや、
そうは中々行かないのが哀しき現状でもある様だ…。
岩手県の内陸と沿岸を横断している、
JR釜石線(花巻-釜石/90.2km)で、
蒸気機関車(SL)が牽引する観光列車 『SL銀河』 が、
車両の老朽化に伴いで来年春を以って、
運行を終える 事となった。
ホームには多くの家族連れが詰めかけた。)
平成23(2011)年03月11日に発生した東日本大震災からの、
復興のシンボルを応援しようと、ファンが駆け付けている。
フルシーズン最後の運行となる今年、
先日のゴールデン・ウィーク期間に於いては、
観光列車 『SL銀河』 を自由に見学出来る公開デーが、
05月04日(水)、岩手県釜石市のJR釜石駅であった。
SLを間近で見ようとホームには、
家族連れや鉄道愛好家でごった返した。
SLは、釜石駅構内の車庫から煙を吐きながら進み、
ホームに入線して客車と連結。汽笛を鳴らすと、
家族連れから大きな歓声が沸き上がった。
事前申し込みをした10人だけが特別に入る事が出来た。)
SLや客車の前では子供達が記念撮影。
事前に申し込んだ10人は特別に運転台を見学し、
興味深そうに計器類の説明を受けていた。
4両の客車も開放され 宮沢賢治の代表作である、
『銀河鉄道の夜』 を題材にした内装を眺めたり、
客席の座り心地を確かめたりした。
岩手県大槌町の小中一貫校に通う男子児童は、
「こんなに近くでSLを見たのは初めて。
汽笛も迫力ある車体も格好いい」 と声を弾ませた。
今回の公開デーはJR東日本が主催したものである。
照明には作品に登場する白鳥が描かれている。)
『SL銀河』 は 東日本大震災からの、
復興支援や地域活性化 を狙い、
平成26(2014)年04月12日に運行を開始。
使用されている機関車は昭和47(1972)年まで、
釜石線、山田線、大船渡線を中心に運行されていた、
C58型蒸気機関車 である。
SL運行廃止後には岩手県営運動公園で、
展示・保存されていたものを復元。
旅客車は当初は客車系で、
相席仕様の12系を使用していたが、
現在は同線の急勾配のある遠野-釜石の区間にある、
仙人峠界隈に対応出来る様に、
エンジン付きの客車風気動車で、種車は50系客車を改造し、
JR北海道で使われていたキハ141系型気動車を客車風に、
置き換えて 使われている。
『銀河鉄道の夜』 の複製原稿が展示されている。)
『SL銀河』 の運行にあたっては、機関車の復元や旅客車整備、
沿線道路の整備や機関士の養成等を含め、
総額で約20億円の経費 を投じた。
運行開始以来、主に春から初冬に掛けて土日を中心に、
花巻-釜石の全区間を走行し、
これまで5万7千人が乗車して折り、
全国の鉄道ファンに愛されている。
釜石線内を走行していたC58型が担当。)

(列車・及び列車全体のテーマは、
花巻出身の詩人・童話作家である宮沢賢治の
『銀河鉄道の夜』 に因んで折り、
賢治の世界観や空気感を共有する事で、
東北の 「文化・自然・風景」 を醸し出している、
車内空間と成っている。)
だが牽引となる客車も昭和53(1978)年製、
同55(1980)年製の車輛を組み合わせ、
定期的に検査は行っていたものの、
旧国鉄型車輛の淘汰や種車となっている標準気動車自体も、
昨今の環境問題に因るディーゼルエンジンから発せられる、
二酸化炭素(CO2)排出削減に伴う、
非電化区間に於ける次世代向けの蓄電池式電車や、
電気式気動車への最新置き換え等で、
従来の修繕部品の調達維持が困難な状況 となり、
来年の車輛検査前での運行終了を既に決定している。
( 『銀河鉄道の夜』 のモチーフとなった、
メガネ橋橋梁の "岩根橋" 《岩根橋-宮守》 )
仙人峠のオメガループ線 を駆け上がり、
北上山地、釜石線内の最長トンネルである、
土倉トンネルを目指す 『SL銀河』 。
急勾配な上り坂ため蒸機単独では、
牽引に限界があるため、
牽引機関車の逆走防止のため、
車輛は気動車を改造した形の客車を使用し、
言わばディーゼルエンジンを発動させての、
後押しの形で峠道を驀進する。
《鬼ヶ沢川橋梁 / 陸中大橋-上有住》 )
同列車は、今秋09月25日まで土日と祝日を中心に26往復し、
来年は春のみの運行となる。
旅客車は今後廃車となるものの、
機関車自体は当面、盛岡の検収庫に置かれ、
JR東日本盛岡支社の広報担当に因れば、
「運行終了まで引き続き 『SL銀河』 を活用した様々な、
イベントを計画して盛り上げて行きたい。
運行終了後に付いても新たな観光列車の運行に向けて、
検討を進めると共に、地域の皆さんと一緒に、
観光振興に取り組んで行きたい」 と、
今後の活用について検討されるとの事だ。
嘗ては気動車急行の停車駅で交換設備もあった。
当駅は 「滝観洞<ろうかんどう>」 の最寄駅となっている。)
震災発生から11年目、運行開始から8年目となる、
今年最後シーズンの運行となる 『SL銀河』 。
様々な旅の想いを乗せて走り続けきたその雄姿も、
来春にはその役割を終え、姿を消す事となる。
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【動画】
『SL銀河』 釜石線で運行へ=被災地に復興への汽笛響く
https://www.youtube.com/watch?v=wc30rdYd1E0
『SL銀河』-大洞の四季(定点撮影と上有住駅発車)
https://www.youtube.com/watch?v=fbRwyzEt2jQ
『SL銀河』-サミットー陸中大橋駅で一休み
https://www.youtube.com/watch?v=u5rIaQXTSuo
陸中大橋駅俯瞰
https://www.youtube.com/watch?v=thSSX-l0D7s
『SL銀河』 2019夏 真夏の銀河ドリーム
https://www.youtube.com/watch?v=P1s7BtbFbs4
【お知らせ】
『SL銀河』 の運行終了について !!
(PDF仕様)
https://www.jreast.co.jp/press/2021/morioka/20211119_mr01.pdf
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JG7MER / Ackee