空の下で人たちが何をしていようが
空の下で人たちが何が起きていようが
空の下で人たちがどうなっていようが
空の下で人たちがどんな思いでいようが
空の下で人たちが何を見ていようが
空の下で人たちが何も見ていなくても
空の下で人たちがどうしようもなくても
空の下で人たちがたとえいなくても
空には関係がない
空は空の都合で
日を照らし
空は空の都合で
雲が往き
空は空の都合で
雨を降らし
空は空の都合で
雪を散らすだけのこと
空は人のことなど思ってはいない
いっさい考えてなどいない
一陣の風を受けて胸が騒ぎ
雲は肩越しに連れられて
月をやり過ごす
散っていく枯れ葉が後を追い
手招く水面は波立つことを繰り返し
凍えた殺気に怯え出す
叫びにも似た鳴き声は
怒りを叩き起こして
臆病な羽音だけが逃げていく
黒い雲は影を嫌い
月明かりを盗んでいく
研ぎ澄まされた刃だけが照らし出され
奴の居場所を指し示す
宵闇に紛れ
漕ぎ出す波が導く通り
奴の喉を掻き切れ
夜陰に乗じ
足音を沈め
奴の寝首を掻け
悲鳴は雷鳴が掻き消すだろう
血は波が隠してくれる
寝言はいずれ地獄で聞いてやれ
孤独に身を落としてしまえば
誰の目にも止まらないでいられる
ただ孤独でありさえすれば
誰も傷つけないでいられる
そう自分に言い聞かせて
明日の風に立ち向かおう
誰ともかかわらなければ
誰からも自由でいられる
もう誰ともかかわらなければ
心にしまってあるナイフを出さずに済む
いや、そんなナイフさえいらなくなる
ムリにでも
自分の心にフタをしよう
生まれついた習い性のように
孤独の仮面をつけていればいい
口を閉ざし
心を閉ざしていれば
偽りでも
嫌でもやがて板に付いてくる
お前など誰も見ていない
いないのも同然なんだよ
でも嘆くなかれ
だから自由でいられる
悲しむなかれ
だからこそ誰の目を気にすることなく生きられる
誰の評価に怯えることなく
生きていくことができる
生まれても
掃除って何かわからないうちに
母さんが掃除をしてくれたし
学校に行っても
掃除の仕方を教えてくれなかったし
母さんは先生がするものだって
就職しても
掃除は入っている業者がするし
そんなこと俺の仕事じゃないし
結婚しても
家事が嫁さんがするもんだって母さんが言うし
そんなこと俺の役目じゃないし
歳を取ったら身体がいうことをきかなくなってきたし
ヘルパーさんに頼めばいいって勧められたし
とうとう死んでしまっても
家財一切
家族がどうにかするだろうし
骨も家族が拾うだろうし