巻き散る火の粉がどこから来るのか誰にもわからない
 
巻き散る火の粉が日に日に収まっていくとは限らない
 
巻き散る火の粉が見えるとは限らない
 
巻き散る火の粉が火元より冷めているとは限らない
 
 

降り注ぐ火の粉が熱いとは限らない
 
降り注ぐ火の粉がいつ止むのかは誰もわからない
 
降り注ぐ火の粉が止むのかさえ誰にもわからない
 
降り注ぐ火の粉が何を焼き尽くすのかもわからない
 
 

降り積む火の粉が静かだとは限らない
 
降り積む火の粉が何もせず消えるなどということはない
 
降り積む火の粉が何も侵さないとは限らない
 
降り積む火の粉の気配などあろうはずがない
 
 

降りかかる火の粉がいつ消えるのかなどわからない
 
もう誰にもわからない
 
そう
 
わからない
 
そんなことより
 
本当の怖さを誰も知らないこと
 
そして
 
何よりその火の粉が何を指すのか
 
誰にもけっしてわからないということ
 
 
 
突然の風にざわめく木々
驚く子どもたち
 
 
葉洩れ日と影の揺らぎに取り囲まれて
立ちすくむ子どもたち
 
 
恐る恐る見上げてみれば
連なる風のざわめきと歓声は
山の向こうにまで届きそうなくらい
 
 
過ぎ去った後は
何事もなかったかのように
走り去る子どもたち
 
 
 
いまか
 
いまかと
 
春を待ちわび
 
そっと吹く風に
 
春を尋ねる
 

 
緩んだ水に
 
ゆり起こされた春の辺で
 
身を焦がし
 
恋い慕う
 
 

時が連れ去る春を見送り
 
一雨ごとに
 
夏草模様
 
 
 
 
白い花よ
 
風に揺れることを知らずに咲いた花
 
それでも
 
惜しむことなく咲きなさい
 
 
 
黄色の花
 
目立つことなく埋もれるように咲いた花
 
それでも
 
臆することなく咲き誇れよ
 
 
 
紅色の花
 
思いもよらず雨に打たれても
 
それでも
 
頭を下げず咲き続けよ
 
 
 
紫の花
 
誰にも省られず咲いた花
 
それでも
 
そのまま咲き笑えよ
 
 
 
赤い花
 
いずれ散ることなど思わず咲いた花
 
それでも
 
今日を咲き生きよ
 
 

さよならも
 
ありがとうも
 
連れ去った
 
あの海は今日
 
素知らぬ顔をして
 
凪いでいる
 
 

やがて
 
風を受けてこの涙が乾いても
 
たとえ
 
堅い土を割って花が咲いても
 
いつも
 
忘れないでいる
 
いつまでも
 
 
 
 
 
 
※以前投稿したものの再掲です。
 
冷たく吹きつける風に
この身を任せれば
その時から僕は鳥になる
 
 
どこまでも高い空に
この身を任せれば
その時から僕は雲になる
 
 
止めどなく流れる河に
この身を委ねれば
その時から僕は魚になれる
 
 
果てしなく深い海に
この身を委ねれば
その時からもう戻っては来ない
 
 
記憶を失って
自由になりたい
自由になれるのなら
この命さえも
記憶を失ってでも
自由になりたい
 
 
 
この世は闇である
 
闇は光を呑み込んでいく
 
夜は闇に光を引きずり込んでいく
 
 
明けない夜はないと人は言うが
 
明けない夜を知らないだけ
 
明ける闇を夜と名付け
 
明けるはずだと思うのか
 
閉ざされた闇をただ知らないだけではないのか
 
誰も知らないだけ
 
いずれにしても気休めでしかない
 
 
今を覆うこの暗闇がやがて日が差すのか
 
本当は誰も知らない
 
本当に誰にも分からない
 
 
止まない雨はないと例えられても
 
すべてを呑み込んで
 
雨が止んでも
 
あなたはそう言えるのか
 
人はまだ本当にそう思えるのか
 
 
 
あせります
 
あせります
 
まるで自分の心ではないかのように
 
あせります
 
それが自分でまいた種にしろ
 
それが運命のいたずらにしろ
 
いつもの自分を見失い
 
とまどい
 
まどい
 
苦しんで
 
時間だけがただ静かに過ぎていく

 
 
あせります
 
あせります
 
どうにかしようと思っていても
 
あせります
 
考えあぐねて
 
その果てに
 
通り過ぎる時間をやり過ごすしかないのだろうか
 
鬼が向こうへ行くのを
 
息を潜めて隠れるように
 
 
 

 

空の下で人たちが何をしていようが
 

空の下で人たちが何が起きていようが
 

空の下で人たちがどうなっていようが
 

空の下で人たちがどんな思いでいようが
 

空の下で人たちが何を見ていようが
 

空の下で人たちが何も見ていなくても
 

空の下で人たちがどうしようもなくても
 

空の下で人たちがたとえいなくても
 

空には関係がない
 

空は空の都合で
 

日を照らし
 

空は空の都合で
 

雲が往き
 

空は空の都合で
 

雨を降らし
 

空は空の都合で
 

雪を散らすだけのこと
 

空は人のことなど思ってはいない
 

いっさい考えてなどいない

 

 

 

日1日と暮れていき

 

 

その積み重ねの1年が暮れていく

 

 

わが甲斐性のなさに途方に暮れても

 

 

1日たりとも立ち止まることなく

 

 

暮れていく

 

 

情け容赦なく暮れていく