暗闇を味方に一陣の風を受けて胸が騒ぎ 雲は肩越しに連れられて 月をやり過ごす 散っていく枯れ葉が後を追い 手招く水面は波立つことを繰り返し 凍えた殺気に怯え出す 叫びにも似た鳴き声は 怒りを叩き起こして 臆病な羽音だけが逃げていく 黒い雲は影を嫌い 月明かりを盗んでいく 研ぎ澄まされた刃だけが照らし出され 奴の居場所を指し示す 宵闇に紛れ 漕ぎ出す波が導く通り 奴の喉を掻き切れ 夜陰に乗じ 足音を沈め 奴の寝首を掻け 悲鳴は雷鳴が掻き消すだろう 血は波が隠してくれる 寝言はいずれ地獄で聞いてやれ