狭い場所
たとえば、金。
リズムとでも云うのだろうか。
何年かごとに、金持ちになったり
食うや食わずの状態に堕ちたり。
必要なときに金がなく
どうでも良いときには、あまるほど入ってくる。
金とは、そういうものらしい。
社会的信用だとか、人間関係だとか
そういうしがらみを全部捨ててしまうと
実は、金などほんの少しで生きていける。
それを俺は知っている。
生きる場所はひどく狭くなるけれど
みほと暮らせるならば、それでかまわない。
ただその狭い場所に
みほを閉じ込めてしまうことが、俺は怖い。
どうして好きなの?
なんで私なの?
ときおり、みほが俺に聞いた。
なんで?
そんなの理由なんかない。
偶然?
必然?
それもよく、分からない。
俺がみほを選んだわけじゃない。
きっと、みほが俺を選んだのでも、ないだろう。
お互いが、なにかの縁で出会い、一緒になった。
その本当の理由は、誰にも分からない。
云えることがあるとしたら
みほに会えたこと、それは
最高のしあわせ。
それだけだ。