12月3日(金)公開のアニメ映画
『フラ・フラダンス』を初日に観てきました
この日21時からは『アイの歌声を聴かせて』のシネマシティ aスタジオに切り替え上映初日で
そちらも観るので(というか自分的にはそっちがメイン)
同じシネマシティで前日までアイうた上映されていたfスタジオでフラフラ鑑賞
この作品、水島精二総監督と脚本は吉田玲子さんということで
このタッグなら面白くないわけないだろう!
という期待値を込めての初日鑑賞
シネマシティfスタジオは水島監督も参加しての音響調整が施された「極上音響上映(極音)」です
入り口には水島さんのサイン入りパネル
サイン部分拡大
来場者プレゼントでクリアファイルが貰えました
あらすじは公式ページより
福島県いわき市に暮らす高校生・夏凪日羽なつなぎひわ。
卒業後の進路に悩む日羽は、かつて姉・真理まりが勤めていた「東北のハワイ」こと「スパリゾートハワイアンズ」のポスターを見て衝動的に、新人ダンサー=フラガールの採用試験に応募する。
未経験ながらも採用された日羽は、鎌倉環奈かまくらかんな、滝川蘭子たきがわらんこ、オハナ・カアイフエ、白沢しろさわしおんたち同期と共にフラガールへの道を歩み始めるが、個性豊かすぎる5人の足並みはそろわず、初ステージで、ある大失敗をしてしまう。
「今までで、一番ざんねんな新人たち」と呼ばれ、落ち込む彼女たちだったが、恋、ダイエット、そしてフラ…と、いいことも辛いことも分かちあいながら、フラフラしながらも絆を深めていく―――。
主人公の夏凪日羽(なつなぎひわ)が福島県いわき市に実在する「スパリゾートハワイアンズ」に入社しプロのフラダンサー「フラガール」として挫折を繰り返しながら成長していく 姿を描く という物語を軸に
震災により多くの犠牲者と被害を被った福島、そしてスパリゾートハワイアンズの復興応援的な側面も併せ持った作品になっていると感じる作品
これを見るとスパリゾートハワイアンズに行きたくなるし
そういった意味では多くの人に本作を観てもらうことで、10年経ってもいまだ傷の癒えぬ被災地域の方々に少しでも元気を届けることにつながるのではないか と
そしてメインとなるフラダンスのシーンでは
ステージから観客に笑顔を届けたいと願うフラガールの想いそのままに
見ているこちらも優しく温かい気持ちになれる
そんな印象の映画でした
ちなみにステージ上でのダンスシーンなど
音楽が演出の前面に出てくる場面が多くあるので
この作品もなるべくなら音の良い劇場で鑑賞するのがオススメです
私が鑑賞したシネマシティ fスタジオは音響調整された極音上映なので
もちろん最高の音でした
本予告60秒PV
と、
概要は以上で
ここからは個人的な感想です
ネタバレはしませんが少し内容にも触れつつ
そしてかなり辛口なことを書きますので、
これから映画を鑑賞する予定の方は変な前情報を入れないためにも、以下はご覧にならないほうがいいかも知れません
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まず私個人の本作の評価としては
5点満点で☆2つ、良くても2.5くらいです
水島監督と、さらには脚本が吉田玲子さんであれば
少なくとも物語の出来として外すはずがないと信じきっていたのですが
端的に言って起承転結の「結」が
アレレ?
な感じというのが率直な感想
「えっ!? これで終わりなの?」
っていう、
なんとも中途半端なラストの結び方に感じられてしまう
結局この作品は一体なにを伝えたかったんだろう? と
映画の前半は、
思い付きでフラガールに応募して採用され
まともなダンス経験もなくフラガールとなった主人公のヒワが挫折につぐ挫折を繰り返し
そして同期入社でフラダンスチームとなるヒワを含めた5人の結束もゼロ状態で
そこら辺の新人あるあるな描写は結構わかりやすく描かれていたので、
これはお仕事系の成長物語をきっちりと描く展開だな と
そう思いながら見ていたのですが
途中から色々な要素を詰め込み始めて
例えば
あまりに中途半端な片想いの恋バナや
先輩の恋愛・結婚
高校時代の友人達との交流とそれぞれのチャレンジ
震災で亡くなった故人の話
そして新人5人チームが少しずつステージで活躍できるくらいに成長してきた姿を描き、
それがラストのカタルシスにつながるかと思いきや
故人と語り合う突然のファンタジー展開が出てきて
そしてそれぞれのその後の姿を描いてエンディング、、、
これねえ、素人の私が言うのもはばかられるのですが
”フラチーム5人が挫折を繰り返しながらも成長し結束を固めていって
ラストは今できる精一杯のフラダンスを観客に披露して
その踊りで観客に笑顔を届けることが出来ました”
みたいな首尾一貫したストーリーと終わり方だったとしたら
そこまで私も低い評価にならなかったです
ていうか、良い作品として評価出来たはずです
ところがそういう感動的なフラダンスを披露して、題名からもその場面が一番の盛り上がりのはずなのに
そこから先に余計な話を盛り込んで
結果、感動ボルテージが踊りの場面以上に盛り上がることなく
さしたる感動もないままに終わってしまうという残念さ
途中までのお仕事系物語の出来としては結構良かったと思うのです
特に前半の主人公ヒワの苦しみ方は
見ているこちらまで苦しくなるくらいに感情移入出来る素晴らしい演出だと思うのに
結局色々と詰め込み過ぎて、
それがためにそれぞれの話が端折られている感じがして
結果、どうしてもそれぞれが中途半端に感じられてしまい
なにより結局この作品は何を観客に伝えたかったのか?
それがよくわからんのです、自分の場合は
題名の『フラ・フラダンス』には主人公がフラフラと未熟なダンスでもがき苦しむ意味も込められていると思うのですが
この作品ではそもそもストーリー展開そのものが「フラフラ」していると感じてしまう
それが物語に対しての私の率直な感想です
アニメのビジュアル的な話題に移ると
本作の特徴は、フラダンスのシーンではモーションキャプチャーで実際の踊り子の動きをCGアニメ上に落とし込んでいる ということですが
確かにフラダンスのような滑らかで繊細な動きを手描きアニメで再現することには限界があるとの判断でしょうから、そこはCGというのはわかるのですが
やはり自分にはまだまだCGの見せ方が自然とは思えない
手描きアニメのパートと比べてどうしても異質なものに見えてしまうのです
踊っているCGキャラクターが背景から浮いて見えてしまうのは自分だけでしょうか?
もとよりキャラクターをCGで動かすアニメに拒否反応のある自分にとっては
せっかくの盛り上がりのフラダンスシーンがゲームキャラの動きに感じられてしまうのです
CGの点で言うともうひとつ
登場するクルマの走行カットはすべてCGだけど
これがあまりにお粗末な出来
動いているのにサスペンションのストロークがまるでなく
曲がる時のロール、止まる時のノーズダイブなどまったく無し
ようはクルマがまったく傾かない
ただクルマの形をしたものが画面の中を動いているだけ
違和感極まりない動き
これねえ、
劇場版SHIROBAKOの中でCGクリエイターの藤堂美沙が後輩のクルマのCGにダメを出していたことそのままだよね。。
フラの方にCGの予算使いすぎて、クルマのCGはやっつけになったとしか思えない
見ていて違和感しか残らないひどいCG
などとCGの描写に関して厳しいことばかり書いたけど
それ以外の
手描きで描かれたキャラクターの演技などはとても良く表現されているし動きも良いと思いました
手描きの作画のスタッフの方々はとても良い仕事をしている作品だと思うのです
良くないのはあくまでCGのほう
だから余計に残念
それからもうひとつダメだったのは
職場での数少ない男性キャラの声の演技があまりに残念すぎる
完全な棒でしょ、これ
音響監督がこんなんでOK出したのが信じられない
そのひどい演技を披露しているのはいわゆる声優ではなく俳優さん(しかも二人とも)だけど
もしかしてそういう棒読みの演出方針なのかな?
だとしたら出演した役者さんのせいではないので申し訳ないのだけど
それにしてもひどすぎて、
とても感情移入出来るキャラでは無くなってしまっている
絵を完成させるまでに多くのスタッフが大変な時間と労力を注ぎ込んでいるはずなのに
最後の声の部分で台無しにしてしまうのを見ていると
アニメが好きな自分としては腹立たしくて仕方ない
などなど
せっかく感動の物語になるはずの題材なのに
最近は超涙もろくなってちょっとのことでも涙を流す自分ですら
いい話で感動出来るはずなのに一滴の涙も出なかった
そんな、ある意味貴重な体験の作品でした
と、
ここまでひどいことをさんざん書いておいて言うのもなんですが
これはあくまで私個人の受け止めで
レビューを見ると中には「良かった」「感動した」という感想も見られるので
この作品が気になった方は是非映画館でご自分の目で確かめてください
あ、この主題歌は好きです
とてもいい