暗記型か思考型、どちらを選ぶべきか? | 中学生の勉強法と親の心得 ~塾長直伝! 高校受験対策と反抗期の対応法~

中学生の勉強法と親の心得 ~塾長直伝! 高校受験対策と反抗期の対応法~

勉強の「困った」を解決する、小中学生とその親のための教育相談サイト。
公立小中学校からの高校進学を目指す人へ、高校受験の正しい勉強法、家庭学習や独学の方法、
親の心得や役割、反抗期の中学生の接し方や指導法、岐阜県の入試情報や塾の選び方などを紹介。

この記事は前の続きとなります。
前の記事をまだご覧になってない方は、必ずこちらからご覧ください。

「数学の文章題が苦手な中学二年生の女子生徒への指導法」
 



>真面目な生徒で、計算等に必要な知識はしっかり身につけられているのですが、文章題になると文章題を自分の中に落とし込めていないと言うのか、文章の状況を思い描けていないように思います。

 懇切丁寧なテキストを使って、パターン化で教えている限りは、文章の状況を思い描く力はつきにくいですね。パターンを見抜く力はまさにその「文章を読んで状況を理解」した上で、「過去に解いたどの問題と近いか判断する」ことが必要です。懇切丁寧+パターン化ですと、文章を細かく理解しなくても解き方だけが分かってしまうため、生徒によっては状況を理解することすらなく機械的に解いていることさえあります。

 

 

>(国語も担当しており、よく解けているのですが、2ステップを踏む必要がある問題の解答が甘い、中2対象の問題であれば問題ないが中3レベルの少し難しい問題になると躓く(時間がかかる)等、気になる所があります。)定期テストはどの教科も80点前後だったと思います。

 現時点でフォレスタの国語は無かったと思いますから、そちらは違う教材でしょうかね。どちらにせよ、ここで先生が期待されている国語力は、上の文章題にはそんなに影響しませんから、とりあえずここでは流させていただきます。


>③思考を育てる指導を目指したいのですが、今のままの指導を突き詰めて行くのとどちらが効果的でしょうか。

 これは後の質問と関係してくるため、まとめてお答えします。


>考える習慣をつけるため、図を書いてもらうことを考えていますが、勉強法としていかがでしょうか。

 とても良いと思います。ただ、これは「考える習慣」と言うよりも、普通に「文章題を解くため」に必要な指導だと思います。

 パターン化しないで解くためには、問題の正しい理解、すなわち図や表やグラフを利用することが欠かせませんからね。あとは「いかにかき方を教えるか」も大事だと思います。

 

 

>また、思考を育てるとはどの程度を目指すべきでしょうか。

 暗記型(+演習型)の指導と思考型の指導、どちらが効果的かと言う話にもつながってくるところですね。


 塾講師がつけるべき力には、2つの視点があります。

 1つは受験に受かる力をつけること。
 もう1つは生徒の生きる力(生徒の将来に役立つ力)をつけること。

 塾である以上、受験に受かる力は必須となります。具体的に目指すべきは、当然その生徒が志望校合格に必要なレベルですね。そして、こちらの視点に限ると「完全丸暗記で受かるならそれもあり」という話になりますから、暗記型の受験指導が必ずしも間違いとは言い切れません。

 一方、生きる力(生徒の将来に役立つ力)は、「教育」という広い意味では必須なのですが、こちらは個々の教師や塾の目指すところによって大きく変わります。生徒の将来につながる力という視点では、もちろん思考力もつけたほうが良いに決まっていますが、「それにかかる労力や時間が果たして成果に見合うのかどうか(成績が犠牲になるようならば、それはそれで問題です)」、そして「自分の力量で教えきれるのかどうか(教師の力量次第)」「それ以外につけるべき力は無いのか(数学以外で思考力をつけても良ければ、思考力以外の力を重視する選択肢もあります)」、「教師がそこまで教えたいと願うかどうか(教師の人間性や教育への想いですね)」が問われてきます。

 基本的に、多くの生徒、保護者は「受験に受かる」「成績を上げる」ことを塾に期待しており、そこまでできれば「役目は果たした」と言えるのが今の世の現状ですよね。そこから先を目指しても特に評価はされないですし、そもそも具体的な評価の方法すらありません。そういった受験に直接必要なこと以外の部分を考えることで、受験に直接必要なことに関しての指導効率が落ちるとしたら、それはそれで責任放棄と言えなくもありません。

 「受験に受かる力は絶対につける」という前提さえ満たすならば、後はもう教師や塾の「指導方針」「信念」の部分だと思いますし、そこから先は選ぶ側の生徒、保護者が求める教師や塾を選べば良いのだと思います。あくまでも私は「受験以外の力」を志向しますが、世の中には「受験だけ。余計なことはするな」「丸暗記が一番だ」と考えるようなご家庭もあると思いますしね(笑)

 

 

 とりあえず、中学生の教師や講師に限って言うならば、「高校(または他の進路)に進んでも困らない力」では無いでしょうか。

 個人的に理想の目標としているのは、自分と同レベル、または自分以上のレベルの思考力(と言うか頭の良さ全般)です。頭の良さと言っても幅広いため一概には言えないのですが、とりあえず「受験勉強」に限定するなら、私よりも絶対に上になってもらいたいですね。

 子がいつか親を超えていかねばならないように、生徒はいつか教師を超えていくべきものだと思います。教師はいつまでも崇められるような存在ではなく、(少なくとも勉強については)超えていかれるべき存在であり、それを後押しすることこそが教師の役目であり本分であると思っています。


~続きの記事~
 「中学3年生だと皆が頑張るので伸びにくい?」に進む

 

 

 

◆ ご利用方法 ◆
【 メールで学ぶ 】
 「楠木塾 メール会員のご案内」
  メールセミナーや教育相談など各種無料特典が満載です。
  匿名でお気軽にご利用くださいませ。

 ~無料メールセミナーの例~
  ◇ 反抗期の対応法 ~中学生の親の心得~
  ◇ 成績アップの扉を開くミニセミナー
   ※配信セミナーは時期により異なります。


【 ブログで学ぶ 】
 「ブログの歩き方」
  重要記事を手軽に学べるブログ内ツアーや、
  過去の人気記事ランキングをご用意しています。
  疑問の点は、よくあるご質問をご覧くださいませ。


【 楠木塾 正会員 】

  上記は全て無料でご利用いただけます。
  公開に適さない内容については、
  「楠木塾 正会員」にてお届けしています。
 

 


フォローしてね