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かなり切実ですね・・・。
家庭教師をつける効果
まず、家庭教師の効果ですが、これは本当にピンからキリまでです。
1対1で教えることができるため、 本当に力のある先生なら、ほぼ確実に成績を上げることができます。しかし、プロはそのぶん費用も高くなります。プロ家庭教師の時給が5,000円以上することは当たり前ですよね。都心部の難関私立中学や難関大学志望だと、1万円以上も普通に見かけます。
ところで、現役の医学生などが家庭教師をすると、普通の家庭教師よりもかなり高額になります。個人差が大きいのですが、ほぼ未経験のバイト講師で時給3-4000円からスタートですから、これに仲介業者の紹介料や経験による時給アップ分を上乗せすると、保護者が支払う額はかなりの高額になっていきます。
しかし、残念ながら、「医学生=教え方がうまい」ということは全然ありません。医学部を目指す生徒は天才肌が多く、他の生徒と次元の違う賢さがあるため、そういう意味では同じ医学部を目指す人間を医学部の人間が教えるのは、頭の使い方や思考形態、価値観などが似ているなどの共通点が多くて良いです。しかし、違う性質の学生では、はっきり合わないこともよく起こります。
(医学生に限らず、それ以前に全く指導に向かないタイプの学生講師もいますから、そういうのは論外ですよ)
例えば、今は勉強が全くできないような高校生が「そこそこの大学」を目指す場合であれば、そういうレベルの高い生徒よりも、志望校と同じくらいの学生に聞いたほうが「当たり」の可能性は高いです。いくら素晴らしいことを言ってくれていても、「家庭教師の話す内容が高度すぎて理解出来ない・・・」状態では意味が無いですからね(笑)
そして、前にも書いたように、中学生相手となると、また状況が大きく変わってきます。基本的に中学生の家庭教師には、大学生は向きません。たまに教え方のうまい学生もいますが、確率は本当に低いですね。
家庭教師には2つのタイプがある
では、なぜそれなのに、学生バイトの家庭教師や個別教師が成立してしまうのでしょうか?
この理由こそが、以前にも書いた「家庭教師には2つのタイプがある」の話です。
2つのタイプとは、「自分で方針を決めて意図的に成績を上げていく」ような家庭教師と、親や派遣会社の「指定した問題を解かせて、分からないところの解説だけをする」ような家庭教師ですね。
相手が中学生の場合は、家庭教師(と、個別指導講師)のほとんどが後者のタイプで、そのほとんどが学生バイト講師です。そうした塾では、そもそも「生徒の根本的な学力を底上げすること」が目的ではなく、「とりあえず目の前のワークや問題集が分かるようにすること」が目的なのですね。
自分の得意教科に限って、中学生の問題を説明するだけなら素人でもできますよね?(笑)
範囲が決まっているため、生徒から急に質問されてもそれなりに対応できますし、定期テストや単元テストなど短期的なテストなら、やってさえいればそれなりに結果が出ます。
しかし、入試や根本的な学力という意味では効果が薄く、生徒の頑張り次第となります。
(そして、大抵の生徒は、与えられた以上には頑張りません)
高校受験と大学受験でも家庭教師の選び方が変わる
大学入試と高校入試における決定的な違いの1つが、「教科選択の余地が無い」ことです。
高校生は、苦手な教科を「捨てる」という技がありますし、文系・理系という名の逃げ道(笑)もあります。それに、大学によって、試験実施科目や難易度、問題傾向が大きく異なります。そのため、どの教科を中心に時間とエネルギーを使うかなど、受験戦略がとても大きな意味を持ちます。
一方、中学生は絶対に5教科全て必要ですし、増やすことも減らすこともできません。公立入試の難易度は県内統一ですし、私立を含めても、問題傾向の違いは大学と比べれば多寡が知れています。受験戦略よりも、苦手教科の克服などの正攻法が大きな意味を持ちます。
そして、中学生のほうが5教科のバランスが重要なため、専科で教える必要性が薄いです。入試の難易度が同じなのですから、1つの教科が飛び抜けてできても、こと受験だけを見るとあまりメリットが無いのですね。(受験だけと書いたのは、実社会では飛び抜けた力を持った人材のほうが求められるようになってきているからですね)
それなのに、中学校の先生も、塾の先生も、家庭教師や個別の先生も、ほとんどが専科で教えます。英語の宿題を増やしたことで、数学の勉強をする時間が無くなったとしても、そんなことにはお構いなしです。無駄に難しい発展内容や、趣味としか言えないマニアックな内容を教え、自己満足している勘違い教師もいます(苦笑)
高校であれば、それが入試に役立つ場面も起こり得ますが、中学では入試にほとんど役立ちません。しかも、それが人生でも役に立たないくだらない内容だとしたら・・・生徒が不幸ですよね。
大きく話がずれましたね。
要するに、こういった高校入試と大学入試の違いを知った上で、高校入試に合わせて教えている人ならばともかく、大学入試と同じノリで教えている人では、成績が上がらなくても当然なのです。
つけているのがプロ家庭教師なのか、解説するだけの普通の家庭教師なのか、それとも単なるバイト講師なのか。もし後ろの2つであれば、思うように上がらなくても当然です。厳しい言い方をすると、選んだ時点でもともとそういうものである以上、上がらなくてもしかたないのですね。
家庭教師に求められる力量
なお、家庭教師の力量は「その場でうまく教えられるか」だけでは不十分です。それだけならば、安い授業料で大丈夫な学生バイト講師でもできますからね。「生徒の信頼」を得た上で、「家庭学習量」を増やし、「モチベーションを上げる」ことができるかどうかが最大の勝負です。
週に1-2時間、問題を解説しただけで、単元テストや定期テストならばともかく、入試の力や根本的な成績が上がるはずが無いですよね。教えていない時間にいかに勉強させるか、そのためにいかに信頼関係を築いた上でモチベーションを上げていくかにかかっています。
家庭学習量やモチベーションについて「どういう方針で行っていますか?」と聞いてみてください。すらすらと答えが返ってくれば大丈夫ですが、「え?」という反応をしたり、まともに言えないようでは期待薄です。
しかし、それで家庭教師を恨んではいけませんよ。本来は、最初にこういう打ち合わせをした上でお願いするべきなのですから。
塾も家庭教師も、月に何万円も払うわけです。
今だと月に2万円ではとてもききませんが、仮にそれで1年間通ったら、他の諸経費を一切なしでも24万円です。
電気料金が月に2万円も増えたら、どうしてなのか詳しく問いただしますよね?
20万円もする洋服を買うとなったら、しっかり吟味し、事前に試着した上で買いますよね?
高い買い物をする以上、どちらも当然のことです。
それが、なぜか塾や家庭教師となると簡単に考える人が多いのが不思議です。
体験授業も同じです。
何万円もする洋服を「試着して、サイズが合いさえすれば買う」と考える人は、あまりいません。他の類似商品と比較して、何ならいくつか試着して、持っている他の服とのコーディネートを考えて、その上で買いますよね。試着が合うかどうかは最後の確認なのですから。
それなのに、いきなり体験授業を申し込んで、そのままセールストークと雰囲気に負けて入会・・・という人が多いです。それでは失敗しても当たり前です。
復興のために消費を増やすのは良いことですが、効果の上がらないものに使うのは馬鹿げていると思います。
ぜひ納得のいく品質のものを、ほど良い価格で見つける、賢い消費者になってくださいね。
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