学校の成績が下がり、塾の成績が上がっている。転塾すべきかどうか? | 中学生の勉強法と親の心得 ~塾長直伝! 高校受験対策と反抗期の対応法~

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専用フォームからいただいた、もみじ様への御返事です。
お待たせいたしました。
 



初めまして。いつもブログを拝読して参考にさせていただいております。ありがとうございます。
公立中学一年の息子について相談させていただきたく、よろしくお願いいたします。一番の問題は転塾すべきかどうかです。

小学校時代はきちんと家庭学習する習慣をつけないまま過ぎてしまい、6年の冬休みから、この辺りでは大手の進学塾に週2回通い始めました。塾主催の公開テストでの偏差値は、入塾当初は40(算・国)というありさまでしたが、その後は隔月に実施される試験(中学入学後は英数国理の4科目ですが受講は英数のみ)で45前後へ、そして直近の11月には50近くまで上がってきて、少しずつ勉強習慣も学力もついてきたように思います。
この塾は比較的上位高校を狙う生徒向きと言われていて、母集団の平均的レベルが高く、最終的に5科偏差値55以上になると学区のトップ高受験が視野に入るようです。息子は二番手校(偏差値52-3)を希望しています。塾では1学期に1回面談があって、家庭学習のアドバイスもいただいています。それで、受講していない教科についてはそれぞれ教科書準拠の問題集を購入して、授業のあった日に該当部分の問題をやって復習するということも1か月くらい前から始めました。

しかし肝心の学校の成績は、一学期中間テストで5教科合計401点を最高に右肩下がりで、二学期期末は350点でした。しかも塾で受講している英数が65-70で一番悪い点数でした。学年平均はまだ発表されていないのですが、科目ごとの平均点から想像するに300点くらいのようです。

せっかく塾に行ってるのに学校の成績がこの時点で右肩下がりというのは非常に心配で、本人も今回は試験の2週間前から計画を立てて勉強していただけに、かなり落ち込んでいます。とてもまじめで素直な性格です。

塾は学校よりも進度が速く、学校の定期試験範囲の内容は塾ではずいぶん前に終わっているようです。試験前になると試験対策期間が設けられているのですが、結局は自習時間のようなもので、試験勉強していてわからないところを先生に質問できる、言い換えれば質問しなければ何も教えてもらえないということになってしまいます。塾は一クラス20人以上いるので、そんなに一人一人の苦手部分を強化するために対応することも難しいように思います。

私も息子もまずは学校の成績を上げたいと考えていて、この塾にこのまま通っていてよいものか疑問を感じ始めています。何か、学校の勉強と塾の勉強が乖離してしまってるように感じるのです。
学校の進度に応じた復習と十分定着するまでをフォローしてくれるような、できれば少人数の塾が合っているのかなぁと思いつつ、それがどこの塾なのか思いつかないというのもありますが、偏差値が上がってきてるのに辞めるのはもったいないのかと思ったり。これからどのように考えればよいか、何かヒントをいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いします。

 

 



学校の成績が下がってはいるものの、塾内偏差値は上がっているわけですよね。しかも平均レベルが高い塾で偏差値が上がっていて、学習習慣もついてきたとのこと。学期ごとに面談があるのはかなり丁寧ですし、家庭学習のアドバイスももらえるというのはありがたいですね。

そういった状況であれば、塾に感謝こそすれ辞める必要は無いのではないでしょうか?


・・・などと、普通の人なら書くかもしれませんね(笑)

とりあえず上記のように、塾の面倒見は悪くはないことを先に言っておきます。

 

 

さて、残念ながら指導力にはかなり大きなクエスチョンマークがつきますね。よりによって受講している教科だけが、しかも両方そろって点数が低いなど、あってはならないことです。さらにそれが小学校から通っている生徒の英語の成績となると尚更ですね。

とりあえず、ここで今の塾の細かい問題点を指摘するのはやめておきます。すでにお気づきの点も多いようですし、読んでいて正直なところ、ほぼ心の中では「転塾」を決めていて、最後の背中の一押しがほしいのではないかという印象です。

ですから、あえて逆の意見を先に書いて、ゆさぶってみたわけですね(笑)


おそらく一番引っかかっているのは、塾内偏差値のことでしょう。ですから、その点について詳しく書いておきます。

まず結論から言うと、塾内テストや塾内偏差値というものは、あまり参考にはしないでください。

 

 

もともと塾とは「学校の成績を上げる」か、「実力テストや入試の得点を上げる」のが最大の目的です。塾内のテストが良かろうが、塾内で何位にいようが、そんなものは何の意味もありません。

もちろん「塾でこのくらいの成績だと、○○高校に入れる」というようなおおよその目安は成り立ちますし、私もそういった話をするのですが、これが本当に意味をなすのは「中3」になってからです。今の時点で偏差値がどれだけ良かろうと(悪かろうと)、多くの生徒は中1後半から中2にかけて大きく順位変動するのですから、あまり意味がありません。

それに、塾内偏差値そのものが実は怪しい数字のこともあります。例えば「今の偏差値が高くても、受験が近づくに連れてレベルの高い生徒が入塾すると、同じ成績なのに偏差値と順位はみるみる下がる」などの事態も起こります。それに、塾内テストは自由に難易度調節ができるので、入塾前と後で難易度を変えて、あたかも成績が上がったように見せかけることも可能です。それに、例えばそのテストが月ごとに行われるような範囲の狭いテストであれば、必ずしも生徒の本当の力を表しているわけではなく、単に「真面目にコツコツ頑張る生徒が上がりやすい」だけのテストになっていることも多いです。さらに上記以外の手段も駆使した上で、「学校は下がっているけど、塾では上がっている」という類の言い訳に使うために塾内テストを実施しているようなひどい塾も中にはあります。

もちろんお通いの塾はそうではないと思いますが、塾内テストの成績があまり意味の無いことは、どこの塾でも大差ありません。

本来、塾が定期的に行うテストとは、あくまでも「今後の指導」に活かすものであって、「判定」ではなく「診断」のために使うものです。学校の成績を判定する「定期テスト」や、受験の成否を決める「入試」、そしてその合否可能性を判定する「模試」なら意味はありますが、それらで良い点をとるために行なっているはずのその他のテストが良くても大した意味は無いのですね。

 

 

なお、学校と塾の指導が乖離するのは、大きな塾ほど普通に起こることです。前にも書きましたが、大手塾はもともと「生徒合わせる」のではなく、「生徒合わせる」システムです。マイペースでのんびりの生徒や、処理スピードの遅い生徒、真面目でコツコツだけどゆっくりな生徒などは、合わないことが多いです。

それに、もともと上位の生徒が対象の大手塾は、大した指導力が無くても「もともと成績の良い生徒」が集まって合格実績を伸ばしているだけのことが多いのが業界の裏常識(笑)で、そういう塾ほど学校と乖離した指導を平気でやるものです。何しろ集まる生徒が優秀ですから、それでも十分ついてこれますし、逆に丁寧すぎる指導だと一番大事な優秀な生徒に飽きられてしまうのもあります。

もちろん、そういう環境で揉まれて伸びる生徒、伸ばす指導法もあるのですが、残念ながら中1の二学期程度で英数・・・特に英語がガタ落ちしているようですと、そういう環境を生かして生徒を伸ばす指導力があるとはあまり思えませんし、生徒にもあまり合っていないような感じがします。


というわけで、おそらく「背中を押す」内容になっていると思いますが、いかがでしょうか?(笑)

本来中1ですと、塾を変えるかどうかよりも、生徒の姿勢や勉強法のほうが問題のことが多いのですが、今回の場合は自分だけで勉強した教科のほうが成績が良かったくらいですからね。「変えて上がる」かは変わった先の塾次第ですが、少なくとも「変えて下がる」ことは無さそうに思えます。

良い塾と巡り合えるよう祈っております。

 

 

 

 

 

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