ステューディオ2アーキテクツ MEMO 2025 -8ページ目

ハナレという住まい方

S邸アネックス


以前設計監理した二世帯住宅南側の車庫を解体し、ハナレを計画中です。


敷地の隙間にすべり込ませるから、奥行15メートルに対して幅は2.5メートルしかありません!


母屋のリビング(人が立っている場所)からの視界が閉じないように、2階部分が東西に分かれています。


つまり、寝床にあがる階段が別々にあって、


ひとつはダイニング上空の三角の高天井のスペースに浮かぶ寝床。


もうひとつは、東の窓先に、空に向かって上り坂になっているルーフデッキが伸びている寝床。


都市の限られた敷地の中で、いかにハナレているのかが大切な視点です。


section


前回のブログのハナレ小島に泳いでみる感覚と、ハナレに住まう感覚は、近い気がします。


つかず離れず、気配は伝え合いながら、まったく別の場であるという感覚。





姥島とはつまり烏帽子岩のこと


モンサンミシェルやベネチア、厳島や竹生島、二見ヶ浦の夫婦岩、さらには竜安寺の石庭まで、陸のすぐ近くにありながら陸から切り離された小島や岩礁といった地勢は、太古の昔から神聖な場として、見立てられ、しつらえられてきたわけです。


男子たるものエボシに泳いで渡らねばならぬ、というのが神奈川に伝わるしきたり。


なんてことは無いと思いますが、そんな地形の魅力に駆り立てられるように、いつか烏帽子岩まで泳いでみたいと思っていました。


今日は、波がかなりうねっていて岩礁には登れなかったのですが、梅雨にかかわらず、晴れ上がった空の下、心地良いイニシエーションの休日となりました。

AAスクールのこと

AAeventlist


ロンドンの大学院時代の友人が、古い資料から見つけた僕と菱谷の作品のイメージをフェイスブックに添付して送ってくれました。


AAスクールは学内イベントの週間パンフレットが発行されていて、目当ての展示やレクチャーがあると、内外から多くの建築関係者が訪れます。


国内外の著名な建築家や思想家のイブニングレクチャーやエキジビションが、ひっきりなしに催されていて、ロンドンの中心にあるAAスクールならではの、アカデミックでありながらカジュアルで、親しみのある雰囲気があります。


レクチャーホールでは名作の上映会というのもあって、2階のバーで買ったビールを飲みながら、わいわいと楽しんだりします。特に想い出深いのはデビッド・リンチの「イレイザーヘッド」(笑)


カバーはイベントの宣伝イメージであることもあれば、この時のように国際コンペで賞をとったイメージが使われたりして、その週は、ちょっとした有名人になった気分を味わえました。


それにしてもあれから18年も経ってしまったことが一番の驚きです。

玄関タイガース

Tigers


トラキチ女子から息子へのプレゼント。


なにか玄関が殺風景だと思っていたけれど、


あじさいじゃなくて、これだったのか?


つい最近仕事で風水に関わる機会があって気づいたんですが


玄関に黄色い虎は運気アップ間違いなし!

省スペースのフラワーベース

ビニルのフラワーベース


生花を愛でる趣味はないですが、もらったときのために花器は必要です。


フィンランド土産のこの花器は、じつはビニルでできていて、ふだんは、完全フラットなシートなのですが、


水をいれると、水圧で変形し、自立します。


葉っぱを取り除いてアレンジすれば、アジサイもまあみられるかな。。。


というより花器がいらないときに邪魔でないことのほうがうれしい(笑)



「セッション」と「バードマン」

仕事のスケジュール変更で、週中日に、話題の「セッション」と「バードマン」を続けざまに見ました。

「セッション」はストレートに、「バードマン」はめちゃくちゃ濃い~のですが、それぞれストイックに針が振り切れていて、好対照ながら、とっても面白かったです。


「バードマン」は、カット割を一切なくして、シンプルにひとつながりにつなげていくことと、さらに、現実と妄想の境目もなくしてまぜこぜにすることで、いろんな出来事や記憶の新しい関係性のようなものを作り出しているように感じました。


縦横無尽なアイデアやプロットに感心しながら、ブロードウェイの劇場の内外を巡る連続的なカメラの視点を追ううち、キートン演じるバードマンの妄想に惹き込まれていきました。


たまには、事務所を抜け出して、見るべきものを見に行かねばならないと感じた、ゴールデンウィーク明けの平日、なのでした。 でも、けっこういますよ~(笑)


ドラム


因みに、どちらもドラムをたたきたくなる映画ですが、写真の土間に置かれた電子ドラムは、もちろん僕ではなくて、建て主さんのものです。

隣家の緑を借景する

隣家のご夫婦はセンスよくまめに庭木の手入れをされています。


こういってはなんですが、母の庭でなく、こちらを借景にして窓をつけたのは、正解。


5月は美しく剪定されたつつじの花を楽しみました。


隣家のプライバシーを考えて、道路際の植栽だけ、半地下のアトリエから見上げるようにしています。


お金の多寡ではなく、というかタダなんですが!臨機応変の判断が、場の心地よさを生むのだと思います。


借景





西馬込の敷地

住まいに不向きな環境と言えるかもしれないとしても、そこに住まないといけないなら、可能性を追求して、ふつうの住宅地以上に楽しく住まえるアイデアをひねり出してみようというのが、プロの姿勢であります。


この敷地、中途半端な法規制のせいで、隣地には中高層がそびえ立ち、外壁に窓を設けることもできませんし、前面道路の正面には、5階建てマンションの裏廊下が面していて、プライバシーもまったくありません。


そんなわけで、写真の断面模型では、コンパクトな3階建てにして、最上部に光庭テラスを設け、天空から、光と風をとりいれる構造を検討してみました。


軟弱地盤の対策に想像以上のお金がかかると心配されていたようですが、地盤データを拝見しますと、少し地盤から掘り下げ、ベタ基礎にして力を分散させれば、十分な地耐力があることもわかりました。


震災以降、巷の工事を見ていると、なんでもかんでも、地盤改良している感がありますね。


つまり、地盤改良業者と建売業者と保険業者がセットで、安心を売りにしているわけですが、本当は、なんでも穴を掘って改良すればいいというものではありません。


よさげなローム層がでていても、闇雲にセメントや砕石を流し込んでいる近隣の現場などみていると、とりあえず薬出しとく医者のようで、暗澹たる気分になったりします。


西馬込の住宅




パイプカットの続き

棚のパイプカットの全身筋肉痛が治まって、アネックス(打合せ小屋)の模様替再開!


PCカウンター用にカットしたランバーコア合板の小口を仕上げ、ウレタンクリアつやけし塗装3回。


さらに、板を載せる台座(重量なんと20キロ!)を、立川まで行って買い戻り、準備完了。


パイプカットしたのは、既製品のプリンターラックの棚柱で、下のワゴン部分だけ残して、セットしたカウンターの下に収めたのでした。


かつてはありがたかったレーザープリンターも、いまや目に入るだけで、残念なかんじがします。


なぜだろう?


高画質のプリントができるのは、素晴らしいのだけれど、OA機器やスチールの事務机って、あるだけで会社の営業所とか、職員室みたいな雰囲気が出てしまうんです。


つまり、デザインの現場には似合わないのですね。


スモールスペースを、心地良く、刺激的な場にするためには、できるだけテーブルより上に、余計なものがないように、レイアウトすることが、わりと大事です。


模様替え


蓋の開け閉めがあるスキャナーだけは御愛嬌で。。。

実施設計完了したら

間取りや設備の打ち合わせを終えてから、詳細な図面に発展させていく実施設計は、後戻りできないという意味でも、毎晩深夜まで肉体的にも、ハードな作業になります。

つまり実施設計の終盤ひと月ほど、図面のなかに棲んでいるような感じになるのですが、いよいよ締切前になると、ここから出たら(図面提出したら)あれこれやろうと画策したりしています。

さて、週明け、工務店に図面を出して、まずやったのは、事務所の棚の鉄の支柱カット(笑)

手元にあった鉄ノコで勝負に挑みました。

切断方向に力をいれないで、リズムを整えながら前後に腕を振ること1時間。

4本のパイプカットに成功!

これ、肉厚1.5ミリはあります。

鉄を切る

「どうしてグラインダー(電動工具)を使わないのか?」

「からだで鉄を感じたかったから」

とはいえ、翌日には全身筋肉痛に襲われ。。。