ハナレという住まい方
以前設計監理した二世帯住宅南側の車庫を解体し、ハナレを計画中です。
敷地の隙間にすべり込ませるから、奥行15メートルに対して幅は2.5メートルしかありません!
母屋のリビング(人が立っている場所)からの視界が閉じないように、2階部分が東西に分かれています。
つまり、寝床にあがる階段が別々にあって、
ひとつはダイニング上空の三角の高天井のスペースに浮かぶ寝床。
もうひとつは、東の窓先に、空に向かって上り坂になっているルーフデッキが伸びている寝床。
都市の限られた敷地の中で、いかにハナレているのかが大切な視点です。
前回のブログのハナレ小島に泳いでみる感覚と、ハナレに住まう感覚は、近い気がします。
つかず離れず、気配は伝え合いながら、まったく別の場であるという感覚。
AAスクールのこと
ロンドンの大学院時代の友人が、古い資料から見つけた僕と菱谷の作品のイメージをフェイスブックに添付して送ってくれました。
AAスクールは学内イベントの週間パンフレットが発行されていて、目当ての展示やレクチャーがあると、内外から多くの建築関係者が訪れます。
国内外の著名な建築家や思想家のイブニングレクチャーやエキジビションが、ひっきりなしに催されていて、ロンドンの中心にあるAAスクールならではの、アカデミックでありながらカジュアルで、親しみのある雰囲気があります。
レクチャーホールでは名作の上映会というのもあって、2階のバーで買ったビールを飲みながら、わいわいと楽しんだりします。特に想い出深いのはデビッド・リンチの「イレイザーヘッド」(笑)
カバーはイベントの宣伝イメージであることもあれば、この時のように国際コンペで賞をとったイメージが使われたりして、その週は、ちょっとした有名人になった気分を味わえました。
それにしてもあれから18年も経ってしまったことが一番の驚きです。
「セッション」と「バードマン」
「セッション」はストレートに、「バードマン」はめちゃくちゃ濃い~のですが、それぞれストイックに針が振り切れていて、好対照ながら、とっても面白かったです。
「バードマン」は、カット割を一切なくして、シンプルにひとつながりにつなげていくことと、さらに、現実と妄想の境目もなくしてまぜこぜにすることで、いろんな出来事や記憶の新しい関係性のようなものを作り出しているように感じました。
縦横無尽なアイデアやプロットに感心しながら、ブロードウェイの劇場の内外を巡る連続的なカメラの視点を追ううち、キートン演じるバードマンの妄想に惹き込まれていきました。
たまには、事務所を抜け出して、見るべきものを見に行かねばならないと感じた、ゴールデンウィーク明けの平日、なのでした。 でも、けっこういますよ~(笑)
西馬込の敷地
住まいに不向きな環境と言えるかもしれないとしても、そこに住まないといけないなら、可能性を追求して、ふつうの住宅地以上に楽しく住まえるアイデアをひねり出してみようというのが、プロの姿勢であります。
この敷地、中途半端な法規制のせいで、隣地には中高層がそびえ立ち、外壁に窓を設けることもできませんし、前面道路の正面には、5階建てマンションの裏廊下が面していて、プライバシーもまったくありません。
そんなわけで、写真の断面模型では、コンパクトな3階建てにして、最上部に光庭テラスを設け、天空から、光と風をとりいれる構造を検討してみました。
軟弱地盤の対策に想像以上のお金がかかると心配されていたようですが、地盤データを拝見しますと、少し地盤から掘り下げ、ベタ基礎にして力を分散させれば、十分な地耐力があることもわかりました。
震災以降、巷の工事を見ていると、なんでもかんでも、地盤改良している感がありますね。
つまり、地盤改良業者と建売業者と保険業者がセットで、安心を売りにしているわけですが、本当は、なんでも穴を掘って改良すればいいというものではありません。
よさげなローム層がでていても、闇雲にセメントや砕石を流し込んでいる近隣の現場などみていると、とりあえず薬出しとく医者のようで、暗澹たる気分になったりします。
パイプカットの続き
棚のパイプカットの全身筋肉痛が治まって、アネックス(打合せ小屋)の模様替再開!
PCカウンター用にカットしたランバーコア合板の小口を仕上げ、ウレタンクリアつやけし塗装3回。
さらに、板を載せる台座(重量なんと20キロ!)を、立川まで行って買い戻り、準備完了。
パイプカットしたのは、既製品のプリンターラックの棚柱で、下のワゴン部分だけ残して、セットしたカウンターの下に収めたのでした。
かつてはありがたかったレーザープリンターも、いまや目に入るだけで、残念なかんじがします。
なぜだろう?
高画質のプリントができるのは、素晴らしいのだけれど、OA機器やスチールの事務机って、あるだけで会社の営業所とか、職員室みたいな雰囲気が出てしまうんです。
つまり、デザインの現場には似合わないのですね。
スモールスペースを、心地良く、刺激的な場にするためには、できるだけテーブルより上に、余計なものがないように、レイアウトすることが、わりと大事です。
蓋の開け閉めがあるスキャナーだけは御愛嬌で。。。










