こんなマイナーなブログですが、
両生類の公式ハッシュダグで30位にしていだだきました。
皆様のアクセス、
いつも大変ありがとうございます。
さて、
今日はよく勘違いされる
「ウシガエル」との違いとそれに関連したよくある勘違いについて。
アフウシは見た目のインパクトが強い種で、最近メディア露出機会も増えました。
飼育に挑戦される方も増え、SNSでの情報発信も多いです。
しかし、普通の人がアフリカウシガエルと聞いてコメントする内容が以下。
田んぼの王者「ウシガエル」との混同がSNS上で散見されます。
「"食用ガエル"なんだよね、昭和くらいまではよく食べてた」
「"特定外来生物"だから飼育できないんだよ」
「"逃げた個体が帰化"し日本の生態系にダメージを与えているよ」
アフウシが悪者と勘違いされ、風評被害を流布されては困ります。
まず、前提として中華料理屋さんで
唐揚げになってる食用ガエル≒ウシガエルと、アフウシは別の生き物です!
どちらもトノサマガエルと同じ
アカガエル科ですが、
「ウシガエル」はアメリカの温帯域に生息しています。
日本と環境が似ているんですね。
成長も速く味も悪くないので、
食材として持ち込まれました。
小型生物を雑多に食べる大型カエルです。
日本に持ち込んだ当初は完全に管理できていたのかもですが、いつしか自然界へ脱走されてしまいました…
アメリカの現地では、更にワニガメや巨大魚等多彩な猛者がいて、ウシガエル自身も食べられる側です。
一方で日本だとウシガエルはもっと上位寄りの捕食者となります。
そのため、一旦放たれてしまうと食物連鎖のバランスが大きく
崩れてしまいました。
あまりに猛威を奮ったことで政府から"特定外来生物"とされ、
飼育が禁じられてしまいました。
「生きている状態で移動させること」すらもアウトで、捕まえてしまったらもう殺すしかありません。
一方でアフリカウシガエルは、
乾季と雨季のあるサバンナで
ライオン等と暮らしています。
日本とは全く異なりますね。
確かにナミビアなど一部の国では重要な食資源(ちなみに足だけでなく丸々食べるらしい)ですが、
少なくとも日本では食べられていないはずです。
カエルとしての食性はウシガエルと似ており、仮に日本に定着できたとしたら同等の損害を生態系へ与えると思いますが、
恐らくアフウシは
日本の冬を越せないと思います。
実際今のところ日本に適応したという話は聞いていません。
…以上の差があり、アフリカウシガエルはそもそもウシガエルとは違う種類のカエルなので、ペットとして飼育が認められているんですね。
似ているけど別の生き物です。
身近にアフウシとウシガエルを混同している人がいたら、ぜひ訂正してあげてください!
最後に、
私見として国内では定着できないだろうと述べましたが、それは
飼えなくなったペットを逃しても良い理由にはなり得ません。
アフウシに限らず、です。
飼育者が増えると、無責任に逃がす人間がごく僅かながら増えるのもまた事実です。
たとえ繁殖できなくても、越冬できなくても、逃げたアフウシは活動できるギリギリまで近くの生物を捕食し続けます。凄い勢いで。
2kg近くになり噛まれると大怪我に繋がりかねないカエルです。
飼育される場合はくれぐれも冷静な判断で挑戦してください。
安易に逃がすと、アフウシの飼育そのものも禁止される可能性があります。
なんか刺々しい話になっちゃいましたが今回の件に、関連して
アフリカでのカエル食文化について調べました。こちらもとても興味深かったので、いずれ取り上げようと思います。
アフウシはいいぞ!