ストーリー短歌 -8ページ目
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小間使い(2)


ち ちらちらと盗み見をして探り入れ 奥様今日はお出かけと知り

り リボンつけエプロン掛けて愛らしく 誘惑をする視線はどこに

ぬ 脱がされて上げる嬌声かしましく 首に絡めてまとわりながら

る ルーフから覗き見をする男の子 ママに言おうかパパ脅そうか

を 踊り子になるのが夢と小間使い パパの寝床で甘く囁く

わ 我儘な娘だけれど魅惑的 旦那様には天使に見える

か 可憐さを売りにのさばる小間使い その大胆さ日に日を追って

小間使い(1)




い いとけなき瞳で媚びる小間使い 生まれながらに備えた姿態

ろ ロックした扉細目にそれとなく 開けて今宵も誰を待つやら

は 恥掻きの子として親は甘やかし 望むものみな手に入れさせて

に 逃げ出して田舎を捨てて住み込んだ 家で我儘手に負えぬほど

ほ 褒められたことではないがこっそりと 旦那様には色目を使い

へ 辟易し奥様もはやおかんむり 叩き出そうと内輪揉めして

と 取り入ってうんと言わせぬ凄腕は 生まれながらの巧みの技や

猫は知っていた(8)


ゑ 襟首に顔を擦って甘えつつ 同盟軍のつもりになって

ひ 暇だから遊んでくれたようだけど なついてみせる少しずつでも

も もう山は越えたところさじっくりと 様子見ながら楽しい暮らし

せ 餞別をあの家政婦に贈る日が きっと来るだろその日を待って

す スリルある暮らしがどこか楽しくて やみつきになる次は何かな

猫は知っていた(7)


あ 飴と鞭使い分けてる家政婦に 騙されまいと苦労の日々だ

さ されるまま黙っていてもつまらない チクってやるぞいつか見ていろ

き きらきらと光るドレスを脱ぎ捨てた 奥様にちと媚を売ろうか

ゆ ゆっくりと爪を隠して胸の中 猫なで声で甘えてみよう

め めずらしく首を撫でられいい気持ち ふにゃんとなって乳を枕に

み 見上げたねやればできるよ奥様は 頬摺り寄せて抱き締めてきた

し 辛抱も大切だけど作戦を 練って初めて一人前さ

猫は知っていた(6)


け 計画を立てて現場を押さえたら 猫なで声で迫ってやろう

ふ 不思議だよまるで態度が違ったぜ 勘がいいよなこれで安心

こ これからは楽しくやっていけるかな だけど殺られる心配もある

え 悦に入り隙を見せてはまずいなと 気ぜわしいけど我慢だ我慢

て 敵のいる暮らしは命縮めると わかったけれど遅かったかな

猫は知っていた(5)



お 面白い噂話を仕込んだぜ あの家政婦も隅に置けない

く 口止めをせしめてやるかこれからは きっと暮らしも楽になるだろ

や やりすぎてしくじるわけにいかないな ここは作戦上手く練らねば

ま 真面目だと思っていたら驚いた ご主人様に取り入るなんて

猫は知っていた(4)


な 何となく元気なくして戻ったら 黒い服着た怪しい男

ら ラッキーだここで一発点稼ぎ ご主人様に知らせておこう

む むっつりと口を結んだご主人に 鳴いて知らせる怪しい気配

う うるさいと叱られたけど気配知り 頭撫でられやったぜベービー

ゐ 居間にあるソファの下が好きなんだ スリッパかじり大忙しさ

の のんびりと遊んでいたら家政婦の 金切り声だああうるさいな

猫は知っていた(3)


よ 世の中は甘くないんだまったくな 愛されたいよ真心込めて

た たっぷりとつけた香水むせ返る つけてみようか奥様の跡

れ レスリングやってるみたい驚いた くんずほぐれつ激し過ぎるぜ

そ その相手お決まりだけどかっこいい テニスのコーチよだれが出るよ

つ 次々と相手を代えているのかな いいご身分さかないやしない

ね 猫なでの声がほんとに上手いんだ おれもあんなに上手くはできぬ

猫は知っていた(2)



ち ちっぽけな望みだけれどおれだって 恋もしたいし女も欲しい

り 理解あるご主人様に恵まれた 君を羨む隣の芝生

ぬ 脱ぎ捨てた下着が散ってだらしない 困ったもんだあの奥様は

る 留守がちな家で手強い家政婦が 苦手なんだなきびしい躾

を 女だと侮ったのが大間違い 時には飯も食わせてくれぬ

わ 詫び入れて今はどうにかしているが 家出願望こいつのせいだ

か かっこよく生きてみたいぜどうせなら お天道様はどこにもあると

猫は知っていた(1)


い 慇懃に客をもてなすご主人は どうしておれに冷たいのだろ

ろ 碌でない噂たえない奥様は 猫なで声でおれの真似する

は 破廉恥と夫に迫るすごい顔 裏と表が違っているな

に 逃げたくて何度家出をしたことか 野良猫暮らし身につかなくて

ほ 本当はご主人様は悪い奴 闇金融であこぎに稼ぐ

へ へべれけに酔って奥様ご帰館だ どこで出したの猫なで声を

と とりあえず甘えてみるか奥様に 酔って気前のよいこの時に

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