認知機能の改善に向けた画期的なプロジェクトが、3月26日(水)、山形グランドホテルにて発表された。


「東北から世界へ。CATVモデルで認知症に立ち向かう!」と題した記者会見は、塩野義製薬とピクシーダストテクノロジーズと東北ケーブルテレビネットワークの3社により行われた。




このプロジェクトは、ピクシーダストテクノロジーズと塩野義製薬が開発した、認知機能をケアできる可能性がある「ガンマ波サウンド」を、東北ケーブルテレビネットワークの加盟CATV局10局が放送することにより、東北地区の新しい健康習慣を提案・展開するプロジェクトである。


記者会見場には、塩野義製薬の三春洋介執行役員、ピクシーダストテクノロジーズの藤森智彦ディレクター、東北ケーブルテレビネットワークからは社長の自分と専務の阿部新一岩手ケーブルテレビジョン社長が揃って参加する。


本来であれば、ピクシーダストテクノロジーズの村上泰一郎社長が記者会見に参加する予定であったが、この日、東北新幹線や山形新幹線などが、強風により運休や遅延となった為に間に合わず、急遽、藤森氏の登壇となったのである。


ちなみに、村上社長が山形入りしたのは、出発から12時間後の午後7時過ぎであった。




当日は、11社の報道関係者及びマスコミ各社が集まり、多くの質問が飛び交い、認知症に対する関心の高さが示されたのである。




日本では、高齢化に伴い認知症患者の増加が社会問題になっている。


政府の推計では、2025年には、全国で約730万人が認知症を発症すると予想されており、これは、65歳以上の5人に1人の割合である。


東北の高齢化率は全国でトップであり、2045年には65歳以上の割合は43.7%に達する見込みである。


東北ケーブルテレビネットワークは、東北地区の15社17局で組成しており、今回はその中の10局が先行してこのプロジェクトに参加する。




今回の記者会見で、最も多くの質問をいただいたのは、「プロジェクトの初動機」と「音、サウンド」についてであった。


3社のアライアンスについての思いやプロジェクトの目的については、集まった記者の方も同様の認知症への問題意識を持たれており、認知症の解決策などについての挑戦は、理解、賛同をいただいたと思っている。


また、「ガンマ波サウンド」については、初めて知った方々も多かったのである。




会場では、テレビ番組がデモンストレーションで流され、通常の番組と、ガンマ波サウンドを組み込んだ比較できる同じ番組が流されたのである。


ガンマ波については、これまで、マサチューセッツ工科大学をはじめとする様々な研究機関でエビデンスが取られており、今回のプロジェクトでは、CATVを通じたガンマ波サウンドを利用した社会実装を行い、エビデンスの構築に取り込んでいく予定である。




個人的なことだが、自分の89歳の母親も、一昨年の初夏に認知症を発症し、現在は介護施設でお世話になっている。


あんなに聡明で元気溌剌の母が、あっという間に寝たきりになってしまったのだ。


もっと早く、このガンマ波サウンドと出会いたかったと思うと同時に、その改善に、このプロジェクトが少しでも役に立てばと、希望の光を見出したような気がしている。




「The personal is political」という言葉がある。

個人的なことは政治的なこと。


個人的な経験は、社会的な問題に通じる。


まさに、認知症や介護は、大きな社会問題なのに、誰もが解決し得ない未知の領域であるのだ。


それだけに、医療や薬では対抗できない中で、今回の挑戦は画期的であると思っている。


ガンマ波サウンド…、この希望の音が、人類の大きな課題を改善できれば、東北に在るケーブルテレビ局として、その存在理由の証明になるに違いない。


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