トールポピー戦闘モード ローズＳ（Ｇ２）
秋華賞トライアル「第２６回ローズＳ」（Ｇ２、２１日・阪神、芝千八百メートル）の追い切りが１８日、栗東トレセンで行われた。注目の２強。オークス馬のトールポピーはＣＷコース、桜花賞馬のレジネッタは坂路で、それぞれ女王のプライドを発散させた。これが４度目の顔合わせ。前哨戦から早くも熱い火花が散りそうだ。菊花賞トライアル「第６２回セントライト記念」（Ｇ２、２１日・中山、芝二千二百メートル）に挑むキングスエンブレム、ノットアローン、キングオブカルトらも意欲的に動いた。
胸に秘めた意思を伝えるのは、フィニッシュラインを過ぎてから。そう心に決めていた池添は、まず五感を研ぎ澄ます。そして細心の注意を払い、トールポピーのすべてに耳を傾けていった。「春よりもさらに柔らかくなっている感じです」「体はちょっと大きくなっていますね」「甘い部分がなくなってきました」「以前より、もっといい走り方をするようになっています」。ＣＷコース上でのリハーサル。受け取ったサインは、例外なく成長を示唆するものだった。
先行するインセンティブガイ（オープン）、ビーチパトロール（千万下）の２頭を追走。直線は最内に入り、３馬身以上あった差を軽く埋め、最後まで仕掛けることなく併入へと持ち込んだ。「前の２頭に離され、置かれてしまうかと思いましたが、すぐに追い付いてくれて。ゴール板を過ぎてから仕掛けると、しっかり反応してくれました」。こう池添が振り返ったラップは、５ハロン６８秒０、３８秒５－１１・８。シーズントップとしては、これ以上望めない。とにかくうまく抑えのきいたデモだった。
直線で内に切れ込む形になり、他馬に不利を与えてしまったオークス。あの笑顔なき表彰式から４カ月が過ぎた。「この夏２度、北海道（ノーザンファーム）に見に行った時は、すごくおっとりした優しい目をしていましたが、今はもう戦闘モードに入っています」。そう話した池添は、「乗るのがとても楽しみです」と続けた。あるのは揺るぎない信頼感だけ。樫の女王が、ここで静かに王手をかける。
出典：中日スポーツ
樫の女王トールポピー燃えた１１秒８…ローズＳ追い切り
ローズＳ追い切り（１８日） 秋華賞（１０月１９日、京都）を占う大事な一戦に、Ｇ１馬２騎が万全の態勢を整えた。阪神ＪＦ、オークスを制したトールポピーは１８日、栗東トレセンのＣウッドチップコースで併せ馬。闘志を前面に出して、シャープに伸びた。桜花賞馬レジネッタは、坂路で馬なりながらパワフルな脚さばきを披露。北海道帰りの疲れは全く見せず、むしろ上昇気流に乗っている印象だ。素質馬ダイワスピリットも、スムーズな動きで上々の仕上がりだ。
オークス馬の実力を見せつける態勢が整った。ＣＷコースでトールポピーが鋭い伸び脚を披露した。ビーチパトロール（３歳１０００万）とインセンティブガイ（７歳オープン）を追いかけて４コーナーから併走状態。一瞬だけ置かれそうになったが、外の２頭に先行されると闘志に火がついた。「すぐに追いつけたし、並んでからの手応えはこっちの方が良かったくらいです」池添は声を弾ませた。
しまい重点で６ハロン６８秒０、ラスト１ハロン１１秒８。上がり時計の速さはさすがにＧ１・２勝馬だ。しかも、しっかり追われた両パートナーに対し、トールポピーは馬なり。自らの意志でハミをとった瞬間、４か月の実戦ブランクの不安は吹き飛んだ。「今日の動きなら十分にやれる。オークス馬なので結果も求められる。結果が出れば本番につながる」休み明け初戦からの首位争いに池添は手応えをつかんだ様子だ。
デビュー前の調教で騎乗した瞬間、Ｇ１制覇を意識させてくれた逸材は、夏を順調に過ごして期待通りの成長を遂げた。「いいキャンター。春よりも柔らかみを感じます」と池添。またがったのはオークス以来。だからこそ春との違いをはっきりと体感できた。
これまで逃したＧ１は桜花賞だけ。そんな強豪がさらに強くなっている可能性は高い。春の時点では抜け出すと走る意欲をなくす悪癖があった。その矯正のために装着していたノーズバンドを今回から外す方針が決定。「調教でソラを使うことはもうありませんし、必要ないでしょう」前川助手は精神面の成長も強調した。すべてのベクトルが右肩上がりのトールポピー。秋華賞の主役の座は不動だ。
出典：スポーツ報知
デヴェロッペが屈腱炎で引退、繁殖入り
13日の紫苑S(OP)で2着に入り、秋華賞(GI)への優先出走権を獲得していたデヴェロッペ(牝3、美浦・松山将樹厩舎)が、右前浅屈腱炎を発症したことが判明。引退、繁殖入りすることが決まった。
同馬は、父ボストンハーバー、母はJRA1勝のショウエイミズキ(その父Nashwan)。伯父にディクタット(安田記念-GI・2着、種牡馬)がいる血統。昨年5月のひだかトレーニングセールにて210万円(税抜)で落札されている。
昨年12月に美浦・加賀武見厩舎からデビュー。初戦(中山・ダート1200m)を勝利で飾ると、初芝となった3戦目の菜の花賞(OP)を逃げ切って2勝目。加賀調教師の引退に伴い、3月1日付けで現厩舎に転厩し、桜花賞(GI、15着)などにも駒を進めた。通算成績8戦2勝。
出典：netkeiba.com
デヴェロッペ繁殖入り秋華賞を前に故障
紫苑Ｓ２着で秋華賞の優先出走権を得たデヴェロッペ（牝３、松山将）が、急きょ繁殖入りすることが決まった。レース後に歩様に違和感が出たことから、１７日にエコー検査を行った結果、右前脚浅屈腱（けん）炎が判明。現役続行は難しいと判断された。松山将師は「開業してすぐ桜花賞に連れていってもらったし、いい経験をさせてもらった。いい子を産んでほしいですね」と話した。
出典：日刊スポーツ
ローズＳ メイショウベルーガ、鋭脚サク裂だ
「ローズＳ・Ｇ２」（２１日、阪神）
秋華賞のチケット獲得に燃える。クイーンＳではロスのある競馬だったメイショウベルーガだが、それでも２着レジネッタからは０秒２差。メンバー最速の上がりをマークして、歴戦の牝馬の中に入っても通用するところを示した。鋭い決め脚でＧ１切符を狙っている。
夏の北海道で力をつけてきた。２走前のかもめ島特別は不良馬場で力のいる状態だったが、メンバー最速の上がりで快勝。勢いに乗って挑戦したクイーンＳも結果は７着だったが、終始外を回らされ、４角でも外にはじかれる展開。それでも再びメンバー最速の上がりをマークし、２着レジネッタとは０秒２差。「前走はもったいなかったけど、通用する感じはあった」。池添師は敗戦の中にも確かな手応えをつかんでいる。
４日に栗東へ戻ったが、北海道遠征の疲れはない。１１日の１週前追い切りでは栗東坂路で４Ｆ５２秒９-３８秒２-１２秒７と軽快な動きを披露。「走りに柔らかみがある。カイバも食べている。すごく絶好調」と体調面に太鼓判を押す。休み明け３戦目、使いながら状態は着実に上向いてきた。
最近２戦の内容が示すように、鋭い決め手が武器。小回りから広いコースに変わることで、その威力は増す。「確実に伸びてくるからね。まだ阪神は前残りが多いけど、ジョッキーが判断してくれると思う」と、３戦連続騎乗となる四位の手綱さばきに期待する。
春は賞金不足に泣き、クラシックへ進むことができなかった。しかし、秋は違う。末脚に磨きをかけてパワーアップ。古馬との厳しい戦いでもまれ、経験値も上げてきた。最後の１冠となる秋華賞へは是が非でも出走したい。「何とか権利を取ってくれれば。楽しみにしている」と師も力が入る一戦へ、木曜に追い切られる。進化したベルーガが大舞台への切符をつかむ。
出典：デイリースポーツ
デヴェロッペ登録抹消へ 屈腱炎で繁殖入り
紫苑Ｓ２着で秋華賞の出走権を獲得したデヴェロッペ（牝３歳、美浦・松山将）が右前脚に屈腱炎を発症、１８日に登録を抹消されることが明らかになった。「レース後に歩様が乱れ、１７日に検査をしたら広い範囲での炎症が見られました。Ｇ１出走の権利を獲ったあとだけに残念ですが、これが競走馬の難しさなんでしょう」と松山将師。今後は北海道のディアレストクラブで繁殖入りする。
また、昨年の札幌２歳Ｓの覇者オリエンタルロック（牡３歳、栗東・田所秀）は、札幌記念１１着後に両前ヒザの骨折が判明。その後、手術を行い、北海道門別の坂東牧場へ放牧に出された。全治９カ月の見込み。「来年の夏ごろには復帰したいと思う」と田所秀師。
出典：デイリースポーツ
オークス惜敗馬、秋こそは！ ローズＳ（Ｇ２）
オディール太め感なし
価値ある５着という表現が、正しいのかどうかは分からない。ただ、これだけは言える。オディールがオークスで示した能力は、この春、冠を得た女王たちに肩を並べるモノだった、と。
「前走に関しては、直線で不利がありましたからね。確かに悔しさはあります。でも、あそこからまた伸びてくれたし、距離も持つことが分かりました。収穫はありましたよ」。無冠には終わったが、桜花賞（１２着）の“なぜ”は完全に一掃。それに、マイルまでかも、という不安感もぬぐい去ることができたと橋口調教師はいう。
この夏は、大山ヒルズでリフレッシュ。うまく暑さを乗り切り、帰きゅう後の調整も順調に進んでいる。その過程は実に入念。太め感もない。１７日朝は、軽いステップで坂路を駆け上がり、翌日の追い切りに備えた。送り出す指揮官は「今週ビシッとやれば、態勢は整うと思います。メンバーはそろっていますが、次に向けてメドの立つレースができれば…」と期待感をにじませる。２強から３強へ。秋華賞の図式に、もうすぐ変化が生じるかもしれない。
ブラックエンブレム栗東滞在成功
文字通り、栗東の水が合う。関東の刺客ブラックエンブレムが桜花賞時に続き、栗東トレセンで調整。押せ押せで使った春とは、明らかに様子が違う。この日も落ち着いた姿で歩みを進め、ゆったりと坂路入りした。
「２度目ということもあるんですが、こっちにきた初日からしてイレ込みを見せませんでしたね。それに美浦より水がおいしいんですよ。もともとあんまり飲まないんですが、こっちでは倍くらい飲みます」と鈴木助手は笑みをこぼす。６日に栗東入りしてからというもの、よほど環境が合うのか、グングンと体調が上向いている。
実は、すでに春の時点で、秋の栗東滞在は決められていた。ローズＳ後も美浦には帰らず居残る。もちろん、すべては秋華賞を狙うためだ。「やはり輸送を考えると栗東に残っていた方がいいですから」と鈴木助手はメリットを話す。中２週が続いたため、追い切りを課せなかった桜花賞は１０着に敗れたが、今回は木曜に岩田を乗せてしっかりと追い切る予定。ならば関西滞在効果を、結果でも示せるはずだ。
オークスはあわやの４着。「夢を見ましたよ。惜しかった。秋華賞こそはとりにいきたい。そのためにもいい競馬をしてもらわないとね」と鈴木助手は野心を隠さない。トライアルとはいえ、桜花賞馬もオークス馬も撃破できたなら、一気に視界は広がる。ブラックエンブレムにとって今回は、秋を占う上で大事な一戦となりそうだ。
出典：中日スポーツ
デヴェロッペ引退、繁殖入り…右前脚屈けん炎
１３日に行われた、秋華賞トライアルの紫苑Ｓで２着に入ったデヴェロッペ（牝３歳、美浦・松山将厩舎）は、右前脚に屈けん炎を発症したため、競走馬登録を抹消される。１７日、松山将調教師が明らかにした。
レース後に歩様の乱れが生じ、様子を見ていたが、この日のエコー検査によって、屈けん炎が判明。今後は、北海道のディアレストクラブで繁殖入りする予定だ。通算成績８戦２勝。主な勝ち鞍に、オープンの菜の花賞がある。
松山将調教師「権利を取った後だけに残念。競走馬の難しさを、改めて知りました。いい子供を産んでもらって、うちの厩舎に戻って来てもらえれば幸いです」
出典：スポーツ報知
ブラックエンブレム勝負の栗東滞在…２１日・ローズＳ
秋華賞トライアルのローズＳ・Ｇ２（２１日、阪神・芝１８００メートル）に出走する関東馬ブラックエンブレムは、春の桜花賞時と同じく、栗東トレセンに入厩している。桜花賞は１０着と結果が出なかったが、当時の経験を生かし、充実した調教を消化。３月のフラワーＣを勝った実力馬が、秋に大きな花を咲かせるか。
調教師としての、自らの眼力を信じた。ブラックエンブレムの小島茂調教師は、今回の栗東滞在を春の段階で決めていた。「けいこをやり過ぎて成長しない牝馬は結構いる。それは避けたかった。この馬は秋。そういう思いもあって、春も栗東に入れた」
３月のフラワーＣを先行策から押し切り、牝馬クラシックの有力候補となった。しかし、本格化するのは秋。桜花賞での栗東滞在は、秋華賞で勝負をかけるための布石だった。
春は、難しい調整を強いられた。フラワーＣでの激走の反動と、栗東への輸送。さらに、環境の変化で体重が減った。そのため馬体回復に専念し、調整はキャンターだけ。不本意な仕上げで、桜花賞は１０着に敗れた。
とはいえ、苦い経験が秋には必ず生きるという計算が陣営にあった。春に体感した栗東の雰囲気を、ブラックエンブレムは、はっきり覚えていた。「こちらに来てからも、落ち着いていますからね」と渡辺厩務員。カイバ食いも良好だ。もちろん、長距離輸送を考慮する必要はない。「美浦にいる時と同じようにやっていくよ」望んでいた調教環境を手に入れた小島茂調教師は声を弾ませた。
「体重は変わっていないが、背は伸びている。しっかり仕上げることができたオークスが４着だから、力はある。目標は先だが、今週の追い切りで、どれだけ体のキレが出てくるか」とトレーナー。Ｇ１をにらみながらの前哨戦ではあるが、滞在効果は十分に期待できそうだ。
出典：スポーツ報知
デヴェロッペ「引退」屈腱炎を発症 繁殖入りへ
１３日の紫苑Ｓで２着に入り秋華賞の優先出走権を獲得したデヴェロッペ（牝３＝松山将）が屈腱炎を発症、このまま引退することになった。１７日に管理する松山将師が明らかにした。同馬は紫苑Ｓのレース直後に歩様が乱れ、１７日にトレセン内の競走馬診療所でエコー検査を受けた結果、右前浅屈腱炎と診断された。松山将師によると「競走馬として復帰できるかギリギリの症状」で、オーナーサイドと協議の上、引退を決断した。今後は北海道日高町のディアレストクラブで繁殖牝馬となる予定。同馬は加賀厩舎所属でデビューし、１月の菜の花賞（中山）を逃げ切り勝ち。同厩舎が２月に定年解散を迎え、３月に新規開業した松山将厩舎に引き継がれた。
▼松山将師 ３月の開業時から厩舎のエースとして頑張ってくれた。桜花賞にも連れていってもらったし本当に感謝している。残念だが、ゆっくり休んでいい子を産んでもらいたい。できれば産駒を手掛けてみたい。
出典：スポーツニッポン大阪