樫の女王トールポピー燃えた11秒8…ローズS追い切り
ローズS追い切り(18日) 秋華賞(10月19日、京都)を占う大事な一戦に、G1馬2騎が万全の態勢を整えた。阪神JF、オークスを制したトールポピーは18日、栗東トレセンのCウッドチップコースで併せ馬。闘志を前面に出して、シャープに伸びた。桜花賞馬レジネッタは、坂路で馬なりながらパワフルな脚さばきを披露。北海道帰りの疲れは全く見せず、むしろ上昇気流に乗っている印象だ。素質馬ダイワスピリットも、スムーズな動きで上々の仕上がりだ。
オークス馬の実力を見せつける態勢が整った。CWコースでトールポピーが鋭い伸び脚を披露した。ビーチパトロール(3歳1000万)とインセンティブガイ(7歳オープン)を追いかけて4コーナーから併走状態。一瞬だけ置かれそうになったが、外の2頭に先行されると闘志に火がついた。「すぐに追いつけたし、並んでからの手応えはこっちの方が良かったくらいです」池添は声を弾ませた。
しまい重点で6ハロン68秒0、ラスト1ハロン11秒8。上がり時計の速さはさすがにG1・2勝馬だ。しかも、しっかり追われた両パートナーに対し、トールポピーは馬なり。自らの意志でハミをとった瞬間、4か月の実戦ブランクの不安は吹き飛んだ。「今日の動きなら十分にやれる。オークス馬なので結果も求められる。結果が出れば本番につながる」休み明け初戦からの首位争いに池添は手応えをつかんだ様子だ。
デビュー前の調教で騎乗した瞬間、G1制覇を意識させてくれた逸材は、夏を順調に過ごして期待通りの成長を遂げた。「いいキャンター。春よりも柔らかみを感じます」と池添。またがったのはオークス以来。だからこそ春との違いをはっきりと体感できた。
これまで逃したG1は桜花賞だけ。そんな強豪がさらに強くなっている可能性は高い。春の時点では抜け出すと走る意欲をなくす悪癖があった。その矯正のために装着していたノーズバンドを今回から外す方針が決定。「調教でソラを使うことはもうありませんし、必要ないでしょう」前川助手は精神面の成長も強調した。すべてのベクトルが右肩上がりのトールポピー。秋華賞の主役の座は不動だ。
出典:スポーツ報知