ブラーシュ・アルニッチ(Blaž Arnič)スロヴェニアの作曲家+バルカンクラシック音楽の世界 | 妄想印象派 自作のイラストや漫画、アニメ、音楽など

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ハアイ、あたしは休符の妖精ベティ・キューフよ💕

 

やあ、おいらは音符の妖精ワンプくんだいッ♪

 

Satoš:そして俺がここのブログの管理人だ。

 

よう、変態♩

 

Satoš:キミはなんてコト言うんだね!

そんなに褒められたら照れるじゃないか!

「変態は誉め言葉」だからな。

 

何いってんだよ♫

 

Satoš:そういうキミも下半身裸じゃないか!

俺様の仲間入りだ!

それと、前回の記事のことはもういいから!

かなり引かれてるんじゃないかって心配だあの内容…。

 

なら書くなよ。そんなのはもういいから、早く本題に移ろうよ♬

 

さて、今回は珍しくスロヴェニアの作曲家だ𝅘𝅥𝅯

 

Satoš:凄い久しぶりだな。

 

バルカン地方のクラシック音楽自体、久しぶりよね𝄽

 

Satoš:個人的にお勧めの作曲家がいっぱいいるし、

この際、過去に紹介したバルカン系クラシック音楽を、

軽くここで紹介し直す事にもした。

たまにね、ブルガリアの作曲家の記事にアクセスあったりするよ。

 

今回取り上げる作曲家は、20世紀生まれながら、

様式は後期ロマン派で分かりやすい作風なのよね𝄾

 

しかも親しみやすいメロディで退屈にならない𝅘𝅥𝅰

 

というわけで、知られざるスロヴェニアのクラシック音楽と、

その他のバルカンクラシック音楽、いっくわよ〜𝄿

いっくよ〜ん𝅘𝅥𝅱

Satoš:いくぜー!

…てか、休符の文字コードあったんだ!

 

そのようね𝄻

 

…というわけで、

休符の文字コードがWikipediaの音符の頁に出ていました。

前は無かった様な気がするのですが…。

 

音符の方も、

16分音符とか32分音符などの文字コードも作られていて。

 

今後、大いに活用させていただきます!

(以前、文字コードの事をフォントと呼んでいたんすけど、

そんなに間違ってはいないっしょ?意味伝わりますよね?)

 

でも、iPadとかスマホなどでは、

ちゃんと表示されない不具合が出るみたいです。

(横棒が縦に6本重なった縞模様になるとか)

文章を画像に撮るというやり方もあるんですが、

解決策を考えてみます。

 

さて、本題に移ります。

バルカン地方の作曲家、

取り上げるのは10年くらい振りでしょうか。

 

過去に紹介した作曲家も、

結構気に入っている人がいるので、再び光を当てたく、

後半で軽く振り返りたいと思います。

 

まずは、こちらの作曲家のご紹介です!!

 

ブラーシュ・アルニッチ(1901-1970)

Blaž Arnič

 

※Wikipediaより

 

この作曲家は、

日本ではほとんどまともに紹介されていません。

 

スロヴェニア人は、オーストリアやイタリア、

ハンガリーと国境を接しているためか、

スラヴ人とかバルカン半島人としての意識が薄い様で。

地理的にも、中欧とバルカンの境目という微妙な位置にあります。

ケルト系先住民族ウェネティ人に対する親近感もあるとかなんとか。

スロベニア人 - Wikipedia

 

また、スロヴェニアは〝中欧〟の一員と看做され、

〝南東ヨーロッパ〟と定義される他のバルカン諸国とは

分けて見られています(ややこしい)。

中央ヨーロッパ - Wikipedia

 

アルニッチは、20世紀の生まれながら、

現代音楽に傾倒することなく後期ロマン派を堅持し、

しかも、私の聴いた限りですけど、

メロディも概ね親しみやすい。

退屈に感じるメロディは無かったです。

劇的で映画音楽風とでもいうのか。

まさに〝メロディーメーカー〟ですね。

 

ピアノと小管弦楽のための交響詩「初飛行」(1955)

Prvi polet - simfonična pesnitev za klavir in mali orkester, op. 52

 

「クラリネット協奏曲」(1963)

Koncert za klarinet in orkester, op. 69

などといった、表題の無い作品でも、

何か感情の篭もった様な、

抒情性に溢れる表現が迸っていました。

(全3楽章、30分弱)

 

その理由について、

Wikipediaスロヴェニア語版に解説が出ていました。

 

私は音楽を「人間の感情の最も強力な表現の一つ」だと考えています。

音楽は人を高尚にする要素です。

したがって、音楽を「抽象化」することはできません。

 

人は経験を積むことが大切ですが、

音楽原理の発展だけに依存してはなりません。

 

音楽を抽象的な概念として捉えてしまうと、

自分自身の感情を否定してしまうことになります。

 

豊かな感情と人の性格は、

すべて家庭環境の上でのみ形成されます。

 

こうして、自分自身の表現、自分自身の音楽言語が、

自分の生まれ故郷と触れ合うことでのみ生み出されるのです。

 

19世紀の最も高名な音楽評論家、エドゥアルト・ハンスリックが、

音楽で人の感情や情景描写などを表現する新ロマン主義の理念を否定し、

純粋に音楽の美しい響きを追求すべきとする主張をしていたのは有名ですが、

アルニッチは、このハンスリックのような理念に反対し、

新ロマン主義に傾倒していたわけです。

 

彼は、ブルックナーやマーラー、ワーグナー、

ロシア5人組などの影響を受けていると見られていますが、

彼自身はそれを否定していて、

あくまで生まれ故郷ラドゥーハの地から着想しているとのこと。

 

彼の音楽は、

「新ロマン現実主義」(ネオ・ロマン・リアリズム)

と定義されているそうです。

 

幾つか作品を聴いてみたのですけど、

例えば強奏部分において、

大渦が渦巻いて畳みかけてくるように、

感情を揺さぶってくる感じというか。

 

彼は、合唱曲、歌曲、ピアノ曲、室内楽曲、管弦楽曲など、

オペラを除く幅広いジャンルを手がけましたが、

映画音楽や、中でも9つの交響曲を書いたことで知られ、

〝交響曲作家〟と看做されています。

 

この作曲家を見ると、スウェーデンの作曲家、

クット・アッテルベリ(Kurt Atterberg)

を思い出すんですが。

両者を比較してみるのも面白いかと。

 

それと、共産党に入党し、解放戦線に協力したため、

思想的理由から、第二次世界大戦中、

ナチスのダッハウ強制収容所に収容され、

そこで病気により片目を失明。

 

無事戦争を生き抜いたものの、

最期は交通事故で亡くなったのが残念ではありますが。

 

交響曲第5番「特別な」(1941)

Simfonija št. 5 - Partikularna, op. 22

 

鐘の音の響きで、第1楽章が始まります。

教会の鐘の音を模しているのでしょうか?

(チューブラベルと思われます)

続いて奏でられるフルートの旋律が、

これから待ち受ける出来事を予感させる?

 

Wikipediaスロヴェニア語版では

「戦争の嵐」

"Vojne vihre"

という表題で紹介されていますが、

まさに嵐の様な描写です。

 

戦争の悲惨さを、

畳みかける様な緊張感でもって描いています。

この曲が書かれたのは、第二次世界大戦の真っ只中で、

枢軸国にスロヴェニアが占領された年でもあります。

 

1時間を超える大作ですが、全3楽章の上、

内容が内容だけに戦争映画風といったところが、

イグナツィ・ヤン・パデレフスキ

(Ignacy Jan Paderewski)の

交響曲 ロ短調「ポーランド」(1903-1908)

Symfonia h-moll "Polonia"

を髣髴とさせるところがあります。

でも、ダラダラとした退屈さは感じさせません。

 

Wikipediaドイツ語版によると、

最も長大な交響曲は第3番「ドゥーマ」

Simfonija št. 3 – Duma, op. 17 in op. 24

で、95分もする声楽付きとのこと。

 

交響曲第8番「故郷の地で」(1951)

Simfonija št. 8 – Na domači grudi, op. 40

 

通常、故郷を想う作品というと、

もっと穏やかなイメージかもしれませんが、

第1楽章は激情的で緊張感に溢れ、

戦争を描写した交響曲第5番を想起させます。

 

第2楽章は概ね穏やかで瞑想的ですが、少し緊張感。

第3楽章は再び緊張感と力強さに溢れた表情を見せ、

第4楽章は、第2楽章の様なエレジー風で瞑想的な旋律と、

行進曲風の力強くて勇壮な旋律という対照的な表現が交互に現れ、

最後は栄光に包まれたような終止音で幕を閉じます。

 

自伝的な作品なんでしょうか?

終戦後まもなく書かれた作品なだけあって、

心穏やかであったとは思えない様子が、

何となく伝わってくる様な…。

 

スウェーデンの作曲家、

テューレ・ラングストレム

(Ture Rangström)の

交響曲第2番「わが祖国」(1919)

Symfoni nr 2 i d-moll, Mitt land

と比較してみるのも面白いかと。

 

ちなみに、代表作の一つなのか?

CD化されています(後述)。

 

 

ブラーシュ・アルニッチ:故郷の地で

BLAŽ ARNIČ: NA DOMAČI GRUDI

指揮:ロウレンツ・アルニッチ

Lovrenc Arnič

演奏:スロヴェニア放送交響楽団

Simfonični orkester RTV Slovenija

スロヴェニア・フィルハーモニー交響楽団

Simfonični orkester Slovenske Filharmonije

交響曲第8番「故郷の地で」

交響詩「誘惑者」

交響詩「死を思え」収録

【ZKP RTVS108020】2004

BLAŽ ARNIČ: NA DOMAČI GRUDI - zkp.rtvslo.si

 

スロヴェニアのクラシック音楽

 

スロヴェニアの作曲家は、ずーっと以前に、

3人の作曲家を1つの記事で紹介しています。

バルカン半島クラシック音楽探訪

2008年10月5日

 

リスト・サヴィン(1859-1948)

Risto Savin

アントン・ラヨヴィッツ(1878-1960)

Anton Lajovic

ダヴォリン・イェンコ(1835-1914)

Davorin Jenko

 

きちんと紹介していないので、

とりあえず名前だけ。

後日詳細に紹介するかもです。

 

イヴァン・ザイツ(Ivan Zajc)

のみクロアチアの作曲家(後述)。

 

(追記 2024/6/13:

ヨスィピーナ・ウルバンチッチ・トゥルノグライスカ(1833-1954)

Josipina Urbančič Turnograjska

というスロヴェニア初の女性作家にして作曲家の存在も知りました。

後日詳述したいと思います)

 

セルビアのクラシック音楽

 

ユーゴスラヴィアの中心地的な意識の強いセルビアですが、

クラシック音楽シーンに於いては

果たしてどの様な状況だったのでしょうか?

 

ヨジェフ(ヨスィフ)・シュレズィンゲル(1794-1870)

Јожеф (Јосиф) Шлезингер

Jožef (Josif) Šlezinger

は最も初期に活躍した作曲家。

行進曲を書きました。

民族的要素を作品に込めたそうなので、

実質的にセルビア国民音楽の開祖と看做せる?

 

ヨヴァン・パーチュ(1847-1902)

Јован Пачу

Jovan Paču

は、主にピアノ曲を書きましたが、

2台のピアノのためのセルビア狂詩曲(1885)

Српска рапсодија

というのを書いているらしいです。

ピアノの分野に於ける、国民楽派の草分け?

 

スラヴカ・アタナスィイェヴィッチ(1850-1897)

Славка Атанасијевић

Slavka Atanasijević

はセルビア初期の女性作曲家。

ピアノ曲を書きました。

 

ステヴァン・ストヤノヴィッチ・モクラーニャッツ(1856-1914)

Стеван Стојановић Мокрањац

Stevan Stojanović Mokranjac

は、セルビアの民族音楽の蒐集、研究を行い、

音楽文化の水準の向上に貢献しましたが、

作曲家としては、民謡の編曲や、

聖歌などの声楽曲を書いたくらいです。

 

コルネリイェ・スタンコヴィッチ(1831-1865)

Корнелије Станковић

Kornelije Stanković

はセルビア語による初の合唱曲を書いたそうです。

ヨスィフ・マリンコヴィッチ(1851-1931)

Јосиф Маринковић

Josif Marinković

も歌曲とか合唱曲などの声楽曲ばかりですが、

純粋器楽曲が無いとちょっとね、という。

 

私の調べた限りでは、

スタニスラヴ・ビニチュキ(1872-1942)

Станислав Бинички

Stanislav Binički

スタニスラヴ・ビニチュキ(Станислав Бинички)セルビアの作曲家

2012年12月23日

 

イスィドル・バイッチ(1878-1915)

Исидор Бајић

Isidor Bajić

イスィドル・バイッチ(Исидор Бајић, Isidor Bajić)セルビアの作曲家

2012年11月29日

 

ペータル・コニョヴィッチ(1883-1970)

Петар Коњовић

Petar Konjović

辺りが本格的にクラシック音楽をやり始めた世代。

 

特にコニョヴィッチの

「交響曲 ハ短調」(1907)

Симфонија у c-mollu

は、恐らくセルビア初の交響曲ですが、

初期作品にしては非常に完成度が高く、

民族主義に溢れています。

 

ミレンコ・パウノヴィッチ(1889-1924)

Миленко Пауновић

Milenko Paunović

は、音楽劇のための曲のほか、

「ユーゴスラヴィア交響曲」

Југословенска симфонија

を2曲(1914-1920, 1924)も書いていますが、

35歳の若さで夭折。

その第1番のみ聴く事ができていますが、

コニョヴィッチの交響曲とはまた違った、

民族主義的で独特の響きに溢れています。

セルビア初期のクラシック音楽と交響曲(前編)

2015年1月22日

2015年02月17日

 

そして、20世紀の、

ステヴァン・フリスティッチ(1885-1958)

Стеван Христић

Stevan Hristić

マルコ・タイチェヴィッチ(1900-1984)

Марко Тајчевић

Marko Tajčević

へと続きます。

CD化を希望するマイナークラシック曲(7)セルビア編

2010年1月4日

 

クロアチアのクラシック音楽

 

イヴァン・ザイツ(1832-1914)

Ivan Zajc

は、19世紀クロアチア最大の作曲家だそうですが、

歴史に題材を取った

オペラ「ニコラ・シュビッチ・ズリンスキ」(1876)

Nikola Šubić Zrinjski (opera)

を書くなどしたものの、

音楽語法に於いては保守的、アカデミックであり、

民族主義的要素がほぼ皆無であったため、

後進の作曲家に対して展望を与えなかったという、

非常に残念な作曲家です。

 

チェコのスメタナの様な仕事をしていたら、

クロアチアの音楽の歴史はまた大きく違っていたかもしれません。

 

でも、クロアチアの音楽環境を活性化、

向上化させた功績があるのは確かです。

 

ヤコヴ・ゴトヴァッツ(1895-1982)

Jakov Gotovac

は20世紀の活躍ですが、

作風は19世紀後半的民族主義的ロマン派そのものです。

歌劇「いたずら者エロ」+クラシック音楽の事で引っ掛かっていた件

2020年8月10日

 

ルーマニアのクラシック音楽

 

バルカン唯一のラテン系民族。

ジョルジェ・エネスク(1881-1955)

George Enescu

と、後述するポルムベスクのみ突出して知られていますが、

他にも色々おります。

 

チプリアン・ポルムベスク(1853-1883)

 Ciprian Porumbescu

は、民族主義運動に参加し投獄され若くして獄死します。

ヴァイオリンと管弦楽のためのバラード(1880)

Balada pentru vioară şi orchestră op. 29

一曲が「望郷のバラード」という題名で日本ではよく知られ、

ホ―ムミュージックアルバムの定番ですが、個人的には、

ルーマニア狂詩曲(管弦楽)(1882)

Rapsodia română pentru orchestră

がお気に入りです。

チプリアン・ポルムベスク(Ciprian Porumbescu)ルーマニア国民楽派

2008年10月18日

 

パウル・コンスタンティネスク(1909-1963)

Paul Constantinescu

3つのルーマニア交響舞曲(1949-1951)

Trei dansuri simfonice românești

は、コミカルな描写がアニメのBGMっぽい。

漫画・アニメっぽいマイナークラシック音楽(4)ルーマニア編

2008年12月7日

 

ティベリウ・ブレディチャヌ(1877-1968)

Tiberiu Brediceanu

は民族主義的傾向の作曲家で、代表作と思われる

管弦楽のための4つのルーマニア舞曲(1951)

4 dansuri româneşti pentru orchestră

は、ドヴォルジャークの「スラヴ舞曲」に匹敵する、

非常に親しみやすい作品。

ティベリウ・ブレディチャヌ(Tiberiu Brediceanu)を聴く(YouTubeから)

2010年1月31日

 

アレクサンドル・フレヒテンマッハー(1823-1898)

Alexandru Flechtenmacher

エドゥアルト・カウデラ(カウデッラ)(1841-1924)

Eduard Caudella

ジョルジェ・ステファネスク(1843-1925)

George Stephănescu

ヤコブ・ムレシアヌ(1857-1917)

Iacob Mureşianu

ジョルジェ・ドゥラガ(1935-2008)

George Draga

そして、エネスクの

「ルーマニア狂詩曲第1番」を収録したCDのレビュー記事。

ルーマニアマイナー管弦楽作品集(ROMANIAN RHAPSODY)

2011年6月29日

フレヒテンマッハーは、ルーマニア初の

オペレッタ「バーバ・フルカ」(1848)

Baba Hârca - operetă

によって〝ルーマニア国民音楽の父〟と見られています。

 

エネスクの師としてのみ知られる、

カウデラの作品のみを収録したCDのレビュー記事。

エドゥアルト・カウデッラ(Eduard Caudella)ルーマニアの作曲家

2012年4月18日

 

スタン・ゴレスタン(1875-1956)

Stan Golestan

は、民族主義的な傾向の作曲家。

交響曲 ト短調「ルーマニア様式による」(1910)

Simfonia în sol minor, în stil românesc

管弦楽のためのルーマニア狂詩曲(1912)

Rapsodia română pentru orchestră

ヴァイオリンと管弦楽のためのルーマニア協奏曲(1933)

Concert de muzica româneasca pentru vioară şi orchestră

チェロと管弦楽のためのモルドヴァ協奏曲(1936)

Concert moldovenesc pentru violoncel şi orchestră

などを書いていますが、

ピアノ協奏曲「カルパティア山脈の小径で」(女声合唱つき)

Pe potecile Carpaţilor, Concert pentru Pian (1935-1937)

というブゾーニの様な作品を書いていたので取り上げました。

スタン・ゴレスタン(Stan Golestan)ルーマニアの作曲家(2)+有名ピアノ協奏曲原典版

2021年4月16日

 

ステファネスクの

交響曲 イ長調(1869)

Simfonia în la major

の日本初演のレビュー記事。

【文化の日】ジョルジェ・ステファネスク + こどものためのクラシック音楽特集!!

2023年11月3日

 

ブルガリアのクラシック音楽

 

ブルガリアは、国民楽派を代表する、

パンチョ・ハララノフ・ヴラディゲロフ(1899-1978)

Панчо Хараланов Владигеров

が著名ですが、勿論他にも作曲家はいっぱいいるわけで。

 

ニコラ・アタナソフ・キタノフ(1886-1969)

Никола Атанасов Китанов

の書いた、

交響曲第1番ト短調(1912)

Симфония №1 в сол минор

は、ブルガリア初の交響曲だそうです。

ニコラ・アタナソフ・キタノフ(Никола Атанасов Китанов)ブルガリアの作曲家

2014年1月12日

 

ゲオルギ・ペトロフ・シャグノフ(1873-1948)

Георги Петров Шагунов

は、軍楽隊を創設し、

故郷プロヴディフの音楽環境を飛躍的に向上させた。

交響曲は6曲も書いていますが、

軍楽隊を創設しただけあって、

吹奏楽曲も数多い。

ゲオルギ・ペトロフ・シャグノフ(Георги Петров Шагунов)ブルガリアの作曲家

2014年2月25日

 

ペトコ・スタイノフ(1896-1977)

Петко Стайнов

は、幼少期に右目を失明し、

11歳で左目も失明、全盲となる。

(ブルガリアのロドリーゴ?)

それでも、しっかりした交響曲、交響組曲、

交響詩などを書いています。

主に、トラキアなど、

地元にちなんだ題材に基づいて作品を書きました。

 

記事末で、

ヴェセリン・ストヤノフ(1902-1969)

Веселин Стоянов

パラシュケフ・ハジエフ(1912-1992)

Парашкев Хаджиев

マリン・ゴレミノフ(1908-2000)

Марин Големинов

などをいずれ取り上げると表明していたものの、

実現しないままに10年目となってしまいました。

ペトコ・スタイノフ(Петко Стайнов)ブルガリアの作曲家

2014年10月16日

 

あとは、オムニバスで何人か纏めて紹介しています。

 

ヤンコ・ムスタコフ(1841-1881)

Янко Мустаков

エマヌイル・マノロフ(1860-1902)

Емануил Манолов

ツヴェタン・ラドスラヴォフ・ハジ=デンコフ(1863-1931)

Цветан Радославов Хаджи-Денков

アンゲル・アタナソフ・ブコレシトリエフ(1870-1950)

Ангел Атанасов Букорещлиев

ブルガリア初期のクラシック音楽を巡る - その1 オーケストラ・ナデージダ演奏会情報

2016年9月21日

 

ムスタコフは、

ブルガリア初の合唱団を創設。

 

マノロフは、

ブルガリア初の職業音楽家にして、

ブルガリア初のオペラ「貧しい女」(1900)

Сиромахкиня, опера

を書いたことで知られています(未完でしたが)。

 

ハジ=デンコフは、

「愛しき祖国」(1985)

(Мила Родино)

を作詞作曲。
1964年に国歌として採用されたそう。

 

ブコレシトリエフは、

プロヴディフ音楽協会の代表を長く務め、

音楽学校「母なる歌」を創設。

2500曲ものブルガリアの民俗音楽を記録。

 

アルバニアのクラシック音楽

 

「神秘の国」「欧州の北朝鮮」などと呼ばれ、

よく分からないイメージのアルバニア。

クラシック音楽シーンは果たしてどんなだったのか?

 

マルティン・ジョカ(ヂョカ)(1890-1940)

Martin Gjoka

の書いた、

交響曲「スカンデルベグ廟の2つの花」(1922)

Simfoni ”Dy lule mbi vorr të Skanderbeut”

が、アルバニア初の交響曲とされています。

YouTubeに演奏が幾つか出ていますね。

 

チェスク・ザデヤ(1927-1997)

Çesk Zadeja

の書いた、
交響曲第1番(1956, 1958?)
Simfoni nr.1

は、アルバニア初の表題無しの交響曲らしい。

一応CD化はされていますが、

極めて入手困難と思われます。

 

以前YouTubeに第2楽章のみの演奏が上げられていて、

ブログに埋め込みさせていただきましたが、

現在は削除されている上に、

YouTube上に全く見当たりません。

アルバニアクラシック音楽事情

2009年11月2日

チェスク・ザデヤ(Çesk Zadeja)アルバニアの作曲家

2011年8月10日

 

アネスティ・ノヴァ(1935-)

Anesti Nova

は今もご健在。

アルバニア狂詩曲

Rapsodi Sqiptare

ってないかな?と思って検索を掛けたところ、

管弦楽のための同作を発見。

中々聴きごたえのある作品です。

 

トロンボーン協奏曲「アルバニアの民俗旋律による」

Concerto for trombone and orchestra on Albanian Folk Melodies

も書いており、現代に活躍するアルバニア国民楽派なのでしょう。

アネスティ・ノヴァ(Anesti Nova)アルバニア人作曲家

2009年12月9日

 

ピェタル・ガツィ(1931-1995)

Pjetër Gaci

の書いた、

交響的舞曲第1番

Valle simfonike nr1

がYouTubeに上がっていたのでブログで紹介しましたが、

アルバニアの民族舞曲の要素が込められているのでしょうか?

抒情性や熱情に溢れていて、中々良い作品だと思います。

ピェタル・ガツィ(Pjetër Gaci)アルバニアの作曲家

2010年8月29日

 

「アルバニア狂詩曲」を探し求めてその結果を纏めた記事。

アゼルバイジャンの作曲家

ガラ・ガライェフ(カラ・カラーエフ)(1918-1982)

Qara Əbülfəz oğlu Qarayev

アルバニア系アメリカ人作曲家

ムラト・シェフ(1897-1978)

Murat Shehu

アルバニアの民族音楽学者で著作家、作曲家

ラマダン・ソコリ(1920-2008)

Ramadan Sokoli

などが書いています。

アネスティ・ノヴァ以外にも結構いたという。

アルバニア狂詩曲の色々(Albanian Rhapsodies)

2011年8月17日

 

ニコワ・ゾラキ(1929-1991)

Nikolla Zoraqi

管弦楽曲、ヴァイオリン協奏曲、

オペラ、バレエ、映画音楽などを書きました。

祝典序曲

Festival Uverturë

をブログで紹介させていただきましたが、

躍動感あふれる魅力的な旋律で中々聴きごたえあります。

ニコワ・ゾラキ(Nikolla Zoraqi)アルバニアの作曲家

2011年12月10日

 

ゲルティ・ドゥルガ

Gerti Druga

は現代に活躍する作曲家ですが、

この作曲家について調べてみたところ、

映画音楽の作曲家だそうで。

 

交響組曲(2008-2009)の第3楽章

Suite simfonike, koha III

がYouTubeに出ていたのでブログで取り上げましたが、

何というか、ハリウッドのアクション映画か宇宙戦争映画か、

冒険映画とかRPGのBGMか?という作品で。

 

交響詩「ユトビナの勇者」(2009)

Trimat e Jutbinës, Poemë sinfonike

は電子楽器で作られたと思われるものがYouTubeに出ていますが、

もろRPG音楽風。

2016年には、同じ題材で舞台劇が作られ、

同じ作曲家が作曲を担当(YouTubeに出ています)。

ゲルティ・ドゥルガ(Gerti Druga)アルバニアの作曲家

2011年12月24日

 

北マケドニアのクラシック音楽

 

「マケドニア」の国名は現在、

「北マケドニア」に名称変更しています。

ギリシャ系のマケドニアと紛らわしく、

ギリシャからクレームを受け続けていたのは有名ですが、

両者の首脳同士が話し合い「北マケドニア」に名称変更することで

合意したそうです(国内では反対意見が出て紛糾した様ですが)。

 

それはともかく、10年かそれ以上前に、

マケドニアのクラシック音楽を検索で調べてみたと思うのですけど、

見つけられなかったと記憶しています。

 

今調べたところ、

トライコ・プロコピエフ(1909-1979)

Трајко Прокопиев

Trajko Prokopiev

Трајко Прокопиев — Википедија

をみつけました。

歴史的、神話的、民俗的な題材を取り上げ、

映画音楽、歌劇、バレエ音楽などを作曲。

 

トドル・スカロフスキ(1909-2004)

Тодор Скаловски

Todor Skalovski

は「マケドニア」(現:北マケドニア)国歌を作曲。

Тодор Скаловски — Википедија

マケドニアのクラシック音楽については後日。

(奇遇にも2人共同年生まれ)

 

モンテネグロのクラシック音楽

 

こちらもまだ取り上げていません。

こちらも検索して見つけられなかったと思いますが、

今検索したところ、19世紀後半に、

ヨヴォ・イヴァニシェヴィッチ(1861-1889)

Јово Иванишевић

Jovo Ivanišević

という作曲家がおりまして、

モンテネグロ初の著名な作曲家だそうです。

ピアノ曲、歌曲、合唱曲、管弦楽曲などを作曲しましたが、

28歳頃に事故によって夭折。

Јово Иванишевић — Википедија

 

他には、

アレクサ・イヴァノヴィッチ

Алекса Ивановић

Aleksa Ivanović

ドラガン・ミロシェヴィッチ

Драган Милошевић

Dragan Milošević

もいたそうですが、まともに情報が見つかりません。

モンテネグロのクラシック音楽については、また後日。

Culture of Montenegro - Wikipedia

 

ブラーシュ・アルニッチの経歴

 

1901年1月31日

サビニィスカ渓谷(Savinjska dolina)のある、

ルチェ(Luče)のラドゥーハ(Raduha)の農村に生まれる。

 

独学でアコーディオン演奏技術を習得し、

19歳でリュブリャーナに移る。

 

リュブリャーナ音楽アカデミー

(Akademiji za glasbo v Ljubljani)で学んだあと、

1930~32年には新ウィーン音楽院(Neues Wiener Konservatorium)

で、ルドルフ・ニリウス(Rudolf Nilius)に学び、その後、

ワルシャワ(1938年)、パリ(1939年)へと留学する。

 

1934~35年、ブラーチ(Brač)島のボル(Bol)で、

1940~43年、リュブリャーナ音楽アカデミーで教師を務めた。

 

1941年、枢軸国がスロヴェニアに侵攻、占領する。

アルニッチは共産党に入党し、解放戦線に協力し始めた。

1943年、政治的見解により逮捕され、

ダッハウ強制収容所に収容された。

そこで重病に罹り、片目を失明。

 

第二次世界大戦後、

リュブリャーナ音楽アカデミーの教授職を引き継いだ。

 

1947年、交響詩「森は歌う」(Gozdovi pojejo)が、

プレシェーレン賞を受賞。

 

1949年、共産党を除名された。

 

1970年2月1日、交通事故で死去。

 

2001年、彼を記念した切手が発行された。

Blaž Arnič - Wikipedija, Slovenščina

Blaž Arnič - Wikipedia, English

 

Blaž Arnič - Ples čarovnic, simfonična pesnitev, op. 18 - YouTube

SLOVENIJA 2001 - (MI.365) BLAŽ ARNIČ

 

【主な作品】

交響曲第1番「テ・デウム」(混声合唱とオルガン、管弦楽)1932, 改訂1969

Simfonija št. 1 – Te Deum, op. 10, (za mešani zbor, orgle in orkester)

交響曲第2番「交響的狂詩曲」(ピアノと管弦楽)1933

Simfonija št. 2, op. 12 (simfonična rapsodija za klavir in orkester)

交響曲第3番「ドゥーマ」(バリトンと混声合唱、管弦楽)1929-31, 第2版1936-38, 1942

Simfonija št. 3 – Duma, op. 17 in op. 24, (za bariton solo, mešani zbor in orkester)

交響曲第4番「復活」(オルガンと管弦楽)1933

Simfonija št. 4 – Resurrectionis, op. 15, (za orgle in orkester)

交響曲第5番「特別な」(戦争の嵐)1941

Simfonija št. 5 – Partikularna, op. 22

交響曲第6番「開拓者」1950

Simfonija št. 6 – Samorastnik, op. 36

交響曲第7番「勤労の交響曲」(ピアノと小管弦楽)1948

Simfonija št. 7 – Simfonija dela, op. 35 (za mali orkester in klavir)

交響曲第8番「祖国の地で」1951

Simfonija št. 8 – Na domači grudi, op. 40

交響曲第9番「戦争と平和」(ソプラノとアルト、バス、混声合唱、管弦楽)1960

Simfonija št. 9 – Vojna in mir, op. 63 (za sopran, alt, bas, mešani zbor in orkester)

 

交響詩「死を想え」1934

Memento mori - simfonična pesnitev, op. 14

交響詩「魔女たちの踊り」1938, 改訂1955

Ples čarovnic - simfonična pesnitev, op. 18

交響詩「誘惑者」1939

Zapeljivec - simfonična pesnitev, op. 19

交響詩「山の歌」1940

Pesem planin - simfonična pesnitev, op. 20

交響詩「期待」1943

Pričakovanje - simfonična pesnitev, op. 26

交響詩「森は歌う」1945

Gozdovi pojejo - simfonična pesnitev, op. 27

バレエ交響詩「水男」(プレシェーレンのバラードに基づく)1950

Povodni mož - baletna simfonična pesnitev, op. 38

交響詩「初飛行」(ピアノと小管弦楽)1955

Prvi polet - za klavir in mali orkester, op. 52

交響詩「ワイルドハント」1956, 改訂1965-66

Divja jaga - simfonična pesnitev, op. 53

田園交響詩(チェロと管弦楽)1960

Pastoralna simfonična pesnitev - za violončelo in orkester, op. 65

時間交響詩(トロンボーンと管弦楽)1969

Temporalna simfonična pesnitev - za trombon in orkester, op. 78

 

喜歌劇のための序曲(1932)

Uvertura h komični operi, op. 11

組曲「井戸」(1957)

Suita o vodnjaku, op. 56

 

ヴァイオリン協奏曲第1番(1952)

Koncert za violino in orkester [št. 1], op. 41

ヴァイオリン協奏曲第2番(1953)

Koncert za violino in orkester [št. 2], op. 47

フルート、弦楽、ハープ、チェレスタと管弦楽のための協奏曲(1956)

Koncert za flavto, godala, harfo, čelesto in orkester, op. 54

弦楽合奏とピアノのための「3つのおとぎ話」(若いピアニストのための)(1957)

Tri pravljice - mlademu pianistu, za godala in klavir, op. 58

クラリネット協奏曲(1963)

Koncert za klarinet in orkester, op. 69

ヴァイオリン協奏曲第3番(1966)

Koncert za violino in orkester [št. 3], op. 73

ヴィオラ協奏曲(1967)

Koncert za violo in orkester, op. 75

 

カンタータ「列車に乗って」(独唱と合唱、管弦楽)1954

Z vlakom - kantata za soliste, zbor in orkester, op. 48

 

映画音楽「スロヴェニアのパルチザン病院」1948

Partizanske bolnice v Sloveniji

映画音楽「魔女たちの踊り」1955

Ples čarovnic

Arnič, Blaž (1901–1970) - Slovenska biografija