Tada's blog -9ページ目

破竹(はちく)

【さわやかな夢】

 竹を割ることです。
 竹は、一節、割れ目を入れると、そのまま勢いよく割れます。節以外は空洞になっているからですが、
本当に気持ちのいいものです。そこから勢いが盛んなことを、「破竹の勢い」といいます。
 その割れ目がまっすぐなことから、「竹を割ったような性格」という言葉も生まれました。
曲がったところのない、さっぱりした性格のことです。
 雪の重みにも、激しい風にも、折れないしなやかな強さを持つ竹の、別の一面を見る思いです。
 竹を割って、人々は、身近な生活道具や遊び道具を作ってきました。
 竹をはじめて割った時の爽快感が、さまざまな形を変えて、また新しい夢を導いてくれるようです。

手弱女(たおやめ)

【本当の強さ】

 優しく、しなやかな女性のことです。
 手弱女という漢字を当てているので、いかにも弱々しい女性を思い浮かべますね。
 でも、もとは、「たわやめ」といって、たわやかな女性を意味します。
「たわやか」とは、「撓む」ようにしなやかなこと。「嫋やか」ともいいます。
 竹が柔軟にしなって、また、元に戻る。そのような様子を思い浮かべてみてください。
 突っ張った枝は、強そうに見えても、ポキンと折れてしまいます。本当の強さは、
柔軟さと粘り強さにあるのではないでしょうか。
 手弱女の反対語といえば益荒男。健康で、強く、勇ましい男性のことです。
 でも、嫋やかさは、男性にも必要なことではないでしょうか。

野分(のわき)

【たとえ、叩きのめされても】

 「野分」とは、野の草木を分けるように吹く強い風、つまり、台風のことです。
 特に立春の日から数えて210日から220日に吹く強い風のことをさしたようです。
 この日は、台風が来る確率の高い日として、江戸時代から暦にも記されています。
 ところで、「台風」という言葉。日本語のように見えますが、実は英語のtyphoonに
漢字を当てたものです。
 気象観測技術が進歩して、予測はできるようになりましたが、それでも、台風は毎年、
大きな被害をもたらしています。
 荒れ狂う自然の猛威を前にするたび、人々は叩きのめされ、それでもまた、乗り越えていく。
そのような営みを繰り返してきたのですね。