Tada's blog -6ページ目

商冥加(あきないみょうが)

【秋にすること】

 実りの秋です。「秋」の語源には、さまざまな説がありますが、中でも、「飽き」だという説が有力です。
 収穫の季節、この季節だけは、食べ物が飽きるほどありました。
 そして、余った食べ物は、交換したり、売ったりするようになりました。
 「秋」にすることだから「あきない」。「ない」は「誘い(いざない)」や「占い」の「ない」と同じで、名詞について、動詞を作る接尾語です。
 自分が、飽きずにやり続けることができる。。。商いに限らず、それが才能というものだと思います。
 「冥加」とは知らないうちに受ける、神様の恵みのことです。
 本当に自分の才能を活かしている時こそ、神様も喜んで応援してくれるのかもしれません。

立待月(たちまちづき)

【欠けゆく月の名】

 名月の名残を惜しむように、人々は、次の日もその次の日も月を眺めました。
 十五夜の次の日はためらうように出てくる一六夜です。
 その次の、十七夜の月が立待月。これは、立って待っているうちに出てくるから。
 十八日の月は居待月。こうなると、座って待ちます。
 十九日は寝待月。もう遅いので、寝ながら待ちます。
 そして、二十日は更待月(ふけまちづき)。夜も更けて出てくるからです。
 満月に至るまでは異称がほとんどないのに、欠けゆく月に対する人々の思いは、格別なようです。
 人生において、人は衰えゆく寂しさを味わわない訳にはいきません。
 欠け行く月にその思いを投影させながら、その時、その時、それなりの良さがあるのだということを伝えたいのではないでしょうか。

恋路十六夜(こいじいざよい)

【初々しい恋の色】

 9月の誕生色は十六夜の夜空の深い紺色だそうです。
 「いざよう」とは、ためらうという意味。十五夜に比べて、ためらうように出てくるので、
こう呼ばれるようになりました。一日違うだけで、約40分も月の出が遅くなるそうです。
 冴え渡った空は、くっきりと月を浮かび上がらせてくれます。今では街灯が発達しているために
気がつきにくいですが、真っ暗な夜の月の明るさは格別です。
 いざよいながら進んでいく恋の道。初々しい恋人たちを思い浮かべます。
 相手がどう考えているのかを、一生懸命推し量ろうとして、なかなか前へ進めません。
 そのような恋は、なによりの心のレッスンなのかもしれませんね。
 微笑ましい二人を、月がやさしく見守っています。