立待月(たちまちづき) | Tada's blog

立待月(たちまちづき)

【欠けゆく月の名】

 名月の名残を惜しむように、人々は、次の日もその次の日も月を眺めました。
 十五夜の次の日はためらうように出てくる一六夜です。
 その次の、十七夜の月が立待月。これは、立って待っているうちに出てくるから。
 十八日の月は居待月。こうなると、座って待ちます。
 十九日は寝待月。もう遅いので、寝ながら待ちます。
 そして、二十日は更待月(ふけまちづき)。夜も更けて出てくるからです。
 満月に至るまでは異称がほとんどないのに、欠けゆく月に対する人々の思いは、格別なようです。
 人生において、人は衰えゆく寂しさを味わわない訳にはいきません。
 欠け行く月にその思いを投影させながら、その時、その時、それなりの良さがあるのだということを伝えたいのではないでしょうか。