善意のバタフライ効果

数日前、私の弟が渋谷駅で、食べ物が無く、今にも倒れてしまいそうな男性を目撃したそうです。

その男性は、「すみません。誰か食べ物を恵んでください。」と書かれた段ボールの切れ端を持って、駅の通路に座り込んでいたそうです。

年齢は30代くらいの人で、ボロボロの服で持ち物は小さなカバンと帽子だけだったそうです。

行き交うほとんどの人が、まるで汚い物でも視るかのような目でその男性を一瞥し、素通りしていくなか、弟はどうしても見過ごすことが出来なかったのだそうです。

弟は、本人の為にはならないかもしれない、と思いつつ、おにぎり2つとお茶をコンビニで買って、この男性にプレゼントすることにしたそうです。

食料を持って行くと、男性は、駅員さんに出て行きなさいと言われてしまったのか、ヨロヨロと立ち上がり、まさに今その場を離れようとしていたところだったそうです。

「これ、良かったら、どうぞ。」

と言って弟が食料を差し出すと、男性は驚きつつ、本当に貰っていいのか確認した後、涙を流しながら何度も何度もお礼を言って、それを受け取ったのだそうです。

弟のこの行為を偽善だと言う人もいるでしょう。

そう思ったからこそ、他の人々はこの男性を助けなかったのかもしれません。

確かに、アフリカなど、貧しい子供達のためにと寄付をしても、現場にはなかなか支援が行き届かないという現実があります。

それは、寄付を募るという行為自体がビジネスになっている側面があり、現場に届く前にマフィアのような連中に搾取されてしまうからなのです。

（当然ながら、現地の信頼できる人を介して、その人を通じて支援を行うという形であれば、搾取されるようなことはないでしょう。）

貧しい国であればあるほどその実態は酷いのです。

その酷さは凄まじく、アフリカには、観光客向けにいかに貧しいかをアピールするためだけに作られた、村なども存在しているそうです。

これは本当に食料がないほど貧しいというよりは、滅ぼした少数民族の生き残りなどをその村に閉じ込めて、物資をほとんど供給せず、同情心を煽るような光景を意図的に作り上げているのだそうです。

腐りきっていますが、一つの事実としてこういう実態があるのです。

私が世界最貧国の1つである、ネパールを訪れた時も、多くのストリートチルドレンを目撃しました。

彼らは外国人を見つけると、傍に寄ってきて、寄付を募ってきます。

いくらか寄付しようと思ったのですが、現地のジャーナリストにきつく止められました。

「君の善意は否定しないが、あれは彼らの仕事なんだ。裏で彼らやホームレスたちを雇っているのは、ここらを牛耳っているギャングさ。君たち旅行者が彼らにお金を恵むのを止めない限り、ギャングが弱者から搾取するという構造も無くならないんだ。それは彼らの可能性を限定してしまうことでもあるんだよ。」

一体どうすべきなのかと、しばし考え込みましたが、この時は寄付を断ることにしました。

すると、彼らもあっさりしており、すぐに別のターゲットに切り替え、別の旅行者に寄付を募っていたのです。

その切り替えの素早さを見て、困っているというよりも、これは本当に彼らの仕事なのだな、と驚いたのをよく覚えています。

今はインターネットが発達したため、こうした情報を知っている、という方も多いでしょう。

そうした情報を得た結果、善意は相手のためにならないのだと考え、寄付をやめたという人もいると思います。

しかし、渋谷駅の男性の場合、寄付を募っていたのではなく、食料を恵んで欲しいと訴えていたわけですから、相当に切羽詰った状況だったのでしょう。

冷静に考えれば、日本は社会福祉が充実していますから、行政の支援を求めれば餓死してしまうことはないはずなのですが、もしかしたらそうした支援の存在をこの男性は知らなかったのかもしれません。

外国籍の方だったのか、何か理由があったのかはわかりませんが、泣きながら食べ物を受け取るくらいですから、本当に困っていたのでしょうね。

私はこの話を帰宅した弟から聞いた時、とても嬉しい気持ちになりました。

偽善だとかそういうことではなく、弟の純粋な善意をとても粋に感じたからです。

私もそうありたいと思いました。

何かの行為をなす時、確かに、その行為の結果どうなるのか、ということは重要です。

しかし、結果以上に重要なものがあるのではないでしょうか。

それは、感情です。

少しでも力になりたい、という自分の感情に素直に動いた彼を否定する理由は無いと思うのです。

精神世界ではよく、宇宙はあなたの意識の表れです、あなたの想いがあなたの現実を創っているのです、と言いますよね。

であれば、シンプルに考えて、良い感情で動いたことは、どんな形であれ、良い流れに向かう、と言えると思います。

以前に、ある方からこんなお話を聞きました。

その方は非常に霊感が強い方で、よく死者と話をするそうなのですが、ある夏の暑い時期に、仕事で泊まった宿に死者の霊が現れたのだそうです。

10体以上の骸骨が布団の周りを取り囲み、話しかけてきたのだそうです。

この方はこういう経験はもう慣れっこで、少しも怖がることなく

「なんですか、眠れないんですけど。」

と冷静に抗議したそうです。

するとリーダー格の骸骨が一歩前に出てきて、

「我々は日本軍の兵士です。あなたならわかってくださると思い、出てまいりました。どうか、裏の神社にみたらし団子を一本供えていただけないでしょうか。その行為さえ行っていただければ、我々はあの世に行けるのです。」

と頼んできたそうです。

あまりにも必死にお願いされたので承諾し、次の日、骸骨たちに言われた通り、みたらし団子を1本お供えし、彼らが無事にあの世へ行けるよう祈ってきたそうです。

それから数日が経ち、そんなことがあったのをすっかり忘れて新聞を読んでいると、なんと、その時泊まっていた宿のすぐ裏手の山の中から、10数体の白骨化した旧日本軍の遺体が見つかった、という記事が出ていたのだそうです。

その記事を読んで、あぁ本当にあの世に行けたのだな、と感じたそうです。

「みたらし団子一本で、どうしてそんなことになったのかわからないけど、誰かが祈るって大きいことなんだね。」

と嬉しそうに仰っていました。

ちょっと強引に考えてみると、もしかしたら、そのみたらし団子1本で、それを偶然見つけたホームレスの方が命を繋ぐことが出来、その方は実は亡くなった日本軍の兵士の子孫だった、とかそういうことかもしれませんね。

私は、この話を聞いて、みたらし団子を供えるという行為自体よりも、素直に彼らのためを思って、という感情が良い結果を招いた例なのだと感じました。

この場合は死者であるため、飢えている人を助けることとは少し話が違いますが、良い感情で行動することを心がけることで、回り回って世の中が少しずつ調和的になっていく、ということは有り得るのではないでしょうか。

2013年に

『ミスター・ノーバディ』「バタフライ効果」という言葉があります。これは、カオス理論という学問において、普通なら無視できると思われるような極めて小さな差が、やがては無視できない程…

ameblo.jp

という記事で、バタフライ効果について書きました。

バタフライ効果とは、普通なら無視できると思われるような極めて小さな差が、やがては無視できない程の大きな差となる現象のことを指した言葉です。

ブラジルでの蝶の羽ばたきが、アメリカのテキサスでトルネードを発生させる原因になることも在り得るという主張から「バタフライ効果」と呼ばれているそうです。

3年経って思うことは、この「普通なら無視できると思われるような極めて小さな差」とは、まさに感情のことなのではないかと思います。

是非、良い感情で行動することを心がけてみてください。

きっと、その後も良い感情が続くような出来事が起きてくると思いますよ。

良い感情になれない時は、どうしたら良い感情になれるか考えて、ワンクッション置いて感情を整えてから行動してみましょう。

善意か偽善かを問うのではなく、自らの感情をチェックするのです。

私たち一人一人の想念がこの現実を創っているのですから、そういうところから地球は変わっていくと思います。

楽しみましょう！

読んでいただき、ありがとうございます。

ps.感情はUFO呼びやサイキックな感覚を用いる際にも超重要です。

UFO呼びが成功する時は、やはり良い感情で呼べた時なのです。

感情の方向性のコントロールには、サイキックのトレーニングはもってこいですよ☆