総合大学の利点は何なのか
先日の萩国際大学の民事再生法の適用のエントリーには、このブログ初の4つものTBがあって、びっくりしました。TBをしてくれた皆様、どうもありがとうございました。
萩国際大学には、支援企業がでてきたようですので、今後どうなるかには注目したいと思います。
さて、このような話題と少しは関連すると思うのだが、いろんな大学でいろんな生き残り策を考えているのでしょうが、勤務先の大学では、最近やたら「総合大学」というのを売りにしようとしている感がある。果たして総合大学の利点とは何なのだろうか。
歴史的にみて、人気のある(受験生が多い)学部はいろいろと変遷している。その意味で、単科大学よりも総合大学の方が、その人気の変動による影響を緩和できるかもしれない。でも、企業などは、多角化に走っていた時代もあるが、事業の選択と集中を進める戦略をとるところもある。
そもそも、学生にとっては何か利点があるのだろうか。これがさっぱりわからない。本部は学生にとって総合大学であることが魅力になるというのだが。学際的な領域というのもあるが、そもそも大学レベルの勉強で、それほど文理融合が魅力になるとは思えない。というか、率直に言って、そんなことで学生は大学を選ばないだろう、と思うのは穿った見方すぎるだろうか。
文理のコミュニケーションの壁
ちょっとタイトルは大げさか。
たとえば、直接関係ないので、リンクでごまかすとして、研究する日々の「ゼミ旅行 」のゼミの話。特にコメントのやりとり。
自分も文系です。ですからゼミ生は30名弱います。これが当たり前。講義も3桁は当然のようにあります(まあ、自分の担当科目のいくつかはマイナー領域なので、2桁も多いですが)。
でも、理系はゼミ生も少ないし、講義の受講生も少ない。で、彼らはそれが当たり前。
この違いを認識しないで、文理のやり方を統合しようと思っても所詮無理。でも、それを推し進める人たち。特に理系がそれに積極的だ。それに反対する文系の意見は彼らに理解されない。
現在は、教学側のトップも理系なので、理系の意見が通りがちだ。そう思うと、東北大が学長選挙を廃止した理由が妙に納得できる。
ちなみに、東北大の学長選挙廃止については、たとえば
をご覧ください。
大学初の再生法申請
たまには速報モードで。
時間の問題だとは思っていましたが、ついにこのような大学がでて、徐々に同じようなケースが出てくるかと思うと・・・。
別のエントリーでも話題になっている生涯賃金の面でも不利、雇用面も不安では、ますますいい人材が来なくなるような。
クールビス
省エネ対策か何か知らないけど(*)、世の中クールビズの言葉が踊り始め、仕事をする上でも軽装が認められるようになってきた。
そもそも、今までは、世に出ると、電車、お店など、冷房が効きすぎの場所が多すぎる。電車の弱冷房車の表示なんて、その典型というか、通常の冷房が効きすぎだと言いたい。百貨店なんて、サービス業なんだから(業種の分類上は、正式には流通業になるのだろうけど、客商売という意味でね)、店員の服装ではなく、客にあわせて冷房温度を設定しろっていいたい。夏の軽装でお店にはいると、逆に風邪ひいちゃうよ。
そんな文句はさておき、大学教員はクールビスが流行る前、いや、すでに死語になった(?)省エネルック以前から、軽装の人が多い。夏にTシャツ、短パンで講義する人だっている(体育系じゃないですよ)。
そこでふと思ったのは、某大学が都心のど真ん中に社会人向け大学院を開設した際、そこでは、学生というお客様に接する教員はきちんとした服装とすることを義務づけたということを明言していた(設立準備委員長が日経新聞のコラムに書いていた)。果たして、今年もしっかりスーツ、またはネクタイ&ジャケット姿なのかなあ。
個人的には、おおむねこの見解に賛成。必ずしも真夏もスーツ(又はネクタイ&ジャケット)である必要もないだろうけど、それなりの服装で接するべきだと思っている。だからTシャツ&短パンなんて、もってのほか。あと、学生の時から許せないと思っていたのは、サンダルで講義すること。
まあ、自分は童顔だった(今でも?)ので、軽装でいると学生と間違えられることが多かったから、数年前まではスーツでいることが多かった。特に、赴任直後なんて、顔を知られていないので、軽装で事務室(の裏の方)にどかどか入っていくと、学生は入るなって注意されたこともある。もちろん、サークルの勧誘も。また、講義中にもかかわらず、教員がいないと思って関係のない学生が入ってくることも経験した。もちろん、スーツ姿の時に、就職活動中の学生と間違われたことも。さすがにもう学生と間違えられることはなくなりましたが。
さて、今日はどんな格好で出勤しようかなあ。
(*)単純に省エネ対策なら、関連市場(まあ、男性衣料)の経済効果が○○○億円なんていうことは関係なく行われなければならないと思う。
ゼミ合宿
前期もそろそろ後半。あと1ヶ月強ともなれば、夏休みである。
夏休みには、自分のゼミでは恒例のゼミ合宿を実施するのであるが、年々、学生が合宿をいやがるようになってきている感がある。その際彼らが言うのは、
(1)お金がかかる
(2)夏休みまで勉強したくない
ということである。今はゼミも普通の講義と変わらない1つの授業でしかないらしい。自分の時には、体育会に属している学生をのぞいて、たいていの学生にとっては大学生活=ゼミ、みたいな感があった。
でも、就職活動の面接では、よっぽど変わった経験がない限り、ゼミの話が多くなるようだ。そして、最近の傾向を見ている限り、内定が比較的早く出る学生は、ゼミに積極的に参加していた学生が多い。でも、そんな話を教員がしてもあまり聞いてくれないので(これは自分の能力の問題か?)、例年、4年生に就職活動の話を折に触れ後輩向けにしてもらっている。しかし、その反応はごく少数の人が関心を持つだけ。大多数はあまり関心を持ってくれないようになったような気がする。確かに就職だけが選択肢ではないのだが。
乱闘手当
未だ週刊ダイヤモンドを読むに至らず。ということで、給与ネタつながりということで。
日経新聞から(他のサイトにも色々出ていますが、)
大阪市など、最近、官のお手盛り手当がいろいろと非難されていますが、これは個人的にも名称が何とも言えません。
安保条約で荒れたのは国会だけではありません。大学も荒れていました(リアルタイムでは経験していませんが)。そのとき、この手当を導入した大学があったらみてみたい。
私大教授の平均給与~週刊ダイヤモンドの広告より
月曜日が新聞の休刊日というころで、日曜日の新聞には、通常月曜日の朝刊に掲載される月曜発売の雑誌の新聞広告が掲載されていた。だから、まだ現物を見ていないのだが、週刊ダイヤモンドの特集は、「給料全調査」。そのなかに、「私大教授 1100万円が相場。週休3日で1300万円も」とあった。
また、記事を読んでから書きたいとは思うが、人間誰でも(と信じたい)、自分の給与は安いと思っていて、もっと欲しいと思っているだろう。だから、金額についてはコメントを差し控えたいが、業界人としては、「週休3日」の表記が気になって仕方ない。
これは大学に行っている日数をもって出勤、そうでない日を休みとしているのだろうか。それとも、講義がある日と会議のある日を出勤日、講義・会議が無い日を(大学に行っても行かなくても良いので)休みとしているのだろうか。
この講義等が無い日にどうしているかはまさに各人次第なのだが、もし、前者の基準ではなく、後者の基準で考えると、同僚には週休5日組が何人もいる。端から見るとうらやましすぎるだろう。週休4日組も相当いるし、週休3日なんて当たり前だ。
ちなみに、週休5日組の中で比較的仲の良い同僚は、研究業績も着実に積んでいるし、講義の無い日にもいろんな学生が研究室を訪ねてきており、講義以外の指導もしっかりしているから、週休2日ぐらいだろうな、実質は。
この点についても、また、記事を読んでから感想を書きたいと思う。
フット・マッサージ
最近の、というかずっとだけど、足裏マッサージに凝ってます。マッサージ後には、血行も良くなり、足の疲れもとれ、すっきりします。
ちょっと前の新聞記事なのでうろ覚えだが、某大学教授が、研究室にフット・マッサージの機械を置いているとあった。ぬるま湯を入れて、振動させるタイプらしいが、いいアイディアだと思った。講義は立ち仕事だし、机に向かって作業しながらマッサージできるなんて。
でも、さすがに研究費でマッサージ器は買えそうもない。もし機械系の研究者ならば、マッサージ器の構造を調べるからなんて言う理由がつけられれば、買えるのかなあ。
採用人事
先日の教授会で、来年度に着任する採用人事を行うことが承認された。
よく、研究等の活性化のために人事の流動化を、なんて言うが、うちの場合、みなステップアップしていく踏み台にしているのか、毎年のように誰かがやめて、誰かが入ってくる。
もちろん、その一方で長きにわたって勤務している人もいる。このような人たちの中には、運良く出身地の大学に勤務できているとか、生活の拠点ができているので、積極的に異動することを望んでいない人もいる。でも、研究業績が優れている人は、結局いなくなる。
で、ポスドクが多いので、このような採用人事によって彼らにアカポスの道が開けていくのかというと、そうではないところが難しい。我々はやっぱりそれなりの業績がある人を採用してしまうからだ。
研究する日々の「人事照会」 のようなことも行われるが、公募だって、結局は同じようなことになる。その人の実力であれ、運であれ、早くにアカポスを得ることができ、研究環境が整い、それを基に研究業績を挙げていく人がさらにステップアップしていく。
最近は、非常勤講師の募集だって、教歴が必要だったり、本務校が必要だったりするケースも多い。
本当に人事って難しいです。
国内留学しようかなあ・・・
研究体制がしっかりしている大学の場合、大学教員として一定年数勤務したならば、国内外の大学等へ留学できる制度や、講義や学内行政が免除されて研究に打ち込めるサバティカル制度がある。
ここのブログのタイトル通り、いまや大学自体が斜陽産業なので、今後の行く末を考えるときに、この留学制度を利用して法科大学院に通うことはできないか、などと考えることがあります。
最近は廃止する大学も増えているようだが、教職員の子弟がその大学に入学した場合、授業料等を免除する制度があるが、もし、自分の勤務先に法科大学院があって、そこに入学したらどうなるだろう、なんて考えると、それはそれでおもしろそうである。免除は無理だろうなあ。じゃあ、奨学金は?これもある程度の所得があるから無理かなあ。で、教壇に立っている人が同僚で、こっちはいいが、向こうはやりにくいだろうなあ、とか。