shiratsuyuのひとことがたり

shiratsuyuのひとことがたり

宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

大変ご無沙汰しておりますお願い

 

昨年10月、押し入れ上段から落ち下顎骨折して治療に勤しんでいました件、今日治癒となり病院通院を終えることとなりました。

完治ではなく治癒ということで、口は3センチ開けることができるのですが前後左右に動かすことができずにいます。

なんとか話すことと食べることはできますので、ぼちぼち生活できていますOK

 

骨折してからずっと家に閉じこもっていたのですが、北翔海莉さん芸能生活25周年記念公演「THE 北翔まつり」開催を知り、あきょんさん(亜聖樹)が出演されることがわかり、観に行ってみよういう気持ちが湧いてきてチケットを取りました。

ぴあではアクセスできず焦りましたがローチケで何とかゲットできましたチョキチケット入手の時初めて病院診察でも使ったことがないマイナカードを使いました爆  笑

 

ものすごく久しぶりの浅草公会堂に行きました。

人の多いことと人力車の多いことに驚きました。人に酔いそうになりながら到着。

 

いやあ楽しかったですラブ

お芝居とショーの2本立て。

みっちゃんと藤山扇治郎さん、もとジェンヌさんの風莉じんさん、星吹彩翔さんそしてあっきょんさんご出演グッ

それにみっちゃんと扇治郎のお子さんよしはるちゃんの初舞台でしたキラキラ

よしはるちゃんしっかりしてむちゃくちゃ可愛いくて食べちゃいたいくらいでしたラブ誰からも愛されること間違いないですラブラブ

 

あっきょんさんの素敵な歌声に癒され元気をもらいましたラブラブ

 

観に行って本当に良かったと思いました拍手

 

宝塚観劇も少しずつ復活しようかなと思っていたら、とてもショッキングで悲しいことが起こりましたえーん

 

エライさんの対応があまりにも理不尽で心無いのに驚きました。

 

お亡くなりになったジェンヌさんのご冥福を心からお祈りいたすとともに二度とこのようなことが起こらないようしっかり事実の追求をお願いしたいと思います。

 

そしてブログのアップはこれでおしまいにしたいと思いますバイバイ

 

こんななんの実のないブログに足をお運びくださいましたこと心より感謝いたしますハートピンクハートグリーンハートブルーハートイエローハート

 

 

 

 

2023年明けましておめでとうございます(今頃爆  笑)

今年スカイステージで放送されました「新春メッセージ」の"今年のモットーを漢字一文字で”を組別にまとめてみました。

 

専科

凪七瑠海:生(いきる)

 

花組

柚香光:結(むすぶ)

星風まどか:精(せい)

水美舞斗:健(すこやか)

永久輝せあ:信(しんじる)

聖乃あすか:敬(けいあいのけい)

 

月組

月城かなと:温(あたたかい)

海乃美月:新(あたらしい)

鳳月杏:愛(あい)

風間柚乃:想(おもう)

 

雪組

彩風咲奈:続(つづく)

夢白あや:彩(いろどり)

朝美絢:拓(たく)

和希そら:新(あたらしい)

縣千:道(みち)

 

星組

礼真琴:勇(いさましい)

舞空瞳:伝(つたえる)

瀬央ゆりあ:破(やぶる)

暁千星:星(ほし)

極美慎:進(すすむ)

 

宙組

真風涼帆:宝(たから)

潤花:愛(あい)

芹香斗亜:心(こころ)

桜木みなと:展(てん)

瑠風輝:楽(たのしい)

 

素敵な漢字が揃いましたねキラキラ

 

コロナ感染による公演中止や週刊誌による暴露などジェンヌさんにとって厳しい状況が続きますが、自身が行っている大変な自主練を信じてめげずに前向きに進んで行かれますようにラブラブラブラブラブラブ

 

 

先月、晴れのお天気が2日続き、久しぶりだったので張り切って押し入れの客用布団をベランダに干し、押し入れの掃除を始めました。調子よく進み終わろうと思った途端、使っていた踏み台が端の方に行ってしまっていて、それを取ろうとした瞬間に、押し入れの上段から落ちてしまいましたガーンあまりの痛さ、口からの出血でご近所さんに助けていただき救急車で病院に運ばれました。

口腔外科に運ばれ、顎の中心と右側左側の骨折が分かりました。

顎の中心は接合手術を受け右左は神経が多いところということで手術なしとなりました。

手術後、上の歯と下の歯がワイヤーで結ばれしばらく安静後退院となりました。

今はワイヤーからゴムに替り通院をしながら過ごしています。

天国から地獄へとはこのことの様な気がしています。

口が開かないので流動食に不鮮明な言葉。

すっかり落ち込んでいます。観劇にも読書にも興味が湧かなく、それで今回の読んだ本のアップで、ブログをしばらくお休みすることにいたしました。

こんなへなちょこブログに足をお運び下さった皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

これからの益々のご活躍を希望してやみません。

本当にありがとうございましたラブラブ<m(__)m>ラブラブ

 

10月に読んだ本のアップです本

 

49)七月隆文著『100万回生きたきみ』

安土美桜と三好光太は17歳で同じ高校の同級生。共に100万回生き直している。美桜は生き直すことに倦み心が擦り切れていて学校の屋上から身を投げる。それを助けたのが光太。光太の口から2人の関係とその運命が語られるという物語。

今から2,500年前の出来事から、生まれ変わりながら今に至る経過の物語が紡がれていくのだが、その物語は結構面白かった。でも2,500年間に100万回生き変わるってどういうこと?というのが頭から離れず、毎日生まれ変わっても100万回にならないよね、物語とはいえ「ありえないんちゃう」という思いにとらわれてしまった。

もっと分かりやすい設定の方が、美桜と光太の愛の物語として感動できたと思う。

ちょっと残念ショボーン

 

50)中村航著『星に願いを、月に祈りを』

小学生の大介、麻里、1学年下のアキオの3人は児童館主催のキャンプで夜中にこっそりホタルを探しに行く。そこで不思議なラジオ放送を耳にする。

次に中学生になった3人。アキオが中心の物語になり、そして高校生になったアキオが小学時代に行ったキャンプに行きまた不思議なラジオ放送を聞く。

そのラジオ放送のキャスターと思われる人の物語が挟まれ、大人になったアキオが中学時代に一目惚れした里崎美紀と結婚するというお話。人を思いやる優しい物語だったが、何が何だか分からなくなることが多く、やはり前に読んだ本に引き続きちょっと残念だったショボーン

 

51)住野よる著『か「」く「」し「」ご「」と「』

書名に付いている「」は何だろう?と読み始めた物語。

高校2年の同級生5人が、人には言えない自分だけが見ることのできる不思議な能力で仲間を思いやる優しい物語で、思いのほか面白かった。

5人一人一人の能力を紹介しながら、5人全体の2年生から3年生の物語が紡がれていく。

相手の頭の上に句点・句読点・ビックリマーク・ハテナマークが見える京(大塚)好きな人の話。

心臓のところにシーソーみたいなバーが見えるミッキー(三木)の天真爛漫な行いと文化祭でのつまづきの話。

1234の数字で人の心のリズム分かるパラ(黒田)の修学旅行での行いの話。

頭の上に現れるスペード(喜)・ダイヤ(怒)・クラブ(哀)・ハート(楽)が大きさでその強さを感じることのできるヅカ(高崎)が、3年生になった仲間と公園でお花見に行きエルの悩みに真摯に向き合う話。

体から出るやじるし(↓・←・↑・→)が見えるエル(宮里)が、10年後に読む手紙を書く話。

エルのヅカ・パラ・ミッキー・京宛てに書いた手紙が胸に刺さった。

高校生活と受験や友達関係に幸あれと思わず祈ってしまった。

 

ご訪問頂き本当にありがとうございました<m(__)m>

 

 

 

 

 

爽やかな季節だと思っていた10月が暑かったり寒かったりでガッカリですね。

コロナ対応もずいぶんユルユルになりましたね。これでいいのか疑問に思っていますが旅行好きの方には嬉しいことでしょう。

私はコロナの4回目接種も終わり、インフルエンザ予防接種を受けて今年の年末まで掃除に明け暮れようと思っていますニコ

 

9月に読んだ本のアップです本

 

44)山村美紗,西村京太郎共著『在原業平殺人事件』

山村美沙氏の未完作品を、生前の約束により西村京太郎氏が完結させた作品。

1999年刊行となっていましたが、書かれたのは何年なのか分かりませんでした。

平安文学を研究する大学の研究者たちが次々殺されていき、その犯人を捜すストーリー。懐かしい感じを受けたストーリー展開でした。

主人公の早川明子の言葉遣いがとても懐かしく今では死語でしょうと思っていたら、週刊誌の新聞広告に“共通語は「○○ですわ」「お嬢様部」って何だ?”と出ていました。その週刊誌を読んでいないし、誌名も忘れてしまいましたが、明子の言葉遣いがまさしく「○○ですわ」目

ストーリー自体ちょっと昔のミステリーという感じでしたが、読みやすくサクサク読めて、殺人でも残酷さを感じることなく、時間潰しにはいいなぁと思った作品でした。

 

45)相沢沙呼著『教室に並んだ背表紙』

中学校の図書室にいる図書委員や図書室に来る生徒と学校司書のしおり(真汐凜奈=ましおりんな)先生が繰り広げる物語。

今どきの中学生の実態が良く描かれていると思えた。

陰キャラと笑われた図書委員の佐竹あおちゃん。間宮さんの読書感想を拝借しようとするあかね。そして間宮萌香は図書委員で2次元キャラが好き。名前をからかわれる漫画家志望の田中涙子(ティアラ)。ネイルが上手な倉田藍琉(アイルー)。最後にシカトとイジメに絶望する三崎衿子。間にしおり先生の中学時代の話を挟み物語が紡がれていく。

どちらかと言うとおとなしいと思える生徒たちの物語が私の気持ちにヒットした。しおり先生の読書のすすめや、しおり先生との絡みによって生徒たちが考えや気持ちをちょっと上げていく様子がとても良かった。学校図書室が保健室とならんで傷ついた心を癒す場所として存在していてほしいと思う。

“寂しくて、迷ってしまった時は物語を読んで(by真汐凜奈)”

 

46)村木嵐著『阿茶』

甲斐の武田信玄に仕える忠重の妻須和(すわ)。須和は時代の状況を読むことに長けていた。

忠重亡き後、その才を買われて徳川家康の側室となり名を阿茶とする。そこで同じ側室の西郷と親しくなる。そして西郷が信じた天主教(キリスト教)に興味を持っていく。

キリスト教が禁教となっていくなか、阿茶はどう生きていくのかという物語になるのかと思っていたら、そうでもなく家康の片腕として家中の仕事をこなしていく物語だった。阿茶にとってキリスト教がどうであったのかということが良く分からないまま物語が終わってしまった。

中途半端な気持ちで読み終え、深読みができない私だと思ってしまった。

 

47)石野晶著『やがて飛び立つその日には』

ハクモクレンの娘の子孫である花守ひばりの物語。

花守の娘はこの世に1人しか存在することができず、女の子を産み、産んだら命を落とすと決められている。そうして命を繋いでいくのが花守の使命。

15歳の誕生日にひばりはこのことを知らされる。

このことを受け入れながらひばりは日々逞しく生きていく。そして大学生になったひばりは蓮と知り合う。

蓮はひばりのことを受け入れ二人で生きていくことを決意。そして・・・。色々多々な恋愛小説がありますが、この2人の愛も素敵だった。

泣かされるし、愛は生きていく上必要不可欠だと小説を読むたび思う。

年齢に関係なく読者を感動させる作家にお礼が言いたいラブラブ

 

48)彩瀬まる著『不在』

漫画家斑木(まだらぎ)アスカ、本名:錦野明日香。明日香の父親が亡くなり、父の遺言により屋敷と土地を相続することになる。母親の離婚に伴い明日香も家を出ており、20数年ぶりに実家を訪れる。

同棲している役者志望の冬馬と片づけを始めることにした明日香は、祖父母と父との生活を思い出す。必要とされなかった愛されなかった過去がよみがえる。

片づけが進むうち冬馬とも諍いを起こし、また漫画の仕事も担当者との意見の食い違いが生じと、何か上手くいかなくなってくる。

そんな明日香の生き方が綴られていく。

面白く読めた。が、書名『不在』の意味が分からなかった。

自分の読解力の無さすぎを自覚されられた作品だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昨日、東京宝塚劇場 月組公演『グレート・ギャツビー』観てきました。

久しぶりに大満足感を味わえた作品でしたラブラブ

 

やー!!すごおぉぉぉぉく良かったです飛び出すハート

 

S席4列目下手側の席でした。

座席番号を見た時、正直期待していませんでした。

前の席だけれど端っこ側って案外真ん中は遠いし観にくいだろうと思っていました。

そうでしたけれど、今回は人の頭がジャマにならず真ん中から下手側まで見通せました。

 

観やすいとストーリーも分かりやすくなって、演じるジェンヌさんもよく分かりと、とても楽しく観劇できました上差し

 

好きなジェンヌさんの多い月組でしたし、まゆぽん(輝月ゆうま)も目立っていたし、何と言っても最後に出てこられたギャツビーの父親役の英真なおきさんが秀逸でした真顔

 

以前スカステで瀬奈じゅんさんのギャツビーを見たことがあるのですが、ギャツビーのお墓にデイジーがとても怖い顔でお花を投げつけたシーンがあり、唖然としたことを覚えていて、あの場面嫌だなぁと思っていましたショボーン

が、今回、その場面、柔らかに放り投げてるシーンになっていて少しホッとしました。その後に英真なおきさんがギャツビーの子供の頃の日記を読むシーンで胸が熱くなり、物語の締めくくりとしてとても良かったと思いました拍手

 

れいこさん(月城かなと)とうみちゃん(海乃美月)最高のトップコンビですねグッその美しさ他の追随を許さないです。演技力も素晴らしく、何と言っても大人なお二人、落ち着きがあり、しかし恋に陥る若さもあり、愛し合う情熱もありの素敵すぎるトップコンビです!大好きですラブラブラブラブラブラブ

 

ちなっちゃん(鳳月杏)とおだちん(風間柚乃)の芝居上手は言うこと無いし、彩みちるちゃんは華やかで目立っていたし、やすちゃん(佳城葵)、礼華はるさん、彩音星凪さん、蓮つかささん、さち花さん、からんちゃん、はーちゃん、それに組長さん(光月るう)副組長さん(夏月都)と、私の好きな月組ジェンヌさんがすべて確認できたことがとても嬉しかったですラブ

 

とても幸せな観劇でした乙女のトキメキ

 

昨日の中秋の名月月見朝のニュースで雲の合間から見れたらいいでしょうと言われましたが、我が家のベランダからもバッチリ綺麗に見えました。ニュースでは(どこのお城か忘れましたが)お城の後ろにお月さまが控えてとても美しい風景が放送されていました。たくさんのギャラリーがスマホを手に見学されていました。皆さん素晴らしい写真を撮ってらっしゃいました満月

コロナ感染者数も少し減ってきていますが、規制が緩くなって大丈夫なんでしょうか?5回目のワクチン接種あるのかなぁ無気力

 

ブログネタが何もなく、細々と続けています。今月読んだ本のアップです本

 

38)森沢明夫著『青森ドロップキッカーズ』

森沢明夫さん青森三部作の第2作目。

青森を舞台に、カーリングというスポーツを通じて、それぞれの境遇に立ち向かいながら前を向いて進んでいく爽やかな物語。

カーリングの精神は①カーラーは、不当に勝つなら、むしろ負けを選ぶ。②カーラーは、ルールを違反したとき、自ら申告する。③カーラーは、思いやりを持ち、常に高潔である。

いいですね!この精神!世の中の人すべてこうなら何のいざこざも起こらないですね!

苗場宏海(なえばひろみ)、いじめられっ子の中学3年生。沢井柚香(さわいゆうか)、金メダルを狙うカーリング選手。宏海が学校で配られた「カーリング体験」に応募し、会場で指導者の柚香と出会う。宏海はカーリングに魅せられ、のめり込んでいく。そして、宏海、柚香、宏海の幼友達雄大、柚香の妹陽香で「青森ドロップキッカーズ」という凸凹チームを結成。ナント楽しいチームなんだろうか。気持ちがほこほこしてくる。

そして宏海と雄大はカーリングの強豪高校に合格。高校日本一まであと一歩!そこで起こったことは?

人生そんなうまくはいかないけれど、感動は日本一。

“爽快でしみじみ泣ける青春カーリング小説”その通り上差し

森沢明夫さんは船橋出身。とても嬉しい照れ

 

39)赤川次郎著『東京零年』

毎夏発行される新潮社・角川書店・集英社の文庫本カタログ。これを手にするのを楽しみにしています。面白そうな本ピックアップし、図書館の読みたい本に登録。予約の多い本とそうでない本が一目でわかり、予約の多い本はすぐ予約をかけ辛抱強く順番を待ちます。そして待ちの無い本は読みたいとき予約すると直ぐに借りられます。

こうして待ちの無くなった時に借りたのがこの本。

余りの分厚さに「うっ」となったのですが、案外スムーズに読むことができました。面白かったです。

反戦集会の代表者永沢浩介の長女、永沢亜紀。検察官トップの生田目重治の長男、生田目健司。

2人の出会いと父親同士の関係。公権力が動くとどんなことでも可能となりまた不可能にもなるという怖ろしい現実を知らしめられながら、亜紀と健司は愛を育む。

現実はどうかなど考えず物語の世界だけを楽しみ、話の展開や読みやすさにさすがに赤川次郎さんと思いながら読み終えました。

 

40)原田ひ香著『三千円の使いかた』

御厨美帆が中学生の時に聞いた祖母の言葉“人は三千円の使い方で人生が決まるよ”で始まる物語。

現在24歳OL美帆、美帆の祖母73歳の琴子(夫死亡の未亡人)、美帆の姉井戸真帆、真帆・美帆の母智子、それに琴子の園芸友達小森安生、美帆の恋人翔平の7人がお金の使いかたについての物語を紡ぎます。

自分の参考にはならないが、それぞれの価値観で紡がれるお金の話が面白かった。

節約ヨシ!年齢にとらわれず仕事で稼ぐのヨシ!お金に頓着しないヨシ!金融商品に気を掛けてコツコツ貯めるのヨシ!人間投資もヨシ!

いろんなお金の使いかたアリですね。


41)藤岡陽子著『金の角持つ子どもたち』

私が中学受験に抱いていた思いを覆してくれた作品。素晴らしかった。

努力することの大切さ素晴らしさををあたらめて再認識することができ、登場人物にすっかり魅せられてしまった。

小6の俊介と母菜月そして塾講師加地の3人。第1章菜月、第2章俊介、第3章加地が中心となって物語が紡がれていく。

俊介が中学受験をしたいと言い出すところから話が始まり、応援しようと仕事を始める菜月。塾で苦戦しながら奮闘する俊介。俊介の心の闇を知り受験の大切さを教える加地。

育った家庭のため高校中退の菜月は、保母資格を獲得するため高卒認定からチャレンジする。

妹の先天性難聴は自分の所為だと苦しんでいる俊介は、科学部がある国立の中学校に行きたいと希望する。

できなかったことができるようになる。知らなかったことを知る。そんな頑張る子供は頭に金の角が生えるという加地。

この3人が織りなす物語に未来を切り開く努力の大切さを思いっきり知らされ、感動!さらに感動!させられた!

「子どもには成長しようとする本能が備わっている。」(by加地)

 

42)小池真理子著『神よ憐れみたまえ』

学校行事で箱根に合宿中に両親を惨殺された百々子12歳~62歳の激動の人生模様を描き出す。

序章と終章に分けられている。

序章では1963年(昭和38年)~1975年(昭和50年)の物語。両親が殺害され、両親を亡くした百々子が家政婦のたづの家で生活し、たづに愛され大事にされ、家族とも仲良く楽しく生活している様子が描かれる。その後惨事のあった家が建て替えされ祖父母が住むようになり百々子もそこに移り住む。百々子は大學を卒業しピアノ教師や結婚式場のピアノ演奏者として自立する。

母の父違いの弟が百々子を労り親切にするが、その弟の本性が明らかになった時・・・!?

終章は父母殺しの犯人を知った百々子の心情や、結婚しその後離婚し函館に移住し穏やかな生活の中で若年性認知症を発症する百々子が描かれる。

序章が9割、終章が1割で構成されていた。

長い長い序章の最後に、百々子の親殺しの犯人が自殺し、百々子がそれを知るという展開。これがすごく残念に思えた。

ミステリー小説ではないにしても、犯人には警察官に逮捕され、ちゃんと罪を認め罪を償ってほしいと思った。自殺なんてやり切れないよムキー

“圧巻の一代記”と新聞の評者は書いていたが、私は面白く読めたが感動には至らなかったな。

 

43)宇山佳佑著『ひまわりは恋の形』

著者の宇山佳佑さん!あなたはどれだけの恋の形を生み出してくれるのでしょうか?またまた泣かされてしまったえーん

若い恋人の物語にこの歳になっても泣いてしまったよえーん

就職活動に失敗続きの葵井日向(あおいひなた)がスマホアプリで見つけた「桜の花びらを集める」バイト。そのバイトが縁で知り合った雪野雫(ゆきのしずく)。

日向は雫に一目惚れ。しかし雫は1年でたった7日間しか起きていられない病に侵されていた。睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンが異常分泌され止まらなく病気。紫外線を浴びないことが要求される病気。それでも日向と雫は愛を育む。

雫の好きな花はひまわりひまわりひまわりの花言葉は渡す本数で変わっていく。1本は「一目惚れ」、3本は「愛の告白」、7本は「秘かな愛」、11本は「最愛」、99本は「ずっと一緒にいよう」。そして108本は「結婚しよう」。

病を持っている雫を愛し続ける日向。しかし病を持ったのは雫だけではなかった。この展開、すごいわ!涙なくして読み進めることができなかった。

ただただ悲しくてもう涙が溢れてくる。

でも気持ちは温かくなる。誰かを思う愛の物語。涙って流すと心が温かくなるように思う・・・・・ヒマワリヒマワリヒマワリ

 

 

 

 

 

昨日の8月10日は、東京宝塚劇場で花組公演を観劇する予定になっていました。コロナ感染で9日まで休演でしたがやはり危惧していた通り休演が延長され14日前半までとなってしまいました。たった1回だけの観劇予定が儚く消えてしまいましたえーん

大阪の堺市に住む妹夫婦もコロナに感染し、7日間入院3日間自宅待機となり、昨日晴れて自由の身となりましたアセアセ夫婦とも発熱し調べたらコロナだったそうです。いつ感染したのか全然分からないそうですよ。いつだれでも感染する可能性があるようですね。

私の4回目接種予約が取れました。接種してきます予防接種病院

 

7月に読んだ本のアップです本

 

33)若木未生著『われ清盛にあらず』

平清盛の弟、平頼盛の物語。

壇ノ浦の戦で平家が滅んだと思っていたら、頼盛1党は残っていた!

頼盛は平忠盛の正妻の子。母は家督を頼盛に継がせたいと考えていたが、頼盛は「めんどうくさい」が口癖で武人らしい闊達さや覇気にかけ、棟梁になる気はない。清盛を尊敬し平家は清盛が継ぐべしと考えている。

そんな頼盛の物語、案外面白かった。

歴史の表舞台には現れないし、私も名前を知らなかったが、物語と分かっていながら、あの時代にこんな呑気っぽい武士がいたことに驚きと救いを感じながら読んだ。

平氏が壇ノ浦で戦っている時に源頼朝と面会するため鎌倉に向かっていた頼盛。清盛から「ヨリ」と呼ばれ親しまれていた頼盛。

テレビドラマ等の主人公になることは無いでしょうが、私はがむしゃらに戦う人より好きだなと思った。

今まで埋もれていた人物を、多くの参考文献を読み込んで見つけ出し、独自の人物像を作り上げ物語を紡ぐ著者の力量に感心した。

 

34)原田マハ著『リボルバー』

マハさんお得意の画家にまつわる物語。しかもマハさんの大のお気に入りゴッホとゴーギャンじゃ力が入りますよね。とても面白かった。

ゴッホ「ひまわり」とゴーギャン「タヒチの女」(共に複製画)が飾られた部屋で少女時代を過ごした高遠冴は、フランス・パリ大学で修士号を取り、奇跡的にパリにある極小オークション会社に就職できた。そして、まだまだフランスに残り<後期印象主義における芸術的交流:ファン・ゴッホとゴーギャンを中心に>というテーマで博士論文に挑戦するつもりでいる。そんな冴の勤める会社にゴッホの自殺に使われたものだという錆びついたリボルバーが持ち込まれる。

それは本物か⁉預かり調査・鑑定をすることになる。

冴の博士論文テーマに沿った物品。調査に力の入る冴!

冴がマハさんとかぶってしまって、とても迫力のある物語になっていた。特にゴーギャンの画家生活は知らなかったので、ゴーギャンの苦しい生活でも面白く読むことができた。

物語の結末も爽やかで気持ちのいいものだった。

読ませてくれます!原田マハ!良かったキラキラキラキラキラキラ

 

35)杉本苑子著『竹ノ御所鞠子』

1991年6月に書かれた作品。

2021年11月25日改版発行となっていました。

2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』放送によるものでしょう。

私は大河ドラマを見ていないし、鎌倉時代も全然と言っていい程興味がありません。

たまたま図書館で見つけ、もう亡くなった著者なのに新しい装丁だなぁと手に取り借りることにし、読みました。

とても面白かったです。というより読ませますね。

杉本苑子氏の筆の力に圧倒され、さすがだと感心させらました。

鎌倉幕府2代将軍・源頼家の娘鞠子とその母苅藻の頼家亡き後の波乱の物語。

母と娘、人里離れた竹ノ御所で世間から隠れて慎ましく穏やかに過ごしていた。母苅藻の願いは鞠子の幸せだけ、静かに安らかに生きてほしいと。そして鞠子は家臣の六郎と結ばれ女児も生まれ幸せに暮らしていた。だが、頼朝系統の男子全てがいなくなり、鞠子に4代将軍の妻になれとのお達しがくる・・・。

自分の意志ではどうすることもできない悲運!

残酷な最後だったが、読み物としてはとても読み応えのある作品だと思えた。

 

36)山本文緒著『プラナリア』

「プラナリアとは三岐腸目のプラナリア科に属する扁形動物の総称」との説明書きが巻頭に!全然分からない????とにかく切っても切っても死ななくて再生する生き物らしい。

そのことを頭の隅において読み始めた。

「プラナリア」「ネイキッド」「どこかではないここ」「囚われ人のジレンマ」「あいあるあした」の5編からなる短編集。

“現代の無職をめぐる心模様を描いて共感を呼んだベストセラー短編集。直木賞受賞作品”とのこと。

それぞれ嫌にならず読めたが全然心に残らない。次のを読むと前作の内容を忘れてしまう。何も感想が書けない作品集だった。

 

37)まさきとしか著『あの日、君は何をした』

あまりに結末が何というかモヤモヤして読み始めの面白さが無くなってしまったもったいなさを感じた小説だった。

2004年の悲劇から始まり、15年後2019年の殺人事件の犯人捜し。その犯人が○○で、○○が「前世療法」という精神医学に影響されたものだった。という何ともやりきれなさを感じた結末だった。

2019年の事件解決に乗り出す三ツ矢秀平と田所岳斗のコンビは中々良かったし、特に三ツ矢の性格を作っている生い立ちなどが面白いと感じた。が、犯人と動機がちょっと受け入れがたいものだった。

 

もう2週間ほど前になるのですが、東京宝塚劇場星組公演『めぐり会いは再び/Gran Cantante!!』を観てきましたキラキラキラキラキラキラ

 

この頃少しテンション下がり気味な宝塚観劇ですショボーン

 

観客の相変わらずのおしゃべりに閉口しています。コロナ感染者数が少なくなっていた時なんですが、お隣の席の方が、水分補給のためマスクを外しそのままお連れの方とおしゃべりしていましたガーン

 

それに、いくら申し込んでも一回しか当選しないし、その当選がちょっと残念な席だし、友の会先着と一般発売がログインさえできなかったことなどから宝塚から拒否されているような気分になっていますうーん

 

ですが、この星組公演は楽しかったです飛び出すハート飛び出すハート飛び出すハート

 

お芝居の方はわちゃわちゃして筋が分からなくなってしまいましたが、楽しい気分で見続けることができました。

 

ショーの方はもっと楽しく、ことちゃん(礼真琴)の凄さに圧倒されて観ることができましたクラッカー

 

でも、あのジェンヌさん素敵だったなぁとか、あのキラリとしたジェンヌさんはどなただろうなど注目ジェンヌさんを見つけることができなかったのが残念でしたえーん席の所為?

 

観れば観るほど好きになっていくのが宝塚の楽しいところでいいところですねドキドキ

 

それが最近出来ていないのが悲しく心が離れていくところなのかなぐすん

 

安倍元総理大臣が凶弾に倒れたニュースは本当にショックでした。でもその後統一教会のことを知り気持ちが揺れています。犯人が絶対的に悪いと思えなくなっています。

犯人を擁護するつもりはありませんが、犯行に及んだ背景を知り、同じ事件が起こらないようどうすればいいのか政治家・マスコミそして私たちで考えねばですね。

 

6月に読んだ本のアップです本

 

27)寺地はるな著『水を縫う』

高校1年生になった松岡清澄(きよすみ)。祖母・文枝、母・さつ子、姉・水青(みお)と一緒に住んでいる。
清澄は裁縫が得意で特に刺繍が大好き。

姉が結婚することになり、可愛い格好にトラウマを感じている姉はウエディングドレスを着ないという。いろいろ説得した結果、姉のウエディングドレスを清澄が作ることになる。しかし、なかなか気に入るものができず、仕方なく母と離婚して別居中の父に相談に行く。

デザイナー志望だったが挫折した父。その父が水青のために考えたウエディングドレスに白の刺繍糸で刺繍を施すことにした清澄・・・。

関西弁で喋る登場人物に親近感を持ち、それぞれの登場人物がゆっくりふんわりと前進していく姿がすごく好ましかった。

とても読後感いい物語だった。

 

28)益田ミリ著『一度だけ』

離婚し介護ヘルパーとして働く弥生と、同居する妹・派遣社員ひな子。姉妹の母淑江と淑江の妹清子の4人が織りなすお話。

夫と死別している清子がひな子を誘ってブラジル旅行に行くところから始まる。

妹をだけを誘ったことが気に入らない弥生。

旅行メンバーの夫婦の独身の息子たちに目を付けたひな子。

男運がない娘たちから距離を置きたいと考える淑江。

1人を満喫したいと思う清子。

がむしゃらにではなく、それぞれがそれぞれに第一歩を踏み出そうとしている姿が微笑ましく感じられ、さらっと読み進めることができた。

巻末に淑江と清子と弥生・ひな子の漫画が描かれていて、小説のイメージと違わず面白かった。

ハラハラドキドキも無く、肩が張らない、それでいてなんとなく面白味が感じられ、27)で読んだのと共通の読後感いい物語だった。

 

29)辻村深月著『琥珀の夏』

理想の子供の学校を目指して作られた<ミライの学校>の跡地から白骨死体が発見されるという事件があり、弁護士・近藤法子のもとに自分の孫かもしれないので確かめてほしいという依頼がくる。というところから物語が始まる。

<ミライの学校>は法子も小学4・5・6年生の時サマースクールに参加していて、他人事と思えなかった事件だった。

白骨死体は誰か?サマースクールで知り合った子供たちはどうしているのか?今はどうなっているのか?

<ミライの学校>に参加していた当時のノリコや、そこで知り合ったミカ・シゲルとの話と、今の弁護士の法子と美夏・滋の話が交互に紡がれ物語が進んでいく。

躊躇しながらも美夏の弁護を引き受ける法子。

事件の真相を知った時の胸苦しさ!

親から引き離し子供たちだけで自立した生活していくという<ミライの学校>の理想は本当に子供を幸せにするのだろうかとの疑問!

文中の「お父さんとお母さんに、会えますように」と祈る小学1年生になるミカの言葉が切なくて、“子供は親を選べない”を思い出し、すべての子供が幸せであることを祈りながら読み終えた。

裁判での法子の言葉“子どもを保護する義務や責任を放棄したのは大人たちです”に胸が震えた。

読み応えのある小説だった。

 

30)佐藤青南著『連弾』

めっちゃ!面白い!推理小説だった。爆  笑

複雑そうでありながら、分かりやすいストーリー展開。

えっ!この人誰だっけかな?と迷子になることなく、どんどん読み進めていくことができた。

世田谷の高級住宅街にある公園で男の遺体が発見された。警視庁捜査1課の音喜多弦(おときたげん)は玉堤署刑事課の鳴海桜子(なるみさくらこ)とコンビを組んで捜査に当たることになった。

鳴海は音大出身の警察音楽隊志望者。

音喜多は戸惑いながらも鳴海と捜査を開始する。

事件のカギを握るのは今を時めく指揮者篁奏(たかむらかなで)。彼のの小学生から今に至るストーリーと殺人事件が起きた今と交互に話が進められていく。

ディスレクシア(失読症)の篁と相貌失認の鳴海。ハンディを抱えながらそれぞれの取った生き方がこの物語に影と光を与える。

久しぶりに寝るのを忘れて読みふけってしまった小説だった。

 

31)瀬尾まい子著『夏の体温』

2編の短編小説と教科書に載った1編からなる。

私の好きな瀬尾まい子さんにしてはちょっと物足りなさを感じた3編だったが、やはり温かい気持ちにさせられるのは間違いなしニコニコ

夏の体温:足にあざができるようになり、検査の結果、血小板減少が分かり治療のため長期入院中の小学3年生・高倉瑛介。退屈な日々の連続でストレスが溜まっていた。その病棟に同じ3年生の田波壮太が低身長検査で入院してくる。2人は気が合い一緒に遊ぶ。2人で過ごした短いが充実した時間。それは、読者に2人の未来にきっと希望を届けてくれると確信できるものだった。

魅惑の極悪人ファイル:大学生で小説家の大原。彼女は次回作のため捜していたストブラ(腹黒)。紹介されたのが倉橋。彼は取材を快く受ける。小説のために取材していくうちに、大原と倉橋の微妙な奇妙な関係性が生れてくる。

“どちらもイイ人ちゃうん”と思える面白さがあった。

花曇りの向こう:中学入学と共に祖母に家に越して、新しい中学に入学した明生。中々打ち解けられない日々。小さな駄菓子屋で見つけた梅干しのお菓子。それを手に取った川口君。明生のこれからの中学生活がほんのりと想像できる素敵なシーン!

 

32)富安陽子著『博物館の少女;怪異研究事始め』

著者が児童文学者だから?偕成社発行だから?

YAコーナーに置いておくのはもったいない!

すごく面白かった!

大阪の道具屋の娘だった花岡イカル。父に可愛がられ道具屋の店先にちょこんと座って父の仕事を見ているイカルだった。

しかし、13歳の時父と母が相次いで亡くなり、ひとりぼっちになったイカルは母の遠い親戚にあたる東京の大澤家に引き取られる。

ひょんなことでイカルの目利きの腕が見込まれ上野公園の博物館で仕事をすることになる。

実在の人物として、織田賢司(信長直系の子孫)・田中芳男(博物館2代目館長)・河鍋トヨ(河鍋暁斎の娘)が登場し物語に厚みをもたらしている。

台帳と収蔵品のチェックから始まる紛失物に絡んだ怪事件!

ワクワクしながら読み進め、怪異に対しても納得できる結末だった。

ルビが初めの1回だけでなく付けられていたことも有り難かった。

富安陽子さんの作品もっと読んでみたくなりました。

 

 

東京宝塚劇場 花組公演 宝塚友の会 第2抽選で当選したS席が1階14列一番右端だったので、一番右端は見にくいと思い、やり方さえ忘れていた6月12日の先着順にトライすることにしました。

2020年から抽選しか申し込んでいなかったので、上手くいくのか不安でしたが、9時30分にスタンバイ、そして「宝塚歌劇Webチケットサービス」にログインしようとしたら、ログインできませんでした滝汗

ひゃー!!ログインさえできないなんて初めてですガーン

こんなことになっていたのですね。

もう自力ではチケット取れないですねえーん

抽選で当選した席に文句タラタラな私でしたが、チケット入手したことに感謝しなくてはと思い直しました真顔

 

5月に読んだ本のアップです本

 

22)藤岡陽子著『きのうのオレンジ』

イタリアンレストランの店長笹本遼賀33歳。同い年の笹本恭平は高校の体育教師。2人は双子と誤解されているが、恭平は遼賀の母の双子の妹の子。妹が出産後亡くなり遼賀の母が育てた。と、ややこしい関係だが、2人は仲良く育つ。

遼賀が悪性腫瘍と診断されるところからこの物語は始まる。

遼賀が診察を受けた病院に高校の同級生、矢田泉が看護師として勤務しており、遼賀の仕事、恭平の仕事、泉の恋愛などでこの物語が紡がれていく。

父と一緒に3人で冬山登山をした15歳の時の出来事が2人の心の中に刻まれていて、その時の想いがこの物語の中ずっと流れている。

遼賀と恭平の兄弟としての関わり合いも良かった。

オレンジは果物のオレンジではなく、冬山登山の時履いていた靴の色。読んでいる途中に分かり、この書名の優しさに気付いた。

 

23)森沢明夫著『津軽百年食堂』

先月に読んだ『ライアの祈り』と今回の『津軽百年食堂』に未読の『青森ドロップキッカーズ』で「青森三部作」となるそうです。

“津軽・・→青森ドロップ・・→ライア・・”の順で読めば話がつながり最高に面白い(著者談)そうです。

私は『ライア・・』を先に読んで青森三部作に気付き、今回この『津軽・・』を読んでみました。

順番で読んだ方が良かったかなとは思いましたが、この物語単体でも十分面白くとても良かったです。

今回は弘前で百年続いている津軽蕎麦を提供している「大森食堂」の物語。

初代賢治・三代目哲夫・その息子(四代目なるか?)陽一と恋人で写真家の筒井七海が弘前と東京で織りなす物語。

洋一と七海の出会い、弘前での陽一の姉(桃子)や同級生との交わりなど面白くて優しい交流に感動を覚えた。

森沢明夫さん!すごくイイ!

 

24)土橋章宏著『いも殿様』

徳川幕府の天領、石見銀山領の第19代代官、井戸平左衛門正明(いどへいざえもんまさあきら)の代官時代の物語。

大飢饉最中、享保16年に代官に就任し、年貢と飢えに苦しむ領民を救うために行った政策は、島根県大田市で今も語り継がれて、井戸公の功績を讃えている。

甘いもの好きで、特別なお菓子のご褒美に釣られて、石見銀山行きを承諾した平左衛門。その地に辿り着いた彼が見た過酷な状況。その彼が取った解決策は薩摩のご禁制唐芋をこの地に植えることだった。

江戸から連れて行った井戸家用人尾身藤十郎の活躍共々とても面白く読めた。

世界遺産となった石見銀山の江戸時代の苛酷さを知ることになったが、分かりやすく読みやすく、登場人物を好きになれる楽しい物語でした。

 

25)福井県立図書館編著『100万回死んだねこ;覚え違いタイトル集』

読みたい本を捜しに来た利用者さんに本のある場所を教えるのは司書の大切な仕事。そして肝心の書名があやふやな場合や本の場所が分からない時に力を発揮するのが司書の喜び。

「この本はどこにありますか?」と聞かれたら「はい、こちらです。」と答えたいと常に考えている司書が、覚え違い書名のリストアップ集を作り司書間で共有しようと考えたもの。

「おしい!」「それはタイヘン!」「気持ちはわかるけど・・・」「ん?」「なんかまざってます!」「なんかコワいっす・・・」「よくわかりましたね!」「お名前がちょっと・・・」に分類した覚え違い書名を楽しく読みました。

面白いです。私など常に言いそこ間違いだらけの生活をしているので、間違えた利用者さんに大いに共感しました。

 

26)若竹七海著『パラダイス・ガーデンの喪失』

相模湾の中央に突き出た葉崎半島にある楡ノ山西峰地区。そこに千坪近い土地を借り、庭造りを始めた兵藤一家。30年経ち、父が亡くなり母が亡くなり娘房子がパラダイス・ガーデンと名付けられた庭をお世話している。そのパラダイス・ガーデンで老女の死体が発見されるところからこの物語が始まる。

その老女は誰?自殺か他殺か?房子の母の友人やその他雑多な登場人物に葉崎警察署の刑事二村貴美子が加わって事件解決へ向けて話が進んで行くと思いきや、新たな殺人や子供の誘拐などが起こり、もう名前を聞いてもこの人誰だっけ状態になりながら、何とか最後まで読み進めた。が最後でもこれ誰?となってしまった作品だった。

年齢を重ねると、小説を読んでても覚えられる人の名や出来事がだんだん少なくなっていくんだと改めて自覚してしまいました。

まぁ最後まで読み通せることができたことに作者の腕を称賛したい気になりました。