爽やかな季節だと思っていた10月が暑かったり寒かったりでガッカリですね。
コロナ対応もずいぶんユルユルになりましたね。これでいいのか疑問に思っていますが旅行好きの方には嬉しいことでしょう。
私はコロナの4回目接種も終わり、インフルエンザ予防接種を受けて今年の年末まで掃除に明け暮れようと思っています![]()
9月に読んだ本のアップです![]()
44)山村美紗,西村京太郎共著『在原業平殺人事件』
山村美沙氏の未完作品を、生前の約束により西村京太郎氏が完結させた作品。
1999年刊行となっていましたが、書かれたのは何年なのか分かりませんでした。
平安文学を研究する大学の研究者たちが次々殺されていき、その犯人を捜すストーリー。懐かしい感じを受けたストーリー展開でした。
主人公の早川明子の言葉遣いがとても懐かしく今では死語でしょうと思っていたら、週刊誌の新聞広告に“共通語は「○○ですわ」「お嬢様部」って何だ?”と出ていました。その週刊誌を読んでいないし、誌名も忘れてしまいましたが、明子の言葉遣いがまさしく「○○ですわ」![]()
ストーリー自体ちょっと昔のミステリーという感じでしたが、読みやすくサクサク読めて、殺人でも残酷さを感じることなく、時間潰しにはいいなぁと思った作品でした。
45)相沢沙呼著『教室に並んだ背表紙』
中学校の図書室にいる図書委員や図書室に来る生徒と学校司書のしおり(真汐凜奈=ましおりんな)先生が繰り広げる物語。
今どきの中学生の実態が良く描かれていると思えた。
陰キャラと笑われた図書委員の佐竹あおちゃん。間宮さんの読書感想を拝借しようとするあかね。そして間宮萌香は図書委員で2次元キャラが好き。名前をからかわれる漫画家志望の田中涙子(ティアラ)。ネイルが上手な倉田藍琉(アイルー)。最後にシカトとイジメに絶望する三崎衿子。間にしおり先生の中学時代の話を挟み物語が紡がれていく。
どちらかと言うとおとなしいと思える生徒たちの物語が私の気持ちにヒットした。しおり先生の読書のすすめや、しおり先生との絡みによって生徒たちが考えや気持ちをちょっと上げていく様子がとても良かった。学校図書室が保健室とならんで傷ついた心を癒す場所として存在していてほしいと思う。
“寂しくて、迷ってしまった時は物語を読んで(by真汐凜奈)”
46)村木嵐著『阿茶』
甲斐の武田信玄に仕える忠重の妻須和(すわ)。須和は時代の状況を読むことに長けていた。
忠重亡き後、その才を買われて徳川家康の側室となり名を阿茶とする。そこで同じ側室の西郷と親しくなる。そして西郷が信じた天主教(キリスト教)に興味を持っていく。
キリスト教が禁教となっていくなか、阿茶はどう生きていくのかという物語になるのかと思っていたら、そうでもなく家康の片腕として家中の仕事をこなしていく物語だった。阿茶にとってキリスト教がどうであったのかということが良く分からないまま物語が終わってしまった。
中途半端な気持ちで読み終え、深読みができない私だと思ってしまった。
47)石野晶著『やがて飛び立つその日には』
ハクモクレンの娘の子孫である花守ひばりの物語。
花守の娘はこの世に1人しか存在することができず、女の子を産み、産んだら命を落とすと決められている。そうして命を繋いでいくのが花守の使命。
15歳の誕生日にひばりはこのことを知らされる。
このことを受け入れながらひばりは日々逞しく生きていく。そして大学生になったひばりは蓮と知り合う。
蓮はひばりのことを受け入れ二人で生きていくことを決意。そして・・・。色々多々な恋愛小説がありますが、この2人の愛も素敵だった。
泣かされるし、愛は生きていく上必要不可欠だと小説を読むたび思う。
年齢に関係なく読者を感動させる作家にお礼が言いたい![]()
48)彩瀬まる著『不在』
漫画家斑木(まだらぎ)アスカ、本名:錦野明日香。明日香の父親が亡くなり、父の遺言により屋敷と土地を相続することになる。母親の離婚に伴い明日香も家を出ており、20数年ぶりに実家を訪れる。
同棲している役者志望の冬馬と片づけを始めることにした明日香は、祖父母と父との生活を思い出す。必要とされなかった愛されなかった過去がよみがえる。
片づけが進むうち冬馬とも諍いを起こし、また漫画の仕事も担当者との意見の食い違いが生じと、何か上手くいかなくなってくる。
そんな明日香の生き方が綴られていく。
面白く読めた。が、書名『不在』の意味が分からなかった。
自分の読解力の無さすぎを自覚されられた作品だった。