7月の読書 | shiratsuyuのひとことがたり

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宝塚観劇や読書の備忘録としてひとこと感想を

昨日の8月10日は、東京宝塚劇場で花組公演を観劇する予定になっていました。コロナ感染で9日まで休演でしたがやはり危惧していた通り休演が延長され14日前半までとなってしまいました。たった1回だけの観劇予定が儚く消えてしまいましたえーん

大阪の堺市に住む妹夫婦もコロナに感染し、7日間入院3日間自宅待機となり、昨日晴れて自由の身となりましたアセアセ夫婦とも発熱し調べたらコロナだったそうです。いつ感染したのか全然分からないそうですよ。いつだれでも感染する可能性があるようですね。

私の4回目接種予約が取れました。接種してきます予防接種病院

 

7月に読んだ本のアップです本

 

33)若木未生著『われ清盛にあらず』

平清盛の弟、平頼盛の物語。

壇ノ浦の戦で平家が滅んだと思っていたら、頼盛1党は残っていた!

頼盛は平忠盛の正妻の子。母は家督を頼盛に継がせたいと考えていたが、頼盛は「めんどうくさい」が口癖で武人らしい闊達さや覇気にかけ、棟梁になる気はない。清盛を尊敬し平家は清盛が継ぐべしと考えている。

そんな頼盛の物語、案外面白かった。

歴史の表舞台には現れないし、私も名前を知らなかったが、物語と分かっていながら、あの時代にこんな呑気っぽい武士がいたことに驚きと救いを感じながら読んだ。

平氏が壇ノ浦で戦っている時に源頼朝と面会するため鎌倉に向かっていた頼盛。清盛から「ヨリ」と呼ばれ親しまれていた頼盛。

テレビドラマ等の主人公になることは無いでしょうが、私はがむしゃらに戦う人より好きだなと思った。

今まで埋もれていた人物を、多くの参考文献を読み込んで見つけ出し、独自の人物像を作り上げ物語を紡ぐ著者の力量に感心した。

 

34)原田マハ著『リボルバー』

マハさんお得意の画家にまつわる物語。しかもマハさんの大のお気に入りゴッホとゴーギャンじゃ力が入りますよね。とても面白かった。

ゴッホ「ひまわり」とゴーギャン「タヒチの女」(共に複製画)が飾られた部屋で少女時代を過ごした高遠冴は、フランス・パリ大学で修士号を取り、奇跡的にパリにある極小オークション会社に就職できた。そして、まだまだフランスに残り<後期印象主義における芸術的交流:ファン・ゴッホとゴーギャンを中心に>というテーマで博士論文に挑戦するつもりでいる。そんな冴の勤める会社にゴッホの自殺に使われたものだという錆びついたリボルバーが持ち込まれる。

それは本物か⁉預かり調査・鑑定をすることになる。

冴の博士論文テーマに沿った物品。調査に力の入る冴!

冴がマハさんとかぶってしまって、とても迫力のある物語になっていた。特にゴーギャンの画家生活は知らなかったので、ゴーギャンの苦しい生活でも面白く読むことができた。

物語の結末も爽やかで気持ちのいいものだった。

読ませてくれます!原田マハ!良かったキラキラキラキラキラキラ

 

35)杉本苑子著『竹ノ御所鞠子』

1991年6月に書かれた作品。

2021年11月25日改版発行となっていました。

2022年NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』放送によるものでしょう。

私は大河ドラマを見ていないし、鎌倉時代も全然と言っていい程興味がありません。

たまたま図書館で見つけ、もう亡くなった著者なのに新しい装丁だなぁと手に取り借りることにし、読みました。

とても面白かったです。というより読ませますね。

杉本苑子氏の筆の力に圧倒され、さすがだと感心させらました。

鎌倉幕府2代将軍・源頼家の娘鞠子とその母苅藻の頼家亡き後の波乱の物語。

母と娘、人里離れた竹ノ御所で世間から隠れて慎ましく穏やかに過ごしていた。母苅藻の願いは鞠子の幸せだけ、静かに安らかに生きてほしいと。そして鞠子は家臣の六郎と結ばれ女児も生まれ幸せに暮らしていた。だが、頼朝系統の男子全てがいなくなり、鞠子に4代将軍の妻になれとのお達しがくる・・・。

自分の意志ではどうすることもできない悲運!

残酷な最後だったが、読み物としてはとても読み応えのある作品だと思えた。

 

36)山本文緒著『プラナリア』

「プラナリアとは三岐腸目のプラナリア科に属する扁形動物の総称」との説明書きが巻頭に!全然分からない????とにかく切っても切っても死ななくて再生する生き物らしい。

そのことを頭の隅において読み始めた。

「プラナリア」「ネイキッド」「どこかではないここ」「囚われ人のジレンマ」「あいあるあした」の5編からなる短編集。

“現代の無職をめぐる心模様を描いて共感を呼んだベストセラー短編集。直木賞受賞作品”とのこと。

それぞれ嫌にならず読めたが全然心に残らない。次のを読むと前作の内容を忘れてしまう。何も感想が書けない作品集だった。

 

37)まさきとしか著『あの日、君は何をした』

あまりに結末が何というかモヤモヤして読み始めの面白さが無くなってしまったもったいなさを感じた小説だった。

2004年の悲劇から始まり、15年後2019年の殺人事件の犯人捜し。その犯人が○○で、○○が「前世療法」という精神医学に影響されたものだった。という何ともやりきれなさを感じた結末だった。

2019年の事件解決に乗り出す三ツ矢秀平と田所岳斗のコンビは中々良かったし、特に三ツ矢の性格を作っている生い立ちなどが面白いと感じた。が、犯人と動機がちょっと受け入れがたいものだった。