人は本当に困ったときに助けてもらうと、そのことを忘れることはありません。
私は美容師として医療用ウィッグを製作(サイズ調整やカットを)、販売をしています。
「脱毛の副作用の抗がん剤の治療を始めます」と医師から告げられて、皆さんはどうなさいますか?
「 医療用ウィッグ」をサイトで開いてみてください。
ザーッとたくさんのかつらメーカー、ネット販売のサイトが出てきます。
どこも「自然」「ばれない」「安心」とまことしやかにワードが並びます。
どこのウィッグを選びますか?
美容師さんでしたら、フォンティーヌかレオンカならディーラーに頼むと送ってくれます。
試しに送ってもらってください。
テカテカの人形のような髪のウィッグが送られてきます。
20代の方ならオシャレとして被れるかもしれませんが、がん患者となる確率は40代から上がってきます。
40代もかなり後半になってきた私には、顔と釣り合わないテカリ具合です。
本当に是非サイトをググって見てください。(笑)
どこを選んで良いかわかりません。
そして、患者さんはがんの宣告を受けて、「死」を思い浮かべる中、ウィッグを探します。
冷静でいられない状況の中、判断力が無い方がとても多く感じます。
冷静な美容師もわからなくなる、たくさんのサイトです。患者さんがわかるはずもありません。
私がここまでブログに書き連ねたことは「困っている人のためになり、美容室の経営も安定する医療用ウィッグの仕事」です。
究極にお困りの方を本当のきちんとした技術と志で対応できれば、結果が必ず帰ってきます。そして、何より技術で人が助かります。
時折見かける美容師向けのコンサルタントの方のブログは、もちろん理に適ってははいるのです。もっともなことを仰っています。
私も変わり者の美容師であり商売人の娘に育ったこともあり、日本の美容師さんの勿体無い部分もたくさん見えます。
ただ現場はコンサルトさんの仰る通りには上手く動きませんません。
人はこちらが思っているようには働いてくれませんし、どこも人手不足でもあります。
上から目線を感じることもありますし、現場で働いてもいなくて、技術者でもないコンサルタントの理論は机上の理想論にも見えます。
私は一人一人のお客様(患者さん)が、私とお話をしている時間(施術中)を楽しんで気持ちの良い時間を目指して接客しています。
これは美容師の経験の高い技術者しかできないことだと思います。
お客様が気持ちよく話せる会話術。
楽しくたくさんお話をしていただけるよう、上手く話を動かしていきます。
そして、お困りの方を助けるのですから美容師としての高い技術も不可欠です。
美容師としての技術不足の方には難しい仕事です。
時折、その時間はお会いすることが最後の時間になることもあります。
私自身も後悔しないように、毎回楽しい時間を作ります。
(後悔したことが、何度もあるためです)
……ですから、たくさんの技術者の方に助けて頂きたい仕事です。