ご無沙汰になっておりました。

 

忙しかったのか…。それは、言い訳になりませんね。

 

毎月、仕事の状況がどんどん変わっていくので(変えていくので)、いつも新しいことを始めるために動き回っていました。

去年の今頃とは違う日々というのは、最初は「なんだかキツイな」と思っていましたが、最近はもう「なんとかなる」と、少しあきらめ気味です。

 

 

 どんどん状況を変えていかなくちゃ良いですよね?(笑)

最初は大田区で医療用ウィッグが必要になる患者さんがお困りにならないように始めたしごとでしたが、遠方からの患者さんも多くなり、協力者(美容師さん)が必要になりました。

 その美容師さん達ののためにも、よいウィッグ(製作しやすい)を作ろうと思い、今度はウィッグ会社の方々にご協力いただき、活動を広めるためにたくさんの患者さん達と企業にもご協力を頂くようになりました。

 

 

 いろいろな方のために、協力者が増えていき、その協力者の方々には本当に有難く、何とかして恩返しをしようと動くと、また協力者が現れて…。

 

 …もう、深く考えないで、今日出来ることを、しっかりやっていこうと思います。

 

 

 

  メンズの医療用ウィッグは、私のウィッグ生産の一番の協力者Sさんの兼ねてからの夢でした。昔アデランスにお勤めされていたSさんは

「真っ当な値段のメンズの医療用ウィッグを作りたい」

といつも語っていました。

 

 私のところにも、度々お問い合わせはあり必要性を感じていました。

 

一番の恩人のSさんのためにもメンズウィッグ生産が、私の夢でもありました。

 

 試作を1年近く重ね納得のいくものができ、生産を始めたころに、男の方からお問い合わせがありました。

 ホームページにもブログにも、メンズウィッグのことはお知らせしておりませんでした。

 

 

 ウィッグを製作させていただいた、Tさんに

「メンズウィッグのことはどこにも載せていなかったのに、よくお問い合わせされましたね」

と聞くと

「ブログを見て、やっていたらいいなぁ。近いしとメールしました。」

とのことでした。

 

 

 

 Tさんは突発性の脱毛症です。

髪が抜けることの恐怖をお話してくださいました。

 

写真は製作したウィッグです。

 

彼は保険会社にお勤めです。ウィッグで営業をされていました。

 

 

 Tさんは清潔感のあるさわやか青年のイメージです。

 

 

メンズウィッグの製作経験の少ない私は、お問い合わせを頂いた当初は割引で、どなたかに作らせていただこうかと考えていたころでした。

 

 

 そうだ‼

 

「かなり割安にさせていただき、パンフレットのモデルにもなっていただけないかしら?」

 とひらめき、Tさんにお願いすると快諾して下さいました。

 

 

「このウィッグで本当に助かったから」

と仰ってくださいました。

 

 

本当に有難いことです。

 

 

 そしてバタバタと撮影も終えてしまいました。

いつもお願いをしている友人の写真家に協力してもらいました。

 

 今は細かい構成を調整中で、もうすぐメンズウィッグのパンフレットも出来上がりそうです。

 

 

 レディースのスリールの取扱店は4日間の講習を必要としましたが、講習2日でメンズウィッグ取扱店契約を考えています。

 

メンズ医療用ウィッグは男性技術者に作って頂きたい。そして脱毛してしまう眉毛の描き方なども指導していただけるよう、うちのメイクの子に講習をお願いする予定です。
 

 

男性美容師さん一人美容室がたくさんネット上で見つかります。

女性美容師はホームページやブログは苦手のようで小さな美容室を検索していると、男性サロンはすごく多くヒットします。

 小規模店で、お困りの患者さんのお力になっていただきたいのです。

 

 

 講習は来年春にになると思いますが、またお知らせいたします。

 

ご興味のある男性美容師さん(女性でも良いのですが)、お知らせいただけると参考になりますし、調整も致します。

info@sourire-wig.com 株式会社スリール・担当吉成まで

 

 

 年内中に生産工場のある青島に行き、いろいろな打ち合わせに行かなくてはいけないのですが…。

 

 

 

 

今日できることを今日終わらせて、あまり悩まず頑張ります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すっかり秋になっていました。

 

ブログの更新はマメにすることが鉄則なのは重々承知ですが、遠のいておりました。

 

すみません…。

 

 

私の美容業は医療用ウィッグを製作したり、化学療法後伸びてきた髪をなるべく傷まないように普通の美容室にも通える長さになるまで、ご相談をお受けすることです。

(普通の髪になっても、通ってくださる患者さんも多いのですが…)

 

 

このところ、続く遠方からのお問い合わせが本当に切ないです。

 

 

「大阪に住んでいますが、スリールの取扱店は近くにありませんか?」

 

…関西には、今現在は1件も無いのでご紹介できず。申し訳ありませんでした。。。

 

 

山梨や三重、沖縄、茨木から今月中だけでも、ご来店いただく予定です。

 

中には、東京方面に用事のついでの方もいらっしゃるのですが、本当は1時間以内ぐらいで行けるところに頼りになる美容室があると心強いですね。

 

先日は伸びてきたご自髪の縮毛矯正とカラーのために静岡から新幹線を使ってご来店の方も。。。

 

 

 昨日、ご来店の方はがん患者さんや脱毛症ではありませんでしたが、血管のご病気で顎から耳までの間がひどく膨らんでいて、その膨らみを髪で隠すためにパーマをかけるご希望でした。普通の美容室には行きずらいこと、でも髪形が思うようにならないと精神的にも安定できないとお話をされていました。

 

30年も美容師を続けていますが、プライベートサロンにしてからは、色々なことで美容室に通いづらい方がいらっしゃるのだと知りました。

 

 

医療用ウィッグもそうですが、髪形一つで人の生活はずいぶん違うことを感じます。

 

技術は人を助けることができるということを、本当に深く感じます。

 

 

元気な人たちが素敵な髪形になってハッピーなのも良いことなのですが、本当にお困りの方を救えるのは技術がしっかりしていて、美容師としての経験値の高いヘアースタイリストです。

 

 

たくさんあり過ぎる美容室の中に、各県に1店舗だけでも、患者さんにご紹介できる美容室があると多くの方が救われるのだと思います。

 

 

 

 

先日行いました「ikus.医療美容ケア研究会」の医療用ウィッグのスタイリスト講習。

人数は少ないのですが、少しずつ増えてきています。

 

 

 

5時間×4日間の実技講習や専門看護師、臨床心理士の講義、ブログ講座もあり医療用ウィッグを取り扱うため凝縮した内容になっています。

 

遠方の方は二日分を、一日で終えるように調整もできます。

 

 

私は人前で説明することは大の苦手ですが、私は私の言葉で伝えないといけないことが、たくさんあるので、頑張るしかなく…。

 

私は主に技術担当です。

 

ほかの講義は説明が得意な方ばかりの講座なので、わかりやすいですよ!!

 

 

 

 

ご興味をお持ちいただきました方は、講習内容などhttp://www.ikus.life/join-us ぜひ、ご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の患者さん専用の美容室はJR蒲田駅から2分という好立地です。

 

ただ路面店でもテナントでもなく、駅近の古いマンションの2階の2LDKをリノベーションをして2部屋の個室を作り、リビングとなるスペースにシャンプー台を設置していており、美容所登録もしてあります。

 

美容室経営者やディラーの方も、たくさん訪問してくださっていますが、口々に「こういうやり方もあるんですね。参考になります。」と言われます。

 

 駅に近い貸店舗の家賃は、とても高いですね。 うちみたいなやり方だと、かなり経費が抑えらえます。

 

 もちろんターゲットとなるお客様が違うので、「そんなことを言っても~!」と思われるかもしれませんが、顧客からのご紹介とブログ集客、何より固定客となる確率が高いので面白い変わった美容業と思って読んでください。

 

今風で言うとニッチな美容業です。この部屋を探すときは駅近が第一条件でした。遠方からのお客様がとても多いからです。それと雑居ビルのテナントは、どんな業種のお店が同じビルに入れ替わるかわからないのことと、個室体制にしたかったこと、窓も各部屋に欲しかったことなどから、マンションでシャンプー台を取り付ける工事可能な物件を探しました。

 

 願いが叶って、変わった美容室を経営できることになりました。4年目となりましたが、売り上げは毎年上がっています。

 

 美容師さんなら誰でもそううかと思いますが、通りすがりに美容室があると必ず店内を見てチェックしませんか?

 テナントを探した経験のある方は、その駅周辺の家賃相場が分かってきますね。そしてお店の中の状況を見ると、気の毒に感じることがありませんか?

 

私はぞっっとします。

 

「この広さの家賃と椅子の台数から見たスタッフの数(暇だとバックルームに何人かいるはずなので)、光熱費…」 …怖すぎです。

 

箱が大きければ大きいほど、人も集めなくていけませんが、人の集まらない時代になってきました。

只々、お客様に気に入って頂く髪形を作って喜ばれるのが好きな美容師バカな私は、経費を稼ぐための美容室経営は向いていませんでした。

 

少ない経費で顧客に喜んでいただくのが、楽しい仕事となっています。

 

 

だからと言って今の私の給与は美容師としては、かなりの額になっています。楽しく仕事をして、きちんと稼ぎもあり、お客様には感謝をされて。胸を張ってオススメのできる美容業だと思っています。

 

問題は顧客が増え続けて、来年にはお断わりしなくてはいけないお客様が出てきそうです。

ですから、また物件探しをしています。スタッフを増やすためです。

良い所が無いな~!と思っていても、しぶとく探していると見つかるものです。

これで3回目の物件探しになりますし、来年目標なので焦っていません。

 

焦ってはいませんが、地元の不動産屋には希望物件は説明してあり、ネットでも空き物件を日々確認をしています。

普通のテナントは駅近だと「借りれな~い」と呟いてしまう家賃ですね。

 

 お手頃と思う家賃の物件は駅から徒歩5分以上となってきます。

私は蒲田駅周辺はかなり熟知しているで、紹介されている物件の周りの風景は簡単に目に浮かびます。駅から5分離れてしまうと商店街(メイン通り)以外は、人通りはかなり少なくなります。

それでも、個人の美容室オーナーには駅近の路面テナントを借りて、商売をするというのはかなりの博打になりますね。

 

 

経費をかけて出店をして外からオシャレに見えるお店はたくさんありますが、出店時に掛かる費用は途轍もなく、その上そんなオシャレなお店は近頃たくさんあります。

 同じ土俵で戦う相手が多いというのは大変なことです。

 技術も接客も素晴らしいスタッフを揃えることができれば固定客も増えていきますが、スタッフを安定させることが難しい時代です。

 

 

私はウィッグ業者や同業美容師との打ち合わせもたくさんあり、自分に必要と思う講習会なども予約をやりくりして受講しています。

完全予約制で外から見えない営業体制は、ご予約を私の都合でやりくりでき、早めに仕事を切り上げても誰にもわかりません。スタッフに任せて店にいないことは、よくあります。

 

仕事のための仕事場での拘束時間は普通の美容業と比べるとかなり少ないはずです。

 

美容師はお店に縛られすぎだと思います。時給で考えてみたら、そんなに良い時給にならないのでは馬鹿馬鹿しい話です。

 

 

 世の中の流れが、とても早くなってきました。

いつも人とは違うことに目を向けていないと。

 

私はオセロをしている気分で5年ぐらいが過ぎました。人より良い手を気づかれないうちに打っておき、相手が気づいた時には私の駒が白だったら、最終的にパタパタと白に変わっているイメージです。

人より早く四つ角を取らないとと思ってきました。

 

 

医療用ウィッグを取り扱いだした頃は、患者さんの自毛が伸びてウィッグを外して、ご自分の髪での生活が始まれば、その患者さんは地元の美容室や治療前にお世話になっていた美容室に戻られるのだと思っていました。

 

 もちろん、ウィッグをお作りさせて頂いた患者さんの全員が自毛になっても通って下さるわけではありませんが、普通の美容室より固定客になる可能性は高い気がします。

 

 人生の中でショートスタイルをしていなかった方も多いのですが、ウィッグを外す時は、短い髪形になりがちです。

 

 

 あまり経験の無かったショートスタイルは、皆さんどうして良いかわかりません。

 

結局、私の好きなようにスタイル作りをさせていただいています。

 

そのショートスタイルは、評判の良いことが多いようで、「怪我の功名」と患者さんに言われたりもします。

 

 患者さんは、今までやったことのないショートスタイルを周りの方に褒められてしまうと、他の美容室に行くの気にもならないようです。

 病気のことも把握してくれて、評判の良い髪形を作ってくれる美容師だったら、いつまでもお世話になりたくなりますね。

 

 

このことは私のお店では普通のことです。私がウィッグをお作りさせて頂いた患者さん以外の他社製ウィッグをお使いで自毛デビューからのご相談の方も、そこから通って下さり顧客になる方も多くなってきました。

 

 

 私はそもそも普通の美容師です。ショートスタイルはもちろん大好物であります。(笑)

 

スタイリングを細かく提案します。ちょっとしたブローのコツ、ワックスのつけ方などもお教えします。

 

 少しずつ伸びていく髪の先々のヘアースタイルの提案もちょこちょこ説明します。

「次回はパーマをかけましょう!」と私が気に入っているエアウェイブもオススメしています。

 

 お会いするたびに、「伸びましたね~!」と励ますように声をかけます。髪が伸びることを皆さん励みにされています。

 伸びた髪をなるべく傷みの少ない施術で違和感の無いヘアースタイルを作ります。

 

 

私のような患者さんにウィッグを製作する美容師の全員が、顧客として定着する確率が高いわけではないようです。医療用ウィッグの先輩美容師さんたちを見ていても、定着していない技術者もたくさんいます。

 

 勿体無い話だと思います。

 

今はパート美容師さんが二人来てもらっていますが、増えていく顧客に年内に30代の技術者さんに働いてほしいと思っています。でも、どこも人手不足ですね。

 

 

 医療用ウィッグの仕事をしていても、最終的には美容師としての総合的な仕事力がものを言います。

 

 人のためになって、尚且つ面白い仕事です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

i随分、更新が遠のいてしまいました。

 

前回の続きで大手ウィッグ会社の医療用ウィッグが『まとめ髪』ができない理由を考えました。

 

『まとめ髪』をするにはピッタリと頭にフィットしないといけないことが第一条件です。

この条件を満たすためには ベースネットの形、素材、サイズ調整の3点が不可欠です。

 

 

 私は他社製ウィッグのサイズ調整やカットのご相談も請け負っています。通常メーカーは他社製を断っているのが現状です。

 

 このことでウィッグの販売店の技術が気に入らない患者さんやアフターフォローが行き届いていないウィッグ店で購入された方は、難民のように何とかしてくれるお店を探します。

 

 これまでの間に私はかなりの数の他社製医療用ウィッグのサイズ調整やカットをしてきました。

ベースネットに関しては、どこのものも取り扱いたいと思えたウィッグはありませんでした。50万円のウィッグをお持ち頂いたこともありますが、品質と値段が釣り合っていないものでした。

 

 大手ウィッグ会社のベースネットの形は、私から見るとおしゃれウィッグのベースのままです。髪がある人が被るためのおしゃれウィッグです。締まりの無くホールド感が無い形に感じます。髪を纏めるためにはしっかり頭にくっついていないと、心配ですし浮いた感じになります。

 

 ネット素材も柔らかすぎるとホールド感が下がり、硬すぎるとサイズ調整の時に厚みが出て、ベースネットの形が歪んでしまう恐れがあります。スリールはパーツごとに伸縮性のあるネット素材と伸縮しないネット素材を使い分けています。

 

最後にサイズ調整の技術。「ウィッグだから、こんなものだ」という固定観念の無かった私は、とことんサイズ調整にのめりこんで、誰よりもピッタリに合わせて縫製する技術を確立しました。

 

 

 

 

脱毛時に髪を短くされる方も多いのですが、この方は襟足と顔回りは残させていただきました。脱毛を伴う化学療法を4回終えて、短い髪も少し伸びてきています。

 襟足の髪が少しだけ残りました。

 

 

たったこれだけの襟足の残っている髪ですが、かなり重要な役割もあります。

 

 

ウィッグを被りウィッグの髪とご自分の襟足の髪を一緒に纏めると

完璧になります

 

 

こんなに暑い日が続いて纏められことは、患者さんの生活にも選択肢が出来て良いことです。

 

 

患者さんの目線で考えると、こんなことは当たり前なのですが、普通のウィッグ会社ではやらないことです。

 

 固定観念の無い目線がどんな仕事にも大事なことです。

 

 

医療用ウィッグの場合ヘアースタイル作りは、「もとの髪形を作る」ということが、ご希望としては9割を超えます。

 なぜ元の髪形にしたいかと言うと、ウィッグを使っているということがバレたくないこと。20代前半くらいまでなら、オシャレでウィッグということもあるかもしれませんが、それ以降の年代になってしまうと「どうしたの?何かあったの?」となり、ご病気の説明をすることになってしまいます。

 

 いまだに「がん」というと「死」と想像する人は少なくはないと思いますが、知識の無い人に病気の説明をするのも面倒なことです。

 

 この「もとの髪形を作る」ことは美容師には難しいことではないのですが、ウィッグ会社ではできません。

 

 ウィッグ会社は既製品の中から、もとの髪形に近いウィッグをおススメしてきます。

何人にもウィッグをお作りしてわかったことは、人は髪形の小さな違いにとても不安に感じます。既製品では安心できないということ。

 

 それはちょっとした分け目の違いや前髪の生え方の違い、作り手には「そんなこと、まわりの人にはわかりませんよ」と言ってしまうことも、ご本人は「自分で無いみたい…」と落ち込みます。

 

ウィッグ会社では「もとの髪形」に近いものをおススメして、そのあとの微調整に関しては意欲的ではありません。売れれば良いという感覚なのだと思います。

 

 美容師はそもそも顧客に喜んでもらいたいという人が長年美容業を続けてこれている人だと思います。私もそうでした。ウィッグ業になっても、この部分を変えずに仕事をしてきて、「どうしたら、この髪形を再現できるか?」ということに日々突き詰めていき、技術も考えだしましたが、結局ウィッグ自体も改良していくことになりました。

 

 

 

 

昨日ウィッグをお作りさせていただいた患者さんのお写真です

 

 

 

ウィッグなんですよ。見えないですね。

 

襟足と顔回り以外にバリカンを入れて、写真の少し暗めの襟足部分はご自分の髪です。

脱毛は始まっていますが、1回の投与で全部の髪が抜けてしまうわけではありません。

 

時折、この襟足は最後まで頑張ってくれることもあります。少なくはなりますが、その時は

結ぶポイントを下げていただくか、ダウンスタイルにカットをさせていただきます。

 

最初はウィッグに慣れていただいくことが大事で、慣れた後のヘアスタイルチェンジが患者さんにも違和感なく不安が少ない流れです。

 

 

 美容室のホームページに掲載されているステキでかわいいヘアスタイルではなくて、何気ないいつものヘアスタイルが患者さんは一番安心です。

 

 被り方をお教えして、何度か練習していただきます。いつものようにブラッシングと髪を纏めていただき、私が確認をします。自毛とは違うので、いつものように纏めると表面がボコボコしてしまいました。ブラシの入れ方や角度を変えていただき、写真のように纏められました。

 

 

 「来た時と同じ髪形になって、安心しました!」と本当に嬉しそうに言っていただき、私も嬉しくなります。

 

私の取り扱うスリールはノーカットのウィッグをお使いになる方に合わせて、カットしていきます。サイズ調整のため手縫いので縫製もします。

 

患者さん向けの私のブログにも、この写真のご紹介をしています。

ご興味のある方は、ぜひご覧ください!

 

有名ウィッグ会社のウィッグでは纏めるということはできません。

 

なぜ出来ないかというとことを次回更新します。

 

 

私のように自然な医療用ウィッグを患者さんにおつくり出来る美容師さんが不足しています。

講習会を行っていますが、無料で講習についての説明会を7月25日(火)13時~JR蒲田駅近くChez Moiで行います。

 こちらも、ぜひご覧いただけると嬉しいです。

 

よろしくお願い致します。

 

 

 

 

 

 

がん患者さんのウィッグや髪の施術をさせていただくことは、私にとっては元の美容師業との差は、それほど感じておりせん。

 

 ウィッグのネット部分を頭の形に縫うことが一番大きな違いで、ウィッグでもご自髪でも、できる限りお好みに合わせて素敵に扱いやすくすれば良いというだけで、あまり高いハードルも感じずここまで来ました。

 

 

 ウィッグの生活が終わっても、患者さんは普通の美容室に行くことを躊躇される方も多く、1時間も2時間もかけて通って下さいます。

 

 なぜ躊躇されるのかというと、病気の説明をしたくはないですし、治療後に伸びずらいトップや前髪の短さや不自然な縮毛(抗がん剤治療後に縮毛になりやすい)のことを聞かれたときに面倒なこと。

 

 せっかく伸びた髪を信頼のまだ無い美容師さんに施術されるのが怖いということ。

 

 

 昨日は青森から宇都宮のご実家にお帰りの途中で、うちにお寄りになられた方がいました。

その方は部分ウッィッグをご購入されていきました。

 しかも「お忙しいのに入れて頂いて、ありがとうございます。」とご購入いただいて、こちらがお礼を言わなければいけないというのに、お気遣いいただいて恐縮してしまいました。

 

どうして、そんなに遠方からも患者さんが見つけて下さるかと言うと患者さん向けのブログで、患者さんの必要な情報やウィッグや自毛デビューのことを更新しているからです。

 

 ただ現状としては、それ程私の様な美容師が不足していると言うことです。

 

私は専門美容師となり普通の美容室で事足りるような方はお断りしていますが、普通に美容師業と併用も出来る仕事です。

 

 2年前までは普通の美容室にパートもしていました。忙しさのあまり身体を壊す怖れがあったことと、何かを手放さないと前に進まないと感じたので、21年勤めた美容室を退職しました。

 

 抗がん剤治療の知識などは、投与後に脱毛がいつ始まるかなどがわかっていれば、患者さんとお話をしていると自然と身に付いていきます。

 

 今は多くの美容師さんにご協力頂くために、ikus.医療美容ケア研究会でウィッグの取扱いや技術、看護師による抗がん剤治療の知識、臨床心理士から患者さんへの対応の心構えなども講習をしております。

 

 

普通の美容師だった頃との大きな違いは、人との繋がりが何倍も広くなったことです。それまで職場や友人、家族関係だけの人付き合いで行動範囲も狭い状況でした。

 「良い仕事だから」「大きくなる会社・組織だから」とたくさんの方から、いろいろな職種の方をご紹介して頂き、ご協力頂くばかりです。

 

 そして、その多くのご協力に恩返しするように頑張ると、またご協力を頂いてといろいろなことが広がり続けています。

 

 ただ、いつも根底には美容師の基本の技術と接客術があります。

有名な病院の医師にお会いする機会や大きな会社に交渉に行くことがあっても、通常はコツコツ美容業をしています。

 

難しいことは何もなくて、ほんの少しの覚悟で世界が広がりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

近頃では医療用ウィッグを販売する業種が多くなりました。

 

大手ウィッグ会社、個人美容室、NPO法人、美容ディラー。

 

私が医療用ウィッグについて、真剣に考え出したのは10年くらい前だったのですが、その頃の何十倍も販売元は増えています。

 

 選択肢が増えることは良いことですが、医療用と言っているだけの粗悪なのものが多く、「医療用」というだけで割高に販売できている通販ウィッグもたくさんあります。

 

 突然のご病気に期日のある選択を迫られる患者さんには大変なことです。

 

時折、患者さんの持ってくる他社製ウィッグを見させていただいて、「ひどいウィッグだな~」と思い、後でホームページなどを確認すると「自然。他人からは気づかれない。」などの文言は当たり前なのですが、会社社長の患者さんへの思いなども実しやかに語られています。

「あんな製品でよくこんな嘘を並べられるな」とある意味感心してしまいます。

 

 

これでは患者さん達がウィッグ選びに失敗するわけです。

 

最初に選んだ製品に不満を持たれて、2台目にうちのウィッグ(スリール)をご購入いただく事が多いのですが、「最初に見つけていれば…。」と、脱毛までの時間の無い中で探す事の困難さを感じます。

 

 

 ◎大手ウィッグ会社のウィッグは高い価格ですが、品質に見合う価格ではなく、宣伝広告費と会社経費がウィッグに盛り込まれています。

大手ウィッグ会社の幹部は男性が多く、男性の薄毛に対してのフルウィッグや部分ウィッグには実体験が反映していて、価格はともあれ良く出来ているものが多く(オーダー品ですが)、私でもわからないこともあります。大手ウィッグ会社のおじさま達とお話をする機会が多く、内情もよくよく伺っていて上記のようなことも想像ではありません。

 

 ◎通販の医療用ウィッグはどちらかと言えば、価格は安いものが多いので価値観が合えば良いとは思いますが、品質と価格が見合っていないウィッグもかなりあります。似合わせや元の髪の雰囲気を出すのは、技術のある私にも難しいものばかりで、お使いになる患者さんが「それなり」で納得ができるのであればと言った感じです。

 

 ◎個人美容室が仕入れるウィッグは1回の注文が少ないので、工場に細かい指示を出しても相手にしてもらえないでしょう。(細かいオーダーを出せる知識も無いことが多いです)

きっと工場の既成品を仕入れいるのでしょう。

 

 ◎NPO法人で医療用ウィッグを販売しているところも多々あります。活動などを見てみると数年前から更新されていないところも多く見かけたり、訪問美容を中心に活動しているNPOが販売をしているウィッグは私から見ると酷いウィッグの一言でした。

 

去年の1月に私が退会したNPO法人の販売するウィッグは納得のいくものであれば(供給、品質保持)退会はしていませんでした。その他もいろいろな面で危機を感じて、スリールの生産を始めました。

 

◎美容ディラーの販売する医療用ウィッグを取り扱っている美容師の講習に以前行ったことがありますが、ウィッグ自体に素人の人たちが作った医療用のウィッグという感想でした。

 

 

このように見てみると、

 

私は患者さんの脱毛前から自毛での生活が始まるまでの患者さんのウィッグ生活を何年も日々サポートしながら、その後の髪にも対応しています。

そんな私が指示・オーダーしながら改良を重ねるウィッグ。

そして指示が反映できる環境の工場(指示通りにいかない工場が多いので、本当に有難いことです)での生産。

 

取り扱って下さる技術のある美容師さんがいれば最強です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が生産をしているスリールを取り扱って下さっている美容室はまだ10店舗くらいです。

会社設立から1年間は取扱店への契約書作り、スリールのかつらの分類への商標を取ったり、医療用ウィッグのjis規格を取得したりと基盤作りで過ぎて行きました。

 

スリールを取り扱うには普通の美容業には無い技術と知識の講習をするikus.医療美容ケア研究会も設立しました。この任意団体では私は副代表で、代表は乳がん・卵巣がんの経験をお持ちで、美容専門学校で教師をしていた高溝さんになっていただきました。

 

高溝さんはヘアエピテーゼ協会の時に同じに会員として活動をしていました。私はどちらかというとひらめき・職人タイプでルール作りや計画書を綿密に作るとかが、滅法苦手です。何より大勢の前でお話をするのが大嫌いです。

 

高溝さんは私の欠けているところを全て持っている方で、リーダーとしてみんなを説得する力があります。

代表となって頂きました。

 

 ikus.医療美容ケア研究会は美容師さんをウィッグスタイリストへの育成と、患者支援団体として患者さんのサポート活動も行っています。

 

以前のブログでもご紹介いたしました患者さん向けのイベント「おしゃれマルシェ in 東京」で、テレビ朝日の夕方のスーパーJチャンネルで本日放送と昨日の夜連絡がきました。

 

 

内容はイベントの事も、もちろん紹介されてますが、患者経験者である高溝さんが患者さんを脱毛から自毛での生活が始まるまでサポートできる数少ない美容師の仕事、思いなどが紹介される予定です。

 

 放送日は急に決まりますとは聞いていましたが、本当に急ですね。

 

 

お時間のある方は、ぜひぜひご覧ください!

 

 

 

 

 

追記

 

本日、放送予定となっておりましたが、延期となりました。

 

真央さんのことで、予定が変更となりました。

 

ご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

 

 

 

6月に入り更新が遠のいておりました……。

 

6月5日にがん患者さんのための「おしゃれマルシェ」というイベントを行いました。この行事のため、しばらく時間がとれませんでした。

私はウィッグ会社を去年設立して、今年1月よりNPO法人日本ヘアエピテーゼ協会のころに一緒に活動をしていた自由が丘Franjipaniの高溝さんとikus.医療美容ケア研究会を立ち上げました。ikus.は高溝さんが代表で、私が副代表を務めます。

 

この研究会は美容師・ネイリスト・メーキャップアーティストが協力して患者サポートを行う日本で唯一の団体で、講習を受けて認定されます。

 
医療用ウイッグの講習は4時間×4日間の講習となります。ぜひホームページもご覧ください。

 

 今回のおしゃれマルシェでは、テレビ朝日の夕方のニュース番組スーパーJチャンネルの高溝さんへの密着取材も入りました。私たちのような活動をしている美容師は、脱毛を伴う治療を行うがん患者さんには必要不可欠なことを、番組企画者の方が感じてくださり、取材依頼を頂きました。 放映日が決まりましたら、お知らせします。一日取材されていましたが、放映時間は短いのでしょうね。

 

 

 

ちなみに私は一切映らないと思います。(笑)

 

この放映で多くの美容師さんに私たちと一緒に活動をして頂くきっかけとなればと思っております。普通の美容業もしながら出来る仕事です。私も最初は普通のパート美容師だったのが、年々患者さんの顧客が増えてしまいました。

 

普通の美容師さんはたくさんいても私のような美容師はなかなかいないので、20年勤めていた美容室を辞めて患者さん専門美容師に専念することに成りました。でも両立しているメンバーもいます。

 

とは言え ikus.は設立して半年も経っていませんので、これからメンバーを全国に増やしていきます。ご興味のある方はikus.事務局もしくは私へご連絡ください。

 

 

 ウィッグ会社では出来ない患者さんとの関りが、たくさんのご紹介に繋がります。がん患者さんはご自身の体験記をブログで公開する方も多く、私の担当させていただいた患者さんたちが彼女たちのブログでたくさんご紹介してくださっています。

 

 宣伝だらけの世界で、がん患者さんたちは同病の患者さんのブログをとても参考にされる傾向があります。良い仕事をすればするほど、宣伝広告隊が増えていきます。有難いことですね。

 

 

 

がん患者さんと聞いただけで、どうやって関わっていけばよいか怖い美容師さんもいるかもしれません。

 

 実は私はあまり気にしておりません。 ウィッグの時も、伸びてきた短い髪でヘアースタイルを作る時も、部分ウィッグでヘアースタイルを作る時も、ご本人のご希望のステキな髪形にして差し上げるだけなので、普通の美容師のころと気分的には、変わっていません。

 

 たまには「お会いできるのは、これが最後かな…」と思ってしまう方も、いらっしゃるのですが、この時も出来る限りステキな髪形に。 

 

 こういう時は、必ず凄く喜んでいただけます。少ないかもしれない彼女たちの時間に、良い気分になっていただければ美容師冥利に尽きます。

彼女たちは最後まで髪やウィッグで相談できる担当者がいたことは大きな安心だったと思いますし、最後にお手紙を頂いたりもしました。

 

 でも!お元気になっていかれる方のほうが断然多いので、怖いお仕事とは思わないで下さい。

 

大きなご病気から元気になっていく彼女たちのパワーは、普通の美容師業とはまた違う感覚を感じます。

 

女性の強さ…。

 

 

 

おしゃれマルシェの様子は、私の患者さん向けのブログ自然な医療用ウィッグを製作するChez Moiのブログに写真ばかり満載でご紹介しました。ぜひ、ご覧ください。

 

 

ご質問お問い合わせ等…info@sourire-wig.com  担当:吉成

お待ちしております。