楽器で染み込んだ音感
定演が終わって3週間ほど経ちました。また、新しい曲集を手にして、音取りから開始です。私は中学の時に吹奏楽でラッパを吹いていたので、指三本で管の長さを変え、唇の振動や息を吹き込む強さで音程を取る習慣が身に就いています。今、歌の音取りをする時に、普通に歌う時と、ラッパを吹くつもりで指使いをしながら歌うのでは、後者の方が明らかに緻密な音程が再現できます。普通に歌う時は、上の音に移る時はニュアンス的に上がり切れず、下の音に移る時には微妙に下がり切れないのですが、ラッパの指使いをしながら歌うと、より正確な音程で歌えるんです。そして、正確な音程で練習をし続けると、やがて正確な音程が身に染み込んできます。絶対音感のように、歌い初めの一音を取らなくても、無伴奏で一曲の最後まで音程が狂わずに歌えるようになります。弓では繰り返しの練習で、顕在意識で考えなくても、意識下の特に小脳の自動調節機能が働いて、弓が正しく引けれるようになってきます。弓も歌も同様です。自分と云うのは、宇宙の開闢以来の歴史で作られた物質で出来ていたり、生物の進化の歴史もそうですし、ごく最近では、「わたし」と云う個体の生きて来た歴史が身体や心に層になって積み重なってい ます。弓でも歌でも家庭でも幸せでも、歴史を形作る環境、それと相互作用をする自己とのデザインで出来ています。私の身体も心も、環境の影響、環境からの働きかけで変わります。そして、その環境は私の行動や心持で変えられます。つまりは、程度の差こそあれ、人生は自分で作ることが可能です。