椎名桔平


ライオンのデンターシステマ。


この人を見ると、いつもおもいだす父の言葉がある。


以前、なにかのドラマで椎名桔平が出ていたら、父がとつぜん、


お、歯ブラシの人だ


と言った。


家族が、はあ?という顔をすると、


だっていつでも歯をみがいてるじゃないか


と、憮然として答えた。


・・・・・

さすが父世代。


それじゃまるで、ハムの人と呼ばれた、別所哲也とおなじじゃないか・・・・・





答。

いけない。


それは花王エッセンシャルダメージケアシャンプーCM


そこには、カワイイ.com というのがあるらしい。南海キャンディーズのしずちゃんが、山咲トオルちゃん(ちゃん、はいらないか)とバスローブ姿できゃぴきゃぴと出ている新CMの予告を、わたしは某小売店の店内テレビでエンドレスで見てしまったのだったが、


なぜ山咲・・・?


と思うより先に、


なぜしずちゃん・・・・?


と思ったのだった。

思えば、

シャンプーの宣伝はかわいい子しかでてはいけないと相場が決まっているわけではないのに、長い歴史の中で、こいつはねーだろう、というひとたちは暗黙のうちにはずされていた。テレビでも、雑誌でも、髪の毛がさらさら、となびく女性の後姿をついついたどっていったら、振り向いた瞬間に

うっ

と思うことが多いよー。

なんていう、男性のチョー頭にくる言動が普通に取り沙汰されていたものだが、しかしそんなわたしからみても、


あのCMのしずちゃんはきつい。


しずちゃんのハスキーボイスはわたしはかなり好きなのだが(じっさい、南海がまだ出始めのころから大注目だった)、いかんせん、


バスローブってところがだめなんじゃないかと私は思うのである。

そして、髪の毛がさらさらなところがだめなんじゃないかと私は思うのである。


いや、シャンプーの宣伝でさらさらなのはあたりまえなんですが。

なんつーかその、


低い声にバスローブに髪の毛さらさらのコラボレーションは、

いやがおうにも我々によからぬ妄想を抱かせるからである。


それはしずちゃんがバラエティのなかでおこなう通常の「ボケ」としての「エロ」ではもはやなく、

一般人としてのエロに近い中途半端さでもって、我々に


どうや!!


と突きつける「ドウダパンツ」のような代物になってしまっている、と、いえなくもない。


結果として我々に約束されていることは、ひえー。と言って、目をつむらなくてはならないダンドリであり、決して、やーん、しずちゃんかわいいじゃん。ではない。

さらに一般人に近いエロさをきわだたせるしくみとして、それほど名の売れていないモデル陣に囲まれているという構造があるし。あれが冗談でもえびちゃんとか沙世ちゃんだったなら、非常にわかりやすい

オチ

として、我々は安心してしずちゃんを観ることが出来るのだったが。


結果としてしずちゃんは、花子姐さんに近い匂いを、またひとつ身体につけてしまった・・・

芸人としては、姐さんよりもさらに、おいしすぎる位置であるのだが・・・


むーん・・・










ジョージア缶コーヒー CMで、夢の?共演をしている木村拓哉と渡哲也。


まずキムラ、

あんな茶紙で髪の毛ばっさばっさのサラリーマンがいるのか?

という気がするが、今回の

『にらむ子ども篇』

も相当キテいる。


厳しい商談をまとめてほっと一息ついている上司(渡)と部下(木村)がバスに乗ると、なぜかあっちにもこっちにも双子がいて、

じーっ

とふたりを見つめて?にらんで?いる。


そこをすかさず、


なんだよ!!


と怒る木村。降りるとき、

「大人をなめんなよ」

と捨て台詞までして。


ナレーションは、


おとなの深味、ジョージア・・・・


でもなあ・・・


あんな子ども相手にあんなキレなくても・・・木村、怖いよ・・・





はいるんだかはいらないんだかみとめるんだかみとめないんだか、当事者ではないのに騒ぐとしてもこういうことなら別にいいすおー、とただ愉しくのほほんと見ていられた(しかし教科書関係者や地学関係者などはその類ではないだろうが)久しぶりのニュースだった。


科学館に来ていた少年(推定小学一年生)に質問したところ、


(冥王星は)惑星のままでいてください。


と真顔で答えていたのが嬉しかった。報道ステーションが、そろそろ決まります!決まりそうです!と、カウントダウンしていたのも、なんとなくイベントみたいで愉しかった。ちなみに惑星じゃなくなった冥王星について、占い師にインタビューしていたのもおもしろかった。

しかし考えてみたら、星座とはいったいなんなんでせう?などと、急に宇宙が奇妙に見えてきたのも事実だったが。


ちなみにこのごろわたしが好きで、個人的にひとりで熱狂している劇団ひとりに加えて中川翔子がいるのだが、彼女はどうやら宇宙おたくでもあったらしく(いろいろ興味対照があるのだなあ、やはり)、このニュースをかなり熱くブログで捉えていたが、


軌道がへんで大きさも小さくて気に入らなかった冥王星がはずれてほんとうによかった(おおよその訳。ほんとうはしょこたん用語で語っています)


と言う意見を聞いて、なるほどとうなずいたものだったが。

それにしても七十年以上も惑星に数えられてたのに急に「それ違くない?」みたいにされて、勝手に見つけて名前付けたのに勝手に消されて冥王星もかわいそうかなという気はする。


でもおおかたの一般人の意見は、

ふーん。学者の世界って、なんかよくわかんないな。

なんだろうなおそらく。恐竜の色付けを勝手にやってる、みたいなもんでしょうかね。




そんなことはできない。天下のNHKにだってCMはある。

だいいちここに、CM時評が書けなくなる(もしかしたら誰も困らないかもしれないけど)。


でもいやなことがあるんです。午後一時過ぎにごはんを食べているときに、決して観たくないもの、それはトイレのCM。


このあいだ、ふとテレビを観ていたら観てしまった。

トイレの便器の溝にトイレブラシ(流すやつ)。

ブラシには細菌が何億個と繁殖しています

という言葉に、げっとなるCMのなかの主婦。


ちょっと、ほんとにげっ、となりたいのはあたしですから!!


などと、言ったところでもう遅い。

ひとが基本的にお昼ご飯や夕飯を食べない時間帯、せめて二時とか三時とか四時くらいと決めて、この手の放送をおこなってほしい。でもそこで矛盾。

その時間帯、あんまりひとってテレビを観ないんだ(統計的に言えば、F1、2層が)。


F1、2層しかトイレブラシって買わなそうだし・・・お金払ってCM流してるんだし、不快がられても観られてナンボの世界なのか・・・


そんなことを考えながら、わたしは耐えた。

いい視聴者だなあ。くそう。





ごきげんよう風に言ってみました。

「ひょっとしたらわたしだけ?」コーナーです(いまつくりました)。


最近遅い猛暑がやってきまして、にわかにこのひとの登場がありがたく感じられるようになりました。稲川淳二です。

せんじつほとんど素通りする番組『ごきげんよう』を観たらこのひとがでていたので、

夏が来たな(しかも夏休みが半分終わったころ、甲子園が準決勝のあたりかな)

と思って感慨深く目を留めました(余談ですがそのほか、磯野キリコと美川憲一が出ているときだけ特別に目を留めます)。


そしてン十年生きてきて毎年おなじことを不思議に思うように今年もまたふたたび、おなじ疑問が頭に浮かびました。


わたしは、いつ聞いてもどこで聞いても稲川淳二がなにを喋っているのかわからない


という疑問です。

それに気がついたのは、自分が高校生くらいのころだったと思います。クラスのみんなが、

あいつってまぢこわくねー?

とか、

ねえ聞いたー?あの海のばあちゃんの話!!こわすぎて涙ちょちょ切れるー!!

とか言っているのに、

?????

と、思っていた。

わたしは彼が、「何か怖い話を喋っている」

「どうやらオチをいっている」という雰囲気を観て懸命にテレビのボリュームを上げ(たとえばいつも11くらいで観ているところを18くらいに音量をあげて)るのですがそれでも聞こえないのです。テレビの出演者たちはきゃー!とか、ひぇー!とか叫びますが、あれは生でだから聞こえるのだろうくらいに思っていました。わたしが聞こえないのは普通のことで、もしかするとテレビの前のある種のちびっこたちには聞こえない周波数で喋っているのではないかと。しかし一度、一緒に友人たちとテレビを観ていたら、観ている友人たちがみなそろいもそろって、

同じタイミングで悲鳴をあげた

のです。わたしは焦りました。

念のために言いますが、わたしはどちらかというと全体的に地獄耳タイプです。耳はかなりいいほうですし、どちらかというとふだん、テレビで芸人が早口で喋ったことを、聞き逃した人に一字一句説明してあげるタイプの人間なのです。注意していようがいなかろうが、誰かの声を聞き逃すという経験は、正直言ってほとんどありません。それなのに、あの稲川氏の声だけが聞きとれないのです。いったいなぜ??


わたしは思い切って友達に、

ねー、海のばーちゃんの話って、なんだっけ?

と、「知らないわけじゃないんだけど忘れちゃってー」という装いで聞いて見ました。

するとこともあろうに友達は、

やだー!!こわすぎてあたしの口から言いたくない!!

などとのたまりやがったのです。


わたしはその後、しかたなく「稲川淳二の怖い話」というビデオを借りてきて、一人でそれを観て、

これが海のばーちゃんか・・・・・

と、やっと真相を知ることができた次第です。


そんな辛く苦しい人生を、長いこと送ってきました。

それでもわたしはまた今年も、ごきげんように彼が出ていた三日間ずっと、彼がどんな怖い話をしているのかまったく聞くことが出来ませんでした。


・・・・・


これって、ひょっとしたら、わたしだけ???


小西真奈美

じつは、少し前から観るたびに


なんかしらんがむかつく・・・


と思っているCMがあって、でも見終わるとすぐに忘れてしまい、ここに書かずにいたのだが、最近になってようやく思いだした。


アサヒのぐびなま だった。


『情熱大陸』で小西真奈美をやったとき、偶然かわざとかしらないが、それに連動するようにはじまったCM(番組中の撮影風景も含めて)だったので、やたらと記憶に残っている。


初コンテ、

「はじめまして。小西真奈美です。

ぐびなまです。(中略)お疲れ様。ぐびなま飲も!」


の、こにたんにしかできないと思われる両手に缶持って缶にお辞儀させるあの動作、あれがまず

かちん

なんだけど、いちばんだめなのが、


【焼き枝豆篇】の、

「焼き枝まめです。

んー(といいながらふさからひとつ取り出して)ぱくっ

お疲れ様!ぐびなま飲も!」


である。


わたしはもともと、別にこにたんというひとが嫌いではなかったのだが、なんとなくこのCMを見たら、きらい度数が急にあがってしまったのである。


なぜか。


枝豆を食うのはいい。

お疲れ様。ぐびなま飲も!も別にいい。

だけど、


んー。

と、

ぱくっ

と、

缶を持ちお辞儀


に代表される、世間の男の大好きなこにたん像を踏襲しているその動きに、不快信号が反応してしまうのである。


小西真奈美というタレントさんはそもそも、かなりぎりぎりな匂いを持っている。

全身から顔つきから雰囲気から、あれほど裕木奈江に近い香りのする芸能人は思い当たらない。なのにおなじ道をたどらなかったわけは、ひとえに有名な劇団出身の演技派女優であるとの肩書きと、ココリコミラクルタイプでの雛形あきこ並みの怪演によるところが大きい。

コミカルな演技、自分捨て芸。自分捨て芸ということは、

=男に媚びてない

と即座に捉えられ、

ああこのひと、すくなくともあたしたちの敵じゃないのね

という図式が成り立つしくみだ。


しかし・・・

『情熱大陸』を見た限り、こにたんは素顔は天然不思議ちゃんタイプみたいだったし、心なしか、そのふんにゃかふんにゃか(※釈語)した話し方に、スタッフもめろめろのような感じがした。よく考えれば、ココリコミラクルタイプでは、いままでもずうっと、こにたんだけの待遇がお姫様だったのだ。



そんなところでぐびなまである。


見れば見るほど、こにたんが女に見える。


お疲れ様!と缶を差し出す相手は、決して女ではない気がする。


そして、画面を見ながら目じりをへろりとさげる男まで見える気がする。


わたしは今日も画面に語りかける。

いまならきっとまだ間に合うよこにたん・・・

その天使みたいな微笑は、とりあえずやめとこうか・・・?

と・・・・


・・・・


これまでもちあげるだけもちあげておいて、

せっかく勝ったのに、今度は判定が疑惑とかなんだとか言い出しはじめたマスコミもマスコミだが、

彼の性格というか、これまでの全体的なパフォーマンスは、ボクシングというスポーツ(というかエンターテイメント)がエキセントリックなものを含んでいるとはいえども、見ていてあまり気持ちのよいものではないのはたしかで、

ああいう一部始終をながめていると、なんというか、セッチーとかもとやとか野村の夫人とかを思いださせなくもない。


関係ないが、

先日の試合を見ているあいだじゅうずっと、わたしは『ミリオンダラーベイビー』でじつにエキセントリックなキャラを演じた、ヒラリースワンクの敵役の女性を思い出していた。


亀田選手の位置づけはもちろん・・・・・






デザインを夏らしく一新。

ていうかあとひとつきもすれば秋風が吹くようになるだろうが・・・

今年の梅雨は、それにしても長かった。


そうそう、

今クールドラマは、土曜日の『マイボス・マイヒーロー』以外まったく見る気がしないが、

短い夏を謳歌したいので、なんとなくちょうどいい。


いまどき、

あっ、今日、ドラマの続き見たいから早く帰るね!


なんて言って、足早に職場や学校を去っていく人がそんなにいるとは思えないんだけど、

ドラマ好きだし、ひとりでずっとそれをやっていた私なので、今回一週間に一回だけしかテレビの時間を気にして生活しなくてよくなったことは、なんというか、新鮮な、というか、フクザツな気持ちだ。